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臨床指標(クリニカルインディケーター)

臨床指標(クリニカルインディケーター)とは医療の質を定量的に評価する指標のことで、指標に基づいて診療の過程や結果を分析することで課題や改善点を見つけ出すことができます。当院では日本病院会のQIプロジェクトの指標を参考に臨床指標を定めて分析を行っています。

横にスクロールしてご覧ください。

1. 指標一覧
患者満足度(外来・入院)
入院患者の転倒・転落発生率
入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル2以上)
入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル4以上)
褥瘡発生率
特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
特定術式における術後24時間(心臓手術は48時間)以内の予防的抗菌薬投与停止率
特定術式における適切な予防的抗菌薬選択率
死亡退院患者率
30日以内の予定外再入院率
糖尿病患者の血糖コントロール HbA1c7.0%未満
65歳以上の糖尿病患者の血糖コントロール HbA1c8.0%未満
急性心筋梗塞患者におけるアスピリン投与割合
急性心筋梗塞患者におけるβブロッカー投与割合
急性心筋梗塞患者におけるスタチン投与割合
急性心筋梗塞患者におけるACE阻害剤もしくはARBの投与割合
急性心筋梗塞患者における入院当日のアスピリン投与割合
急性心筋梗塞患者の病院到着後90分以内のPCI実施割合
脳梗塞(TIA含む)患者のうち入院2日目までに抗血小板療法もしくは一部の抗凝固療法を受けた症例の割合
脳梗塞(TIA含む)患者における抗血小板薬処方割合
脳梗塞患者におけるスタチン処方割合
心房細動を合併する脳梗塞(TIA含む)患者への抗凝固薬の処方割合
脳梗塞における入院後早期リハビリ実施症例の割合
喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合(15歳以上)
喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合(5歳から14歳)
小児喘息に対して入院中にステロイドの全身投与(静注・経口)を受けた症例の割合
紹介率・逆紹介率
救急車・ホットラインの応需率
統合指標【手術】
統合指標【虚血性心疾患】
統合指標【脳梗塞】
職員におけるインフルエンザワクチン接種率
入院患者MRSA感染率 (令和3年度分集計中)【市民病院独自指標】
手術部位感染(SSI)発生率 (令和3年度分集計中)【市民病院独自指標】
臨床研修【市民病院独自指標】

2. 業務改善活動事例

当院で定めている35指標のうち5指標について重点指標として扱い、PDCAサイクルという手法を用いて業務改善に努めています。

"

※令和5年度からレイアウトを変更しています。

3. 指標の説明・結果

各指標について計算方法が変わった場合でも過去分の再計算は行っていません。
また、日本病院会QIプロジェクト平均値は当該年度の報告書の値を掲載しています。

患者満足度(外来・入院)

患者満足度(外来)

患者満足度(外来)

患者満足度(入院)

患者満足度(入院)

計算方法

分子 患者満足度調査において、「親しい方に、この病院を勧めたい」という設問に対し、5段階評価中上位2つの評価に該当する回答をした外来患者数、入院患者数
分母 患者満足度調査に回答した外来(入院)患者数
除外 未記入患者

指標の説明

  • 指標は、令和3年10月に当院で実施した患者満足度調査において、「親しい方に、この病院を勧めたい」という設問に対し、5段階評価(満足、やや満足、どちらでもない、やや不満、不満)の「満足」「やや満足」と回答した人の割合です。
  • 当院が提供する患者サービスの質を測る指標として、患者さんからのアンケートによる患者満足度を注視しています。寄せられたご意見は、質の高い安全・安心な医療サービスの提供のために活用しています。

結果・考察

※日本医療機能評価機構が実施する「患者満足度・職員やりがい度活用支援事業」に参加し、集計・分析を行っており、指標とする総合評価項目は「親しい方にこの病院を勧めたい」としています。

  • 総合的な満足度は、外来患者については昨年度より向上しています。入院患者については昨年度よりポイントの減少が見られますが、施設面、診療面等の各設問では概ね向上しています。
  • 外来患者については、時間面で会計や駐車場の待ち時間でポイントの向上がみられる一方、診療の待ち時間や、時間面全般についての設問では減少しているため、引き続き、待ち時間の改善に取り組みます。
  • 入院患者の総合的な満足度については、職員の接遇に関する設問との相関関係が比較的高い傾向にあることから、引き続き、接遇力向上や職員同士の連携など改善に取り組み、今後ともより良い病院づくりを進めます。
入院患者の転倒・転落発生率
入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル2以上・レベル4以上)
入院患者の転倒・転落発生率
入院患者の転倒・転落による損傷発生率

計算方法

分子 ・転倒・転落発生率
医療安全管理室へインシデントレポートが提出された転倒・転落件数
・転倒・転落による損傷発生率
医療安全管理室へインシデントレポートが提出された転倒・転落件数のうち
損傷レベル2以上または4以上の転倒・転落件数
分母 入院延べ患者数

指標の説明

  • 入院中は、入院生活という生活環境の変化によるものや、病気そのもの、治療・手術・薬剤などの影響により、自宅にいる時以上に転倒・転落のリスクが高くなります。
  • 転倒・転落は骨折などの怪我に結びつく危険性が高く、病状の回復の遅れや日常生活の動作に支障が出るなど、患者さんの生活の質に大きな影響を及ぼします。転倒・転落を100%防止することは難しい現状ですが、発生件数や事例を追跡し分析を行うことで、転倒・転落による損傷の低減に役立てています。
  • 転倒・転落の損傷レベルについてはThe Joint Commissionの定義を使用しています。平成25年度から、計測対象にレベル2を追加しました。

The Joint Commissionによる損傷レベル

1. なし 患者に損傷はなかった
2. 軽度 包帯、氷、創傷洗浄、四肢の挙上、局所薬が必要となった、あざ・擦り傷を招いた
3. 中軽度 縫合、ステリー・皮膚接着剤、副子が必要となった、または筋肉・関節の挫傷を招いた
4. 重度 手術、ギプス、牽引、骨折を招いた・必要となった、または神経損傷・身体内部損傷の診察が必要となった
5. 死亡 転倒による損傷の結果、患者が死亡した
6. UTD 記録からは判定不可能

結果・考察

  • 現在、過剰な活動抑制をできる限り行わず、治療が有効にできるように、「転倒転落アセスメントスコアシート」から危険度を判定し、それに応じた対策を講じています。
  • 転倒・転落に関するインシデント・オカレンス報告の集計データを項目ごとに確認すると、次の(1)~(8)のような状況で転倒・転落していることがあり、これらに対してより個別に対応ができれば、もう少し転倒・ 転落を防止できるのではないかと推測しました。
    (1)患者の転倒時の身体要因として、発熱、貧血、眩暈、下痢等があった➡病状の変化への対応
    (2)睡眠導入剤・麻薬・向精神薬を使用していた➡薬の作用への対応
    (3)生理現象を要因とした行動に伴う転倒➡日常生活リズムを把握し早めの誘導
    (4)医療従事者の見守り介助中だった➡突然の脱力への対応
    (5)スリッパを履いていた➡患者・家族へのお知らせ
    (6)離床センサーのスイッチを昼間や家族がいる時に切り、その後のセンサー動作チェックミス➡離床センサーの動作確認
    (7)ベッドに離床センサーを装着している患者のトイレでの転倒
    ➡ナースコールでトイレから呼べる患者か否かの判断
    (8)複数回(2~5回)転倒・転落した患者➡患者状態のアセスメント及び適切なセンサー類の設置

    これらのように、刻々と変化する患者の個々の病状や行動に対する判断を適切に行います。そして患者さんやご家族のご理解・ご協力を得ながら、身体抑制を必要最低限とした患者の人権に配慮したケアを提供します。
褥瘡発生率
褥瘡発生率

計算方法

分子 調査期間における分母対象患者のうち、d2以上の褥瘡の院内新規発生患者数
分母 入院延べ患者数(同日入退院患者除く)
除外 ・日帰り入院患者の入院日数(同日入退院患者も含む)
・入院時すでに褥瘡保有が記録(d1,d2,D3,D4,D5)されていた患者の入院日数
・調査期間より前に褥瘡の院内発生(d1,d2,D3,D4,D5)が確認され、継続して入院している患者の入院日数

指標の説明

  • 褥瘡とは、長期間寝ていたり車椅子を利用している場合に、同じ部位に体圧が長時間加わることにより、その部位の血行が悪くなり、皮膚・皮下組織が傷害されることで、その発生率は患者看護の質を測る重要な評価指標の1つです。
  • 痛みなどの知覚が低下した場合に発生しやすくなりますが、それに加えて、栄養状態、関節の変形、運動能力の低下といった様々な要因が絡みあって悪化するため、褥瘡ケアに関して専門的な知識を持ったスタッフによる看護体制をとることが重要になってきます。
  • この指標では、褥瘡発生の判断基準として、日本褥瘡学会のDESIGN-R(2008年改訂版褥瘡経過評価用)を用いています。DESIGN-Rの評価項目のうち、深さがd2以上に至ったものを褥瘡発生と捉えています。

DESIGN-R(2020年改訂版褥瘡経過評価用)による褥瘡の深さ基準

d0 皮膚損傷・発赤なし
d1 持続する発赤
d2 真皮までの損傷
D3 皮下組織までの損傷
D4 皮下組織を越える損傷
D5 関節腔、体腔に至る損傷
DTI 深部損傷褥瘡(DTI)疑い
DU 壊死組織で覆われ深さの判定が不能の場合

結果・考察

  • 令和3年度は、コロナウイルス感染症患者の対応病床確保のため複数科の患者が混在して一般病棟に入院する状況となりました。それに伴い、褥瘡発生リスクの高い方が1部署に複数みられましたが、褥瘡リスクアセスメントを適切に行い、適切なマットレスを使用することで褥瘡発生率は前年度と同率を維持できました。取り組みの一環として各病棟が保有する褥瘡予防マットレスの使用率向上のためグループワークを行い、使用状況の把握を見える化するなどの取り組みが有効であったと考えます。
特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

計算方法

分子 ・手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数
・術後24時間以内に予防的抗菌薬投与が停止された手術件数
(冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合48時間以内)
分母 下記の特定術式の手術件数(入院時年齢18歳以上、在院日数120日未満の患者)
・冠動脈バイパス手術
・そのほかの心臓手術
・股関節人工骨頭置換術
・膝関節置換術
・血管手術
・大腸手術
・子宮全摘除術
(股関節人工骨頭置換術、膝関節置換術、血管手術は手術開始前1時間のみ)
除外 ・帝王切開手術施行患者
・臨床試験・治験を実施している患者
・術前に感染が明記されている患者
・全身/脊椎/硬膜外麻酔で行われた手術・手技が、主たる術式の前後3日(主たる術式が冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合は4日)に行われたもの(日数計算は麻酔開始日/麻酔終了日を基点とする)
・術後の抗菌薬長期投与の理由が記載されている
・手術室内または回復室内での死亡患者

指標の説明

  • 滅菌法や消毒などの医療技術が進歩した現代においても、手術中は細菌との接触リスクが高くなることから、感染を防止することは困難な課題です。
  • 感染により治癒が遅くなることで、患者さんのご負担が増えないよう、当院ではあらゆる手段を講じて感染防止に努めています。
  • その一つとして、手術開始から終了後2~3時間までの間、適切な抗菌薬(病気の原因となる細菌に対抗する薬)を静脈注射することで、血中および組織中の抗菌薬濃度を適切に保つ方法があります。
  • 手術中は、人体にもともと備わった免疫力だけでは十分に機能しないことから、感染防止には欠かせない処置です。
  • 一方では、抗菌薬の不適切で無計画な投与は副作用の危険性、耐性菌の出現、医療費を増大させるため、術後漫然と予防投与を継続しないこととされています。

結果・考察

  • 開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与は高い水準で推移できており、手術部位感染(SSI)発生予防対策の1つとして効果が得られています。患者状態の変化を踏まえながら、適切な対応ができるよう取り組んでいきます。
特定術式における術後24時間(心臓手術は48時間)以内の予防的抗菌薬投与停止率

計算方法

分子 ・手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数
・術後24時間以内に予防的抗菌薬投与が停止された手術件数
(冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合48時間以内)
分母 下記の特定術式の手術件数(入院時年齢18歳以上、在院日数120日未満の患者)
・冠動脈バイパス手術
・そのほかの心臓手術
・股関節人工骨頭置換術
・膝関節置換術
・血管手術
・大腸手術
・子宮全摘除術
(股関節人工骨頭置換術、膝関節置換術、血管手術は手術開始前1時間のみ)
除外 ・帝王切開手術施行患者
・臨床試験・治験を実施している患者
・術前に感染が明記されている患者
・全身/脊椎/硬膜外麻酔で行われた手術・手技が、主たる術式の前後3日(主たる術式が冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合は4日)に行われたもの(日数計算は麻酔開始日/麻酔終了日を基点とする)
・術後の抗菌薬長期投与の理由が記載されている
・手術室内または回復室内での死亡患者

指標の説明

  • 滅菌法や消毒などの医療技術が進歩した現代においても、手術中は細菌との接触リスクが高くなることから、感染を防止することは困難な課題です。
  • 感染により治癒が遅くなることで、患者さんのご負担が増えないよう、当院ではあらゆる手段を講じて感染防止に努めています。
  • その一つとして、手術開始から終了後2~3時間までの間、適切な抗菌薬(病気の原因となる細菌に対抗する薬)を静脈注射することで、血中および組織中の抗菌薬濃度を適切に保つ方法があります。
  • 手術中は、人体にもともと備わった免疫力だけでは十分に機能しないことから、感染防止には欠かせない処置です。
  • 一方では、抗菌薬の不適切で無計画な投与は副作用の危険性、耐性菌の出現、医療費を増大させるため、術後漫然と予防投与を継続しないこととされています。

結果・考察

  • 抗菌薬停止は、各診療科ごとの投与計画より推進されています。
特定術式における適切な予防的抗菌薬選択率

計算方法

分子 特定術式ごとに適切な予防的抗菌薬が選択された手術件数
※アレルギーが原因で推奨薬以外の抗菌薬を使用した場合を除く
分母 下記の特定術式の手術件数(入院時年齢18歳以上、在院日数120日未満の患者)
・冠動脈バイパス手術
・そのほかの心臓手術
・股関節人工骨頭置換術
・膝関節置換術
・血管手術
・大腸手術
・子宮全摘除術
除外 ・帝王切開手術施行患者
・臨床試験・治験を実施している患者
・術前に感染が明記されている患者
・全身/脊椎/硬膜外麻酔で行われた手術・手技が、主たる術式の前後3日(主たる術式が冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合は4日)に行われたもの(日数計算は麻酔開始日/麻酔終了日を基点とする)
・手術室内または回復室内での死亡患者

指標の説明

  • 手術を実施した症例のほとんどで適切な予防的抗菌薬が選択されています。
  • 減菌法や消毒などの医療技術が進歩した現代においても、手術中は細菌との接触リスクが高くなることから、感染を防止することは困難な課題です。
  • 感染により治癒が遅くなることで、入院日数と医療コストの面から患者さんの負担が増えないよう、当院ではあらゆる手段を講じて感染防止に努めています。
  • その一つとして、手術開始から終了後2~3時間までの間、適切な抗菌薬(病気の原因となる細菌に対抗する薬)を静脈注射することで、血中および組織中の抗菌薬濃度を適切に保つ方法があります。
  • 手術中は、人体にもともと備わった免疫力だけでは十分に機能しないことから、感染防止には欠かせない処置といえます。
  • 一方では、抗菌薬の不適切で無計画な投与は副作用の危険性、耐性菌の出現、医療費を増大させるため、術後漫然と予防投与を継続しないこととされています。

結果・考察

  • 基本的にはガイドライン推奨の抗菌薬を使用しています。一部の症例では、患者さんの状態を踏まえつつ、ガイドライン推奨外の抗菌薬を適切に使用しています。適切な抗菌薬の選択ができなかった事例は、手術による感染以外のリスクを考慮された事例等で主治医の判断による変更です。選択薬は推奨と異なりますが、感染症マネジメントの観点では不適切な抗菌薬選択ではありませんでした。
死亡退院患者率

計算方法

分子 死亡退院患者数
分母 退院患者数
除外 ・緩和ケア等(診療報酬の算定を認可された病棟のみではなく、同様の病棟を設置している場合も含む)退院患者
・DPCで様式1に含まれる「救急患者として受け入れた患者が、処置室、手術室等において死亡した場合で、当該保険医療機関が救急医療を担う施設として確保することとされている専用病床に入院したものとみなされるもの(死亡時の1日分の入院料等を算定するもの)。」

指標の説明

  • 死亡退院患者率は、医療施設の特性(医療圏で担う機能、地域性、病床数、入院患者さんの年齢や疾患の種類と重症度など)が異なるため、単純に医療の質の良し悪しを比較できるものではありません。
  • 死亡退院患者率の推移を追っていくことで、医療の質が変化していないかを知るのに役立ちます。

結果・考察

  • 当院は第1種感染症指定医療機関としてCOVID-19を数多く受け入れています。また、地域の重症患者についても積極的に受け入れています。
30日以内の予定外再入院率
30日以内の予定外再入院率

計算方法

分子 分母のうち、様式1の「予定・救急医療入院区分」が「救急医療入院以外の予定外入院」または「救急医療入院」に該当し、かつ入院日の30日前以降に様式1の「前回退院年月日」が該当する症例
分母 DPC様式調査・様式1の退院患者数

指標の説明

※令和2年度から追加された指標です。

  • 入院される患者さんにとっては、入院生活は通常と異なる不便さがあったり、仕事を長期間離れなくてはならないなど、日常生活に及ぼす影響は少なくありません。このような観点からは、入院期間はできるだけ短いことが望ましいこととなります。
  • 一方で退院できたものの、経過観察等の予定されたものではない予定外の再入院をすることになっては、一旦退院できたとしてもかえって入院期間が長引いたり、治療費の負担が増えてしまいます。
  • このようなことから退院後の一定期間後に再入院がどの程度あったのかを把握することは、在院日数の短縮とあいまって、医療の質を表す基本的な指標であるといえます。
    ※「救急医療入院」とは、次に掲げる状態にある患者に対して、医師が診察等の結果、緊急に入院が必要で有ると認めたものを指します。
     ・吐血、喀血又は重篤な脱水で全身状態不良の状態
     ・意識障害又は昏睡
     ・呼吸不全又は心不全で重篤な状態
     ・急性薬物中毒
     ・ショック
     ・重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)
     ・広範囲熱傷
     ・外傷、破傷風等で重篤な状態
     ・緊急手術を必要とする状態
     ・その他上記の要件に準ずるような重篤な状態

結果・考察

  • 退院後に予定外の再入院をすることがあります。その要因は一概には言えませんが、前回の入院とは関連のない傷病・事故などが考えられます。令和元年から令和3年の実績はすべて全国の平均よりも低い水準となっています。
糖尿病患者の血糖コントロール

①糖尿病患者の血糖コントロール
HbA1c 7.0%未満

糖尿病患者の血糖コントロール

②65歳以上の糖尿病患者の血糖コントロール HbA1c 8.0%未満

糖尿病患者の血糖コントロール

計算方法

分子 ① HbA1c(NGSP)の最終値が7.0%未満の外来患者数
② HbA1c(NGSP)の最終値が8.0%未満の65歳以上の外来患者数
分母 ① 糖尿病の薬物治療を施行されている外来患者数
(過去1年間に糖尿病治療薬が外来で合計90日以上処方されている患者)
② 糖尿病の薬物治療を施行されている65歳以上の外来患者数
(過去1年間に糖尿病治療薬が外来で合計90日以上処方されている65歳以上の患者)
除外 運動療法または食事療法のみの患者

指標の説明

  • HbA1c (ヘモグロビンA1c)とは、糖尿病の診断にも用いられている検査で過去1~2か月間の血糖値のコントロール状態がわかります(正常値は6.2%未満)。糖尿病による合併症頻度はHbA1c の改善度に比例しており、合併症を予防するために、HbA1c(NGSP)を7.0%未満に維持することが推奨されています。
  • したがって、HbA1c(NGSP)が7.0%未満にコントロールされている患者さんの割合を調べることは、糖尿病診療の質を判断するにふさわしい指標であると考えられます。もちろん、妊娠中の患者さん、低血糖を感知しづらい糖尿病自律神経症を合併している患者さん、認知症があるため血糖値を高めにコントロールしたほうが安全である患者さんなど、すべての患者さんがこの指標の数値を達成するべきものではありません。
  • 特に高齢者においては、患者さんの病状・使用薬剤に応じて目標とするHbA1c値が緩和されることがあります。

結果・考察

  • 高度急性期医療を担う役割を踏まえ、HbA1cが7.0%以上であっても、当院では合併症リスクが低くなり次第(数値のコントロールができ次第)、適正な紹介を促進し、地域医療機関と連携を強化しつつ、機能分化を図っています。
急性心筋梗塞患者におけるアスピリン投与割合
アスピリン投与割合

計算方法

分子 分母のうち、アスピリンもしくはクロピドグレルが投与された症例数
分母 急性心筋梗塞で入院した症例数

指標の説明

※令和3年度から追加された指標です。

  • 急性心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養分や酸素を供給する「冠動脈」に血栓が生じることで、心臓の筋肉細胞が壊死してしまう病気です。
  • 病状が安定し退院した後に、病気が再発することを予防するために、『心筋梗塞二次予防に関するガイドライン』では、アスピリン、βブロッカー、スタチン、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤・アンギオテンシンⅡ受容体阻害剤(ARB)等のうち、必要なものを投与することが推奨されています。
  • そこで本指標では、急性心筋梗塞の診断があった患者に対して、これらの薬剤の処方率を算出しています。

急性心筋梗塞に対する処方薬(アスピリン)

横にスクロールしてご覧ください。

効能/効果 禁忌
アスピリン ・血小板凝集を阻害することにより、血栓・塞栓が形成されることを抑制する。
・特に、冠動脈バイパス術あるいは経皮経管冠動脈形成術施行後での投与は重要である。
・出血傾向のある患者
・消化性潰瘍のある患者
・出産予定日12週以内の妊婦
・非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作が誘発される恐れのある患者

結果・考察

  • アスピリンの未投与例は、抗凝固薬使用例や消化性潰瘍の既往例で、アスピリンを外してチエノピリジン系薬剤を投与しています。(抗血栓薬は100%の症例で使用されています。)
急性心筋梗塞患者におけるβブロッカー投与割合
退院時投与割合(βブロッカー)

計算方法

分子 分母のうち、βブロッカーが投与された症例数
分母 急性心筋梗塞で入院した症例数

指標の説明

※令和3年度から追加された指標です。

  • 急性心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養分や酸素を供給する「冠動脈」に血栓が生じることで、心臓の筋肉細胞が壊死してしまう病気です。
  • 病状が安定し退院した後に、病気が再発することを予防するために、『心筋梗塞二次予防に関するガイドライン』では、アスピリン、βブロッカー、スタチン、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤・アンギオテンシンⅡ受容体阻害剤(ARB)等のうち、必要なものを投与することが推奨されています。
  • そこで本指標では、急性心筋梗塞の診断があった患者に対して、これらの薬剤の処方率を算出しています。

急性心筋梗塞に対する処方薬(βブロッカー)

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効能/効果 禁忌
βブロッカー ・心拍数・心筋収縮力の抑制作用により、心筋酸素消費を軽減させて狭心症を抑制する。
・心房細動の抑制に効果がある。
・ペースメーカの入っていない高度徐脈やⅡ~Ⅲ度房室ブロック
・重度の末梢循環不全での使用
・冠攣縮性狭心症での単独使用
・気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患

結果・考察

  • 急性心筋梗塞症例におけるβブロッカー投与を行っていない症例については、小梗塞で心機能に問題のない心室性不整脈もない場合(特に低血圧、徐脈傾向)や禁忌にも記載があるような重篤な疾患をお持ちの症例等につきましては投与をされていません。
急性心筋梗塞患者におけるスタチン投与割合
退院時投与割合(スタチン)

計算方法

分子 分母のうち、スタチンが投与された症例数
分母 急性心筋梗塞で入院した症例数
除外 死亡退院症例

指標の説明

※令和3年度から追加された指標です。

  • 急性心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養分や酸素を供給する「冠動脈」に血栓が生じることで、心臓の筋肉細胞が壊死してしまう病気です。
  • 病状が安定し退院した後に、病気が再発することを予防するために、『心筋梗塞二次予防に関するガイドライン』では、アスピリン、βブロッカー、スタチン、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤・アンギオテンシンⅡ受容体阻害剤(ARB)等のうち、必要なものを投与することが推奨されています。
  • そこで本指標では、急性心筋梗塞の診断があった退院患者に対して、これらの薬剤の退院時処方率を算出しています。

急性心筋梗塞に対する処方薬(スタチン)

横にスクロールしてご覧ください。

効能/効果 禁忌
スタチン 脂質代謝異常を改善し、冠動脈狭窄の要因となっているプラーク(血管内にできる脂肪分のコブ)を退縮させる。 ・重篤な肝機能障害のある患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦

結果・考察

  • 急性心筋梗塞症例におけるスタチン投与は、ほぼ全症例でスタチンを投与しています。投与を行っていない症例については、LDLコレステロール値が70以下で投与する必要がなくなった方や全身状態の悪い方、禁忌にも記載があるような重篤な肝機能障害をお持ちの症例等につきましては投与をされていません。
急性心筋梗塞患者におけるACE阻害剤もしくはARBの投与割合
退院時投与割合(ACE阻害剤等)

計算方法

分子 分母のうち、ACE阻害剤(ACE)もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤(ARB)が投与された症例数
分母 急性心筋梗塞で入院した症例数

指標の説明

  • 急性心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養分や酸素を供給する「冠動脈」に血栓が生じることで、心臓の筋肉細胞が壊死してしまう病気です。
  • 病状が安定し退院した後に、病気が再発することを予防するために、『心筋梗塞二次予防に関するガイドライン』では、アスピリン、βブロッカー、スタチン、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤・アンギオテンシンⅡ受容体阻害剤(ARB)等のうち、必要なものを投与することが推奨されています。
  • そこで本指標では、急性心筋梗塞の診断があった患者に対して、これらの薬剤の処方率を算出しています。

急性心筋梗塞に対する処方薬の比較

横にスクロールしてご覧ください。

効能/効果 禁忌
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤 ・腎臓での血流の調節機構を構成するACEを阻害することにより、末梢血管を拡張し血圧を下げる。
・腎臓の輸出細動脈を拡張し、アンジオテンシンII受容体拮抗薬とともに糸球体内圧を下げることにより、腎臓を保護する。
・血管浮腫の既往歴のある患者
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
・アリスキレンを投与中の糖尿病患者
アンギオテンシンⅡ
受容体阻害剤
(ARB)
腎臓での血流の調節機構を構成するアンギオテンシンⅡが、受容体と結合することを阻害することにより、末梢血管を拡張し血圧を下げる。 ・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
・アリスキレンを投与中の糖尿病患者

結果・考察

  • 急性心筋梗塞症例におけるACE阻害薬およびARBの未投与例は、小さな心筋梗塞で心機能正常例か、もしくは高カリウム血症の傾向や重度の腎機能障害で投与を控えた症例、禁忌にも記載があるような重篤な疾患をお持ちの症例等につきましては投与をされていません。
急性心筋梗塞患者における入院当日のアスピリン投与割合
糖尿病患者の血糖コントロール

計算方法

分子 分母のうち入院当日にアスピリンが投与された症例数
分母 急性心筋梗塞で入院した症例数

指標の説明

  • 急性心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養分や酸素を供給する「冠動脈」に血栓が生じることで、心臓の筋肉細胞が壊死してしまう病気です。
  • 血管カテーテルによる治療などによって、一旦は重篤な状態から安定した状態に移行したとしても、再び心筋梗塞を起こさないように二次予防を積極的に行わなければなりません。『循環器病の診断と治療に関するガイドライン』では、二次予防のために早期に投与すべき薬剤が示されています。
  • アスピリンは、臨床研究から早期に投与するほど死亡率が低下することが示されており、アスピリンアレルギーのある患者を除き、急性心筋梗塞が疑われる全症例で発症直後から投与することが推奨されています。本指標では、入院当日にアスピリンが投与された割合を計測しています。

結果・考察

  • 急性心筋梗塞症例に対しては初日にアスピリンを投与しています。
急性心筋梗塞患者の病院到着後90分以内のPCI実施割合
急性心筋梗塞患者の病院到着後90分以内のPCI実施割合

計算方法

分子 分母のうち、来院後90分以内に手技を受けた症例数
分母 18歳以上の急性心筋梗塞で経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けた症例数

指標の説明

  • 急性心筋梗塞(ST上昇型心筋梗塞:STEMI)の治療には、発症後可能な限り早期に再灌流療法(閉塞した冠動脈の血流を再開させる治療)を行うことが重要になります。再灌流療法には主にバルーンやステントを使用したPCIが行われます。
  • 病院到着(Door)からPCI(Balloon)までの時間を「Door-To-Balloon Time」と言い、90分以内であることが推奨されています。本指標では、急性心筋梗塞患者の病院到着後90分以内にPCIを実施した割合を算出しています。

結果・考察

  • 昨年と本年度は、コロナ抗原のチェックやコロナ用にアンギオ室を整備するなどの待機時間が発生したことによりDoor To Balloon Timeが延長していますが、迅速検査キットの普及によってバルーン拡張できた症例割合は増加しています。
脳梗塞(TIA含む)患者のうち入院2日目までに抗血小板療法もしくは一部の抗凝固療法を受けた症例の割合
脳卒中患者のうち入院から2日目までに抗血栓治療を受けた患者の割合

計算方法

分子 分母のうち入院2日目までに抗血小板療法もしくは一部の抗凝固療法を受けた症例
分母 脳梗塞か一過性脳虚血発作(TIA)と診断された18歳以上の入院症例数
除外 t-PA 治療を受けた症例

指標の説明

  • 「脳卒中」は、大きくは脳の血管が詰まる「脳梗塞(脳血栓症・脳塞栓症・一過性脳虚血発作)」と、脳の血管が破れて出血する「脳出血」や「くも膜下出血」に分けられます。
  • 「脳梗塞」とは、脳の血管が細くなったり、血管に血栓(血のかたまり)が詰まったりして、脳に酸素や栄養が送られなくなるために、脳の細胞が障害を受ける病気で、一過性脳虚血発作(TIA)とは、一時的に脳の血流が悪くなることにより、運動麻痺、感覚障害などの症状が現れるが24時間以内に回復するもので、脳梗塞の前兆といわれています。
  • 今回の指標では、脳卒中のうち「脳梗塞」で入院から2日目までに抗血小板療法もしくは一部の抗凝固療法を施行された割合をみてみました。
  • 脳血管がつまって脳梗塞が再発することを防止するために、『脳卒中治療ガイドライン2021』では、48時間以内に1日あたりアスピリン160~300mgの経口投与が強く推奨されています。
  • ただし、脳血管に生じた血栓を溶解するt-PA治療を受けた場合は、24時間以内の抗血小板薬の投与は頭蓋内出血を増やす危険性があるため、『rt -PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針第三版』において禁忌とされており、本指標においても該当症例は除外しました。

結果・考察

  • 基本的に心原性脳塞栓症が疑われる症例に対しては、全例に対し入院初期にヘパリン等を含む抗凝固療法を実施しています。
脳梗塞(TIA含む)患者における抗血小板薬処方割合
脳卒中患者の退院時、抗血小板薬の処方割合

計算方法

分子 分母のうち、抗血小板薬を処方された症例
分母 脳梗塞か一過性脳虚血発作(TIA)と診断された18歳以上の入院症例数
除外 退院時に抗凝固薬を処方された症例、死亡退院症例、在院日数が121日以上の症例

指標の説明

※令和3年度から追加された指標です。

  • 脳梗塞は、詰まる血管の太さやその詰まり方によって3つのタイプに分けられます。
    (1) 比較的太い動脈に付着したコレステロールの固まりに血栓ができる「アテローム血栓性梗塞」
    (2) 脳の細い血管での動脈硬化によって起こる「ラクナ梗塞」
    (3) 心臓にできた血栓が流れてきて血管をふさぐ「心原性脳塞栓症」などがあります。
  • このうち、心原性脳寒栓症以外の再発予防には、抗血小板薬の投与が推奨されています。
  • 十分な血圧コントロールのもとでの、ラクナ梗塞の再発予防にも抗血小板薬の使用が奨められています。

結果・考察

  • 抗血小板療法の適応患者さんは全例に抗血小板薬の処方を行っております。
  • 未処方例は心原性脳塞栓症が疑われ、抗凝固療法を施行した場合や消化管出血等で抗血栓療法が禁忌の場合となります。
  • 積極的な後方連携の促進を行っています。また、様々な症状や他施設での治療方針に応じて退院時の処方・持参薬管理等を引き続き行っております。
脳梗塞患者におけるスタチン処方割合
脳梗塞患者の退院時スタチン処方割合

計算方法

分子 分母のうち、スタチンが処方された症例数
分母 脳梗塞で入院した症例数
除外 死亡退院症例、疑い病名の症例

指標の説明

※令和3年度から追加された指標です。

  • 『脳卒中治療ガイドライン2021』では、脳梗塞の再発予防に脂質異常症のコントロールが推奨されています。また、高用量のスタチン系薬剤は脳梗塞の再発予防に有効であるとされています。
  • 本指標では、脳梗塞の診断があった患者さんに対して、スタチンが処方された割合を算出しています。
  • スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)とは、コレステロールの合成速度を制御する薬剤のことで、スタチン系薬剤は脂質異常症の治療薬として世界中で広く使用されています。

結果・考察

  • ガイドラインに則り、LDL80以下を目標にスタチンを処方しています。
心房細動を合併する脳梗塞(TIA含む)患者への抗凝固薬処方割合
心房細動を合併する脳梗塞(TIA含む)患者への抗凝固薬の処方割合

計算方法

分子 分母のうち、抗凝固薬を処方された症例
分母 脳梗塞か一過性脳虚血発作(TIA)と診断され、かつ心房細動と診断された18歳以上の入院症例数
除外 死亡退院症例、在院日数が121日以上の症例

指標の説明

※令和3年度から追加された指標です。

  • 心房細動は、心臓の拍動が乱れ、血液が心臓内に停滞する状態のことです。心房細動は高齢者に多く見られ、心房細動がある人は、ない人に比べて脳梗塞を発症しやすくなります。
  • また、心房細動が原因で心臓にできる血栓は比較的大きく、それが脳にとぶと、脳の太い血管をふさぎ、脳梗塞(心原性脳塞栓症)が起こり、脳が受けるダメージの範囲は広く、死亡率や寝たきりなどの介護が必要な重度の後遺症が残る可能性が高くなります。
  • 原因となる血栓ができないように、『脳卒中治療ガイドライン2021』では、弁膜症を伴わない心房細動のある脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)患者さんの再発予防に、血液凝固因子に作用して血栓を防ぐワーファリン等の抗凝固薬を処方することを推奨しています。

結果・考察

  • 心房細動を合併する脳梗塞症例について、原則全例に抗凝固薬を処方しています。
  • 消化管出血など禁忌項目のある患者さんが除外対象となります。
脳梗塞における入院後早期リハビリ実施症例の割合
脳梗塞における入院後早期リハビリ実施症例の割合

計算方法

分子 分母のうち、入院後早期(3日以内)に脳血管リハビリテーション治療を受けた症例
分母 脳梗塞と診断された18歳以上の入院症例数
除外 7日以内の死亡退院症例

指標の説明

  • 安静臥床が長期化すると、筋萎縮・筋力低下、関節拘縮(関節を動かさないために、次第に関節の動く範囲が狭くなった状態のこと)等の症状があらわれる廃用症候群が起こります。
  • 廃用症候群を予防し、早期の日常生活動作の向上と社会復帰を図るために、『脳卒中治療ガイドライン2021』では、十分なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーションを行うことを強く勧めています。
  • 『脳卒中治療ガイドライン2021』に示されたエビデンスでは、入院後3日以内にリハビリテーションを開始した群は3日以上たってリハビリテーションを開始した群に比べ、入院期間が短く、退院時の歩行状態が良かったとされていることから、本指標では入院後3日以内に脳血管リハビリテーションが行われた症例数を集計しています。

結果・考察

  • 脳血管リハビリテーションを入院後3日以内に実施した症例数の割合は前年度と同程度となっています。
  • TIAなど症状が軽微でリハビリテーションが必要ない患者さんを除き、全例で早期リハビリを導入しています。
喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合(15歳以上)
喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合

計算方法

分子 分母のうち、入院中に吸入ステロイド薬の処方を受けた症例数
分母 喘息を原因とする15歳以上の入院症例数

指標の説明

※令和2年度から追加された指標です。

  • 気管支喘息は、気管支に炎症が続き、さまざまな刺激に敏感になり、空気の通り道が狭くなる病気です。喘息の炎症の多くはダニやハウスダスト、花粉、ペットのフケなど、日常生活のありふれた物質に対するアレルギーが関わっています。
  • 『喘息予防・管理ガイドライン2021』によると、喘息の治療薬は、喘息症状を軽減・消失させ肺機能を正常化し、その状態を維持させる長期管理薬(コントローラー)と、発作時に短期間使用する発作治療薬(レリーバー)に大きく2種類に分けられます。
     ・長期管理薬(コントローラー):吸入ステロイド薬、長期作用型の気管支拡張薬、抗アレルギー薬
     ・発作治療薬(レリーバー):経口ステロイド薬、短時間作用する気管支拡張薬
  • 吸入ステロイド薬は長期管理薬のひとつで、アレルギー性炎症に対する最も強い薬剤です。経口薬よりも全身への副作用が少ないため、吸入薬が用いられます。喘息の状態を軽症から重症までの4ステップに分類し、それぞれの段階に応じて低用量から高用量で投薬すべきとされています。
  • 吸入ステロイド薬を長期に高用量使用した場合の全身への影響は、副腎皮質の抑制や骨代謝の抑制の報告があります。経口薬より副作用は少ないとしても長期の影響について注意深く検討する必要があります。

結果・考察

  • 喘息の入院患者さんが減少していますが、抗体製剤と吸入薬の適切な導入により、全国的に喘息発作の入院患者さんが減少しており、当院も同様の結果でした。
  • 入院中に処方されなかった成人の患者さんは、自宅に薬がある場合や、患者さんの希望により吸入ステロイド薬と同様の効果がある薬剤で適切な治療を行っています。また、患者さんに対する吸入指導は入院中に全例行っています。したがって、 入院を要するほどの成人喘息患者さんに対するステロイド吸入普及率は100%となっております。
喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合(5歳から14歳)
喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合

計算方法

分子 分母のうち、入院中に吸入ステロイド薬の処方を受けた症例数
分母 喘息を原因とする5歳から14歳の入院症例数

指標の説明

※令和2年度から追加された指標です。

  • 気管支喘息は、気管支に炎症が続き、さまざまな刺激に敏感になり、空気の通り道が狭くなる病気です。喘息の炎症の多くはダニやハウスダスト、花粉、ペットのフケなど、日常生活のありふれた物質に対するアレルギーが関わっています。
  • 小児気管支喘息については、成人気管支喘息とは異なる特性があることから、日本小児アレルギー学会において『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2020』を策定しています。
  • 吸入ステロイド薬はアレルギー性炎症に対する最も強い薬剤です。経口薬よりも全身への副作用が少ないため、吸入薬が用いられます。喘息の状態を軽症から重症までの4ステップに分類し、それぞれの段階に応じて低用量から高用量で投薬すべきとされています。
  • 小児気管支喘息においては、成人気管支喘息とは異なる推奨薬剤が示されており、必ずしも吸入ステロイド薬を優先的に用いることとはされていません。
  • 吸入ステロイド薬を長期に高用量使用した場合の全身への影響は、副腎皮質の抑制や骨代謝の抑制の報告があります。経口薬より副作用は少ないとしても長期の影響について注意深く検討する必要があります。

結果・考察

  • 長期的外来管理においては重症度に応じてロイコトリエン拮抗薬、β2受容体刺激薬とともに吸入ステロイド薬も用いられます。入院管理を必要とする小児の喘息発作急性期には、ほとんどの場合、ステロイドの全身投与が行われます。
小児喘息に対して入院中にステロイドの全身投与(静注・経口)を受けた症例の割合
入院中にステロイドの経口・静注処方された小児喘息患者の割合

計算方法

分子 分母のうち、入院中にステロイドの全身投与(静注・経口処方)を受けた症例数
分母 2歳~15歳で、喘息に関連した疾病の入院症数

指標の説明

  • 小児気管支喘息については、成人気管支喘息とは異なる特性があることから、日本小児アレルギー学会において『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2020』を策定しています。
  • その中で、急性発作時の医療機関での対応について、家庭での対処状況を把握した上で発作強度を評価し、中発作は外来治療、大発作と呼吸不全は入院治療で対応することとされています。
  • 中発作ではβ2刺激薬等気管支拡張作用を持つ薬剤では対応できない場合、大発作と呼吸不全では初期段階から、経口・静注ステロイドの投与が標準的治療として示されています。ステロイドの全身投与は、呼吸困難が改善したら中止し、できる限り短期の使用にとどめることとされています。

結果・考察

  • ガイドラインに則って、ステロイド投与を必要とする中発作、大発作、呼吸不全の症例に入院管理を行っております。
  • 入院中にステロイドの経口投与・静脈内投与を行わなかった症例では、β2刺激薬等気管支拡張作用を持つ薬剤の投与を行い、併発する肺炎の治療や基礎疾患の管理などを重点的に行っています。
  • フォローアップ外来で重症度に応じ、継続的にステロイド投与を行った症例もあり、概ねガイドラインに沿った治療が行われています。
紹介率・逆紹介率
紹介率・逆紹介率

計算方法

分子 紹介率:紹介初診患者数-(紹介初診平日救急搬送患者数+紹介初診休日・夜間救急患者数)
逆紹介率:逆紹介患者数
分母 初診患者数-(初診で平日救急搬送患者数+休日・夜間の初診救急患者数)
除外 初診の平日救急搬送患者数及び休日・夜間の初診救急患者数

指標の説明

  • 市民病院は、平成18年9月に「地域医療支援病院」として承認され、病院・診療所等地域医療機関との連携を進めており、初診については地域医療機関からの紹介制を推進しています。
  • 逆紹介とは、当院での診療により、安定した病状となった患者さん等を地域のかかりつけ医や療養型病院での治療への移行等のために、他の医療機関へ紹介することです。

結果・考察

  • 令和3年度は前年度と比較して、紹介率は1.6ポイント減、逆紹介率は0.3ポイント増となっています。
  • 個々の診療科特性を踏まえた地域医療機関との連携推進を図り、紹介患者増および紹介率増を目指していきます。また、初診患者へ紹介状持参のうえで受診をするよう啓発していきます。
  • 高度急性期病院として地域完結型医療を目指し、院内LANを活用し、逆紹介の推進と返書作成の徹底について医師への周知を図ります。
救急車・ホットラインの応需率
救急車の応需率

計算方法

分子 救急車で来院した患者数
分母 救急車受け入れ要請件数
除外 他院からの搬送(転送)件数

指標の説明

  • 当院の救命救急センターは、高度な三次救急医療に特化するのではなく、従来の救急センター(ER)と同様に、初期から三次までの救急症例を対象とした「ER型救命救急センター」を目指しております。
  • 横浜市の救急医療の中核を担う病院として、救急医療機関の受入能力を示す救急車応需率について、令和3年度は93.0%を目標としました。

結果・考察

  • 応需率を高めるための取り組みとして、「救命救急センター運営委員会」において、応需率の状況を共有し、課題解決にむけた検討を行いました。また、救急隊との連携強化に向けて症例検討会を実施しました。
  • 重症の救急患者を受け入れるためのICU・HCU病棟においては、退室患者の決定及び退室候補患者の退室順を決定し、入院を必要とする患者さんが随時・適切に入室できるようにベットコントロールを実施しています。
    しかしながら、救急車の受け入れ件数は昨年度と比較すると1,025件増加していましたが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い一般病棟の感染症病棟への転用や病棟閉鎖を実施したこと、また、感染症が疑われる患者さんの隔離のためにHCU病棟を使用したことで、満床による応需不能が発生し、目標を下回る80.7%となりました。
統合指標【手術】
統合指標【手術】

計算方法

分子 下記の合計
・手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数
・術後24時間以内に予防的抗菌薬投与が停止された手術件数(冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合48時間以内)
・術式ごとに適切な予防的抗菌薬が選択された手術件数
分母 各分子に対する、下記の特定術式の手術件数(入院時年齢18歳以上、在院日数120日未満の患者)の合計
・冠動脈バイパス手術 / そのほかの心臓手術 / 股関節人工骨頭置換術 / 膝関節置換術 / 血管手術 / 大腸手術 / 子宮全摘除術
除外 <共通項目>
・帝王切開手術施行患者
・臨床試験・治験を実施している患者
・術前に感染が明記されている患者
・全身/脊椎/硬膜外麻酔で行われた手術・手技が、主たる術式の前後3日(主たる術式が冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合は4日)に行われたもの(日数計算は麻酔開始日/麻酔終了日を基点とする)
<予防的抗菌薬投与率>
・手術開始日時の24時間前に抗菌薬を投与されている患者
(大腸手術でフラジールおよびカナマイシンを投与されている場合は除外の必要なし)
・外来手術施行患者
<予防的抗菌薬投与停止率>
・術後の抗菌薬長期投与の理由が記載されている
・手術室内または回復室内での死亡患者
<予防的抗菌薬選択>
・手術室内または回復室内での死亡患者

指標の説明

  • 統合指標【手術】とは、
    ・「特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率」
    ・「特定術式における術後24時間(心臓手術は48時間)以内の予防的抗菌薬投与停止率」
    ・「特定術式における適切な予防的抗菌薬選択率」
    以上の指標値を合算して、手術における予防的抗菌への取組について総合的に評価する指標です。
統合指標【虚血性心疾患】
統合指標【虚血性心疾患】

計算方法

分子 下記の合計
・分母のうち、入院当日にアスピリンが投与された患者数
・分母のうち、アスピリン、βブロッカー、スタチン、ACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤のいずれかが投与された患者数
・分母のうち、来院後90分以内に手技を受けた患者数
分母 下記の合計
<アスピリン、βブロッカー、スタチン、ACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤>
急性心筋梗塞で入院した症例数
<90分以内に手技>
18歳以上の急性心筋梗塞でPCIを実施した患者数
除外 <スタチン>
死亡退院症例

指標の説明

※令和3年度から対象となる指標が変更されています。

  • 統合指標【虚血性心疾患】とは、
    ・「急性心筋梗塞患者における入院当日のアスピリン投与割合」
    ・「急性心筋梗塞患者におけるアスピリン投与割合」
    ・「急性心筋梗塞患者におけるβブロッカー投与割合」
    ・「急性心筋梗塞患者におけるスタチン投与割合」
    ・「急性心筋梗塞患者におけるACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤の投与割合」
    ・「急性心筋梗塞患者の病院到着後90分以内のPCI実施割合」
    以上の指標値を合算して、心筋梗塞の患者さんに対しての取組について総合的に評価する指標です。
統合指標【脳梗塞】
統合指標【脳梗塞】

計算方法

分子 下記の合計
<抗血小板療法>
分母のうち、入院から2日目までに抗血小板療法もしくは一部の抗凝固療法を受けた症例
<抗血小板薬>
分母のうち、抗血小板薬を処方された症例
<スタチン>
分母のうち、スタチンが投与された症例
<抗凝固薬>
分母のうち、抗凝固薬を処方された症例
<早期リハビリ>
分母のうち、入院後早期(3日以内)に脳血管リハビリテーション治療を受けた症例
分母 下記の合計
<抗血小板療法、抗血小板薬>
脳梗塞かTIAと診断された18歳以上の入院症例数
<抗凝固薬>
脳梗塞かTIAと診断され、かつ心房細動と診断された18歳以上の入院症例数
<スタチン>
脳梗塞で入院した症例数
<早期リハビリ>
脳梗塞で入院した18歳以上の入院症例数
除外 <抗血小板療法>
t-PA治療を受けた症例
<抗血小板薬>
退院時に抗凝固薬を投与している症例、死亡退院症例、在院日数が121日以上の症例
<抗凝固薬>
死亡退院症例、在院日数が121日以上の症例
<スタチン>
死亡退院症例、疑い病名の症例
<早期リハビリ>
7日以内の死亡退院症例

指標の説明

※令和3年度から対象となる指標が変更されています。

  • 統合指標【脳梗塞】とは、
    ・「脳梗塞(TIA含む)の診断で入院し、入院2日目までに抗血小板療法あるいは一部の抗凝固療法を受けた症例の割合」
    ・「脳梗塞(TIA含む)の診断で入院し、抗血小板薬を処方された割合」
    ・「脳梗塞患者のスタチン処方割合」
    ・「心房細動を合併する脳梗塞(TIA含む)患者への抗凝固薬の処方割合」
    ・「脳梗塞における入院後早期リハビリ実施症例の割合」
    以上の指標値を合算して、脳梗塞の患者さんに対しての取組について総合的に評価する指標です。
職員におけるインフルエンザワクチン接種率
インフルエンザワクチン接種

計算方法

分子 職員(嘱託・アルバイトを含む)インフルエンザワクチン接種人数
分母 職員数(嘱託・アルバイトを含む)

指標の説明

  • 特に入院中の患者さんは易感染状態であることが多いため、職員がインフルエンザを病院内に持ち込んで感染を広げることがないようワクチンを接種しておくことが必要です。

結果・考察

  • 年度内に院内で接種を希望する職員全員分のワクチンを確保し、接種することができました。
入院患者MRSA感染率

令和3年度分 集計中

入院患者MRSA感染率

計算方法

分子 MRSA感染症患者数
分母 総入院患者数

指標の説明

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、病院内で感染拡大しやすい薬剤耐性菌の代表的なものです。病院での感染対策が徹底されると、この数字が低下していくと考えられます。

結果・考察

  • 感染率に大きな変化はありません。感染事例の多くが持込であり、引き続き入院時から症状がある患者さんへの感染対策を徹底します。
手術部位感染(SSI)発生率

令和3年度分 集計中

手術部位感染(SSI)発生率

計算方法

分子 手術部位感染(SSI)発生数
分母 手術件数(JANIS対象術式)

指標の説明

  • 手術部位感染(SSI)とは、手術に伴い術中、術後の部位に起こる感染症を指し、外科患者さんの医療関連感染では多くの割合を占めています。
  • 指標の抽出では、術式を院内感染対策サーベイランス(JANIS)分類に沿って分類して対象を選定して、対象術式に対し、周術期感染対策ができているのかどうかを表わしています。

結果・考察

※参考 厚生労働省院内感染対策公開情報SSI発生率(年単位)

  • SSI発生率は厚生労働省院内感染対策公開情報と比較して低い発生率で推移しています。
  • 術前・術中・術後管理を感染対策マニュアルに沿って行い低い水準を維持しています。
臨床研修
退院時投与割合(アスピリン・βブロッカー)
退院時投与割合(アスピリン・βブロッカー)
退院時投与割合(アスピリン・βブロッカー)

※1 初期臨床研修医数には、 当院と協力病院との1年ずつのたすきがけ研修医を含む
※2 臨床研修指導医数は、厚生労働省が定めた「医師の臨床研修に係る指導医講習会」の修了者数
※3 募集定員19人に対しての希望者数  

医師臨床研修制度導入の経緯

  • 従来の臨床研修制度では、出身大学やその関連病院での研修が中心で、地域医療との接点が少ないものでした。
  • 研修内容も専門の診療科に偏ったもので、幅広い診療能力が身に付けられる総合診療方式による研修が少なく、研修成果の評価も十分に行われてきませんでした。
  • これらの問題点を踏まえ、医師としての人格を涵養し、将来の専門分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療で頻繁に関わる傷病に適切に対応できる基本的な診療能力を修得できるよう、平成16年4月より法に基づく臨床研修制度が導入されました。

当院の臨床研修について

  • 初期臨床研修医1人に対して1人以上の厚生労働省指定研修を修了した臨床研修指導医が、患者数が多く研修機会が多い診療科には概ね配置されており、今後も行き届いた指導体制がとれるように指導医の増員に取組んでいます。
  • 厚生労働省で必修とされている内科・救急・地域医療に加えて、外科・麻酔科・小児科研修も必修としており、より幅広く基本的な診療能力を修得できる体制となっています。
  • 地域がん診療連携拠点病院に指定されており、外来化学療法室やPET-CT、緩和ケア病棟、がん相談支援センターなどで、総合的ながん診療の経験を積めるように配慮しています。
  • 第一種感染症指定医療機関になっていることから、抗生剤の使い方やHIV、マラリア、デング熱などの感染症にも習熟できるようになっています。
  • 救急医療の最前線で患者対応能力を高めるとともに、様々な疾患の診療を経験するため、重症度の低い患者さんの初期対応をまず1年目の研修医が行い、その指導には2年目の研修医及び救急専門医があたるようにしています。重症度の高い急患の対応は、救急専門医とともに行います。

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