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薬剤部は医療安全に貢献する業務展開を図っていきます。
臨床薬剤業務及び退院支援は入院前面談で得られた情報を活かし、入院前から退院までにすべての患者さんへの介入を目指します。また、新規HIV患者さんへの教育や外来化学療法の支援など、多職種と協働してハイリスク薬を使用している患者さんへの介入を積極的に行っていきます。
そのために、調剤、注射薬管理などを含めた中央業務の機械化、更に調剤補助者やSPDを活用したタスクシフティング及びタスクシェアを行い、安全かつ効率的な業務管理を行います。
また、職員の生涯教育及び認定薬剤師取得などの支援、学生教育の実施、更に地域の薬剤師との連携を含めた研修会の開催など、常に人材の育成及び自己研鑽に努めます。
薬剤部は常勤薬剤師41名(育児休暇2名含)、非常勤薬剤師9名、業務補助者12名、委託のSPDスタッフで運営しています。薬剤部では患者さんが安全で効果的な薬物治療を受けることができるよう患者さんをはじめ、医師、看護師等の医療従事者に的確な薬物情報を提供し薬物療法のモニタリングを行います。また、調剤、注射薬調製、製剤、在庫管理等を適切に行い医薬品の供給体制を整えています。夜間および休日は薬剤師1名以上を配置し日直・夜勤業務を行っており、入院患者さんの調剤、注射薬の供給、救急外来の調剤・処方薬の交付を365日24時間体制で行っています。
私達、市民病院の薬剤師が目指すものは医療安全への貢献です。
薬剤師による患者さんに対する医療安全とは、薬物療法による有害反応(事象)のない適正な治療を遂行できるように医師や看護師等を支援することです。そのためには、薬剤師は患者さんに関する情報や治療のための情報に対して、適切な薬学的なモニタリングや判断できるスキルを習得し、有害反応の回避、必要な医薬品情報の提供等を迅速に行う必要があります。
また、薬剤師の役割は医薬品の情報提供に留まらず、院内で展開されている多くのチーム医療への貢献も求められています。私達の役割は多面的であるため、様々なチームに参画し、シームレスな関係を築き、共に活躍して行くことが必要とされます。薬剤師から研修医や看護師等へのセーフティマネージメントのための情報共有は継続的に行うべきと考えています。
医療へ貢献できる薬剤師は未来永劫、自己研鑽を続けなければなりません。更に、ジェネラリストとしての幅の広さ、厚みが求められます。合わせて、個人を支える仲間、ハードとソフトの両面の仕事環境がとても大切です。そのために、SPD導入・活用、機械化の推進及び人材(薬剤師以外)の活用等を進め、薬剤師業務のタスクシフトを積極的に行い、薬剤師の求められている本来業務に努めます。
臨床研究についても積極的に取り組んでおり、安全で適正な薬物療法に繋がるデータを臨床へフィードバックしていきます。
当院は薬剤師としての生涯教育環境を整え、ジェネラリストからエキスパート薬剤師への支援、仕事の効率・バランスを考慮した部門システムの導入、さらに女性が生涯従事できる環境を整えています。また、薬剤師教育の一つとして、薬剤師レジデントプログラムを構築し、薬剤師業務の基礎から臨床、更に地域医療に繋がる多職種連携を目指した研修を行います。
今後は薬剤部内の更なる業務改革を行い、「今できることは今やる。」「薬剤師だけでなく他の医療職種と協働することで、医療の効率・安全が図れることがないか。」などを検討しています。
私達は今後も、日々の研鑽を進めるとともに医療安全への貢献、適正な薬物療法・標準薬物療法及びプレアボイドの推進、健全な病院経営への貢献等を果たし、横浜市立の病院として、市民の皆様へ安全で良質な医療を公平、公正に提供してまいります。
薬剤部長 山本 郁生
1.調剤業務
主に入院患者さんを対象とした内服剤の調剤を行っています。ご自身で薬を管理できない患者さんに対しては、間違って服用してしまうことを避けるため、専用の与薬カートに薬をセットして、各部署に供給しています。 外来は、原則院外処方としており、院外処方せん発行率は95%以上になっています。例外として、夜間休日や特殊な薬剤を使用している患者さんに対しては、病院内で調剤を実施しています。
2.医薬品管理業務
採用医薬品は多数の取引業者から納品を受けており、発注から検品、適正在庫および安定供給が実施できるよう管理に務めるとともに、院内を巡回し、各部署、各部門の配置医薬品の使用期限、配置場所、在庫状況等の確認を行っています。各部署の配置薬は全て登録し、医薬品の適正使用および適正管理の推進に取り組んでいます。
また、平成21年からは手術室の麻薬および向精神薬等についても薬剤師による管理を実施しています。
在庫数は、災害拠点病院に求められている1週間としています。
3.注射剤管理業務
入院患者さんの注射剤は、患者さんごとにセットし、各部署に専用カートで供給しています。
新病院では24時間自動注射薬払出システムを稼働し、臨時処方についても1施用の供給を行います。
4.無菌製剤調製/抗がん剤混合調製業務
高カロリー輸液は、薬剤部内の無菌製剤室で薬剤師により混合調製を行っています。無菌操作のほか、配合変化等に注意し、調製しています。
抗がん剤は、薬剤部内の抗がん剤調製室にて混合調製しています。入院患者さんの抗がん剤は、休日も混合調製を実施しています。
5.病棟薬剤業務・薬剤管理指導業務
平成27年8月から入院患者さんに対して薬の効果、副作用、相互作用のチェックなどを行っています。
平成22年から開始した患者さんの持参薬鑑別業務は、現在、予定入院患者さんに対して100%実施しています。薬剤師が鑑別を行った後、医師と協議し、持参薬使用の有無を決定しています。また、医師や看護師などの医療スタッフと連携を取りながら、安全で効果的な薬物療法が行えるよう処方の提案をしています。
6.化学療法業務
抗がん剤の投与は登録された化学療法レジメンに基づいて実施しています。適正な治療が行われるように抗がん剤の投与量、投与スケジュール等を確認・管理しています。化学療法レジメンの登録は「がん診療部会」で審議を行いますが、薬剤師が参画し、その科学的根拠等を確認して、安全な化学療法を推進しています。
7.医薬品情報管理業務
院内スタッフへの医薬品情報提供、副作用事例の収集等を行っています。また、薬事委員会事務局として院内医薬品の採用等に関わっています。医薬品の採用においては、経営の観点から、1増1減を原則とし、採用医薬品数の抑制を行い、ジェネリック医薬品への切り替えを推進しています。ジェネリック医薬品への切り替え率は現在、85%を超えています。また医療安全への取り組みとして、名称が類似していないか、包装等の外観が類似していないか等も検討しています。 薬に関する質問は気軽に寄せていただけるよう「日本一敷居の低い医薬品情報管理室」を目指しています。
8.製剤業務
製造物責任法(PL法)により、以前は院内で製剤化していた「薬」の多くが市販されるようになりました。しかし、治療上必要とされる「薬」は全て市販されているわけではありません。このような「薬」は院内の倫理委員会や薬事委員会で承認後、調製し供給することになります。滅菌を必要とする「薬」は施設内の滅菌器等を使用し、外部の機関に検査を依頼して「パイロジェンフリー(発熱性物質がないこと)」であることを確認しています。
9.麻薬・向精神薬等管理業務
疼痛緩和医療の進歩に合わせ、オピオイド性鎮痛薬の院内採用数、使用量ともに年々増加しています。「麻薬及び向精神薬保管管理規定」に基づき厳格な管理を行っています。部署を限定(手術室等)し、麻薬製剤の部署配置も実施しており、薬剤師による管理を行っております。
10.治験薬管理業務
臨床試験支援室のスタッフと協力しながら、治験薬の管理、供給を通じて臨床試験を支援しています。
11.医療情報システム連携
医薬品のマスタ管理を通じて医療情報システム運用に関与しています。システムを活用した医薬品使用に関する注意喚起の実施、医薬品名称の表示方法への工夫を行い医療安全向上に取り組んでいます。
12.PFMへの参画
患者さんの入院前面談を行い、服薬状況や副作用歴などを確認しています。特に、手術・検査を予定している患者さんの抗凝固薬、抗血小板薬、低用量ピル等の服用の有無、休薬指示の有無が重要な確認事項になっています。
PFM : patient flow management
13.教育事業/調査・研究
薬学生の「長期実務実習」を実施しており、年間10名程度の学生を受け入れています。また平成24年度からは「HIV 感染症薬物療法認定薬剤師養成研修施設」として、年間数名の研修生を受け入れています。
実務の中から、安全で良質な医療を提供することを目的に、スタッフによる調査・研究が実施されています。例年その成果を各種学会にて報告しています。
・自動注射薬払出システム(UNIPUL-5000®)
・PTPシート全自動薬剤払出システム(Tiara®)
・係数調剤鑑査システム(F-WAVE®)
・アイソレーター(NDC-2400)
・手術部セット薬品管理システム(Litera・Offside®)
・臨床薬剤業務支援システム
・在庫管理システム
・麻薬管理システム
・温度管理システム
・ICT(感染対策チーム) ・緩和ケアチーム ・NST(栄養サポートチーム) ・褥瘡ケアチーム ・がん診療サポートチーム ・摂食・嚥下チーム ・精神科リエゾンチーム ・排尿ケアチーム ・認知症ケアチーム ・AST(抗菌薬適正使用支援チーム)
慶應大学、北里大学、共立薬科大学、昭和薬科大学、昭和大学、千葉大学、東京薬科大学、東北薬科大学、星薬科大学、明治薬科大学、東京理科大学、帝京大学、帝京平成大学、横浜薬科大学、武蔵野大学、日本薬科大学、ウルグアイ、ブラジル、ペルー、パプアニューギニア、ガーナ、レソト、スワジランド
市民病院薬剤部に施設見学等についてお問い合わせ下さい。
横浜市医療局病院経営本部では、横浜市立病院で勤務を希望される方を対象に、薬剤師採用選考を実施します。(2022年度は終了しました。)
問い合わせ先
〒221-0855
神奈川県横浜市神奈川区三ツ沢西町1-1
横浜市立市民病院 薬剤部
電話 045-316-4580
メールアドレス by-phinfo@city.yokohama.lg.jp
「院外処方せんにおける疑義照会プロトコール」を設定しました。本件の運用につきましては、「合意書」の締結が必要となります。
・院外処方せんにおける疑義照会プロトコール
合意書 [PDF形式][Word形式] 服薬情報提供書(トレーシングレポート) [PDF形式][Word形式] 合意書締結済み保険薬局リスト(令和3年3月26日現在) [PDF形式]
一般名処方は患者さんの薬剤選択の幅が広がることから今後も推進致します。
一般名の前に般)を付加して一般名処方であることを表しています。
横浜市薬剤師会協力の下、「お薬手帳」を利用した情報の共有を推進しています。
レジメン情報について詳しく知りたい方はこちらから
当院では、医薬品の使用指針として院内フォーミュラリーを作成し、標準薬物治療の推進に取り組んでいます。
当院へ入院された際には、院内フォーミュラリーに沿った薬剤使用や準じた変更を行っています。
現在、使用中のフォーミュラリーを紹介いたします。詳しくはこちらから
業務統計(令和5年度実績) | |||
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入院処方せん枚数 | 230,282枚/年 | 薬剤管理指導1(ハイリスク)件数 | 8,179件 |
外来院内処方箋枚数 | 13,108枚 | 薬剤管理指導2件数 | 9,255件 |
院外処方箋枚数 | 140,666枚 | 麻薬管理指導加算 | 544件 |
院外処方率 | 91.5% | 退院時薬剤情報管理指導料件数 | 1,776件 |
TPN無菌調製件数 | 4,282枚 | 病棟薬剤業務加算1件数 | 40,963件 |
抗がん剤調製件数(入院) | 3,962件 | 病棟薬剤業務加算2件数 | 11,792件 |
抗がん剤調製件数(外来) | 9,258件 |
専門・認定薬剤師取得状況 | |
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日本医療薬学会 がん専門薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 HIV感染症薬物療法認定薬剤師 | 2名 |
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師 | 7名 |
日本臨床腫瘍学会 外来がん治療認定薬剤師 | 1名 |
日本緩和医療薬学会 緩和医療暫定指導薬剤師 | 1名 |
日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師 | 1名 |
日本臨床栄養代謝学会 NST専門療法士 | 3名 |
日本薬剤師研修センター 小児薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
薬学教育協議会 認定実務実習指導薬剤師 | 6名 |
日本薬剤師研修センター 認定薬剤師 | 2名 |
日本麻酔科学会 周術期管理チーム認定 | 1名 |
日本医療情報学会 医療情報技師 | 1名 |
診療情報管理士 | 1名 |
日本糖尿病療養指導士 | 3名 |
応急手当普及員 | 1名 |
日本アンチドーピング機構 スポーツファーマシスト | 1名 |
日本老年医学会 老年薬学認定薬剤師 | 1名 |
高血圧・循環器病予防療養指導士 | 1名 |
市民病院では、紹介状をお持ちの患者さんの待ち時間短縮のために、電話で紹介患者さんの事前予約サービスを行う「紹介患者予約センター」を開設しています。
月〜金曜日
9:00~17:00
※土曜日・日曜日・祝日・年末年始(12月29日〜1月3日)
は受付しておりません。
薬学生の実務実習を実施しており、実習の最終週には、地域保険薬局と合同で実習発表会を行っています(年3回)。また、患者総合サポートセンターと連携しながら保険薬局・医療機関向けの公開研修会を開催しています(年2回程度)。さらに薬剤部主催の横浜市薬物動態研修会を年6回、緩和医療に関する研修会を年4回シリーズで開催しています。
地域の薬剤師と連携し研修会を開催するなど、地域の薬剤師人材育成を支援していきます。
休診日
土曜、
日曜、国民の祝日、
年末年始(12月29日〜
1月3日)
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