横浜市立市民病院

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診療科・部門

血液内科

診療科紹介

仲里 朝周 仲里 朝周 医師

当科は横浜市の血液疾患の中核病院として、多くの血液疾患患者さんを受け入れております。また日本血液学会研修施設、日本骨髄バンク認定施設、臍帯血バンク認定施設であり。当院西2階病棟が専門病棟となっており固有床は44床、うち無菌室16床を有する市中病院としては最大規模の設備を有しております。入院患者さんは常に40-50名前後であり、県内でもトップクラスの診療規模となっています。近年は造血幹細胞移植にも力を注いでおりますが、その一方で白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫に対する標準的な化学療法や分子標的療法、重症再生不良性貧血に対する免疫抑制療法、骨髄異形成症候群に対する輸血療法などの診療も万全の体制で行っております。また西2階病棟の熱意ある看護師と共に他職種と密接な連携を取りながらチーム医療を実践しています。

外来の御案内

現在はスタッフ4名体制です。原則として完全予約制です。月曜日から金曜日まで日本血液学会認定血液専門医を取得した医師が診療にあたっております。また地域がん診療拠点病院として外来化学療法も行っています。

 
AM 新垣 仲里 相佐 仲里 相佐・仲里
PM   仲里 相佐 仲里・武藤 相佐

実績

2014年度の年間延べ入院患者数は15148人、新入院患者数は904人、1日平均入院患者数は41.5人でした。また外来延べ患者数は9295人、1日平均外来患者数は38.1人、新規初診紹介患者数は309人でした。近年は、移植医療に精通したスタッフが集まり造血幹細胞移植にも力を入れております。当科は慶應義塾大学血液内科の関連病院であり、スタッフは慶應義塾大学病院無菌病棟で長年移植医療に従事しており経験豊富です。
1) 急性白血病

全国200前後の血液内科拠点病院で構成されているJapan Adult Leukemia Study Group(JALSG: 日本成人白血病研究グループ)の参加施設であり、このJALSGの全国共通のプロトコールを用いて治療を行います。また造血幹細胞移植が必要な症例では、速やかにHLA適合ドナーを検索し自施設で造血幹細胞移植を施行することが可能です。急性前骨髄球性白血病に対してはレチノイン酸による分化誘導療法を行い、再発・難治例に対しては亜ヒ酸、タミバロテンによる治療を行います。

2)慢性骨髄性白血病

分子標的薬であるイマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブを用いて最新の治療を行います。2011年より初発慢性骨髄性白血病慢性期に対してもニロチニブ、ダサチニブが保険適応となり、当院では積極的にこれらの新規分子標的薬を初発時から用いて治療を行っています。

3)悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は60種類ものタイプに細分類されそれぞれ治療法が異なります。それぞれのタイプに応じた適切な治療を行っています。特にCD20陽性B細胞リンパ腫に対しては分子標的薬であるリツキシマブを組み合わせた化学療法を行い良好な成績が得られております。再発・難治性低悪性度リンパ腫に対しては新規薬剤であるベンダムスチンを使用し優れた効果を認めています。若年者の再発・治療抵抗性悪性リンパ腫に対しては大量化学療法及び自家末梢血幹細胞移植を積極的に行っています。

4)多発性骨髄腫

多発性骨髄腫は難治性造血器腫瘍ですが、近年新規薬剤の登場により治療成績が向上しています。当院では新規薬剤であるボルテゾミブ、レナリドミド、サリドマイドおよびポマリドマイドを積極的に取り入れています。65歳以下の方は、新規薬剤を組み合わせつつ大量化学療法及び自家末梢血幹細胞移植を積極的に行っています。66歳以上の移植非適応の方は、治療前に高齢者機能評価を行った上で一人一人の患者さんの全身状態に合わせた適切な治療法を選択する個別化治療を行っています。また更なる治療成績の向上を目指し多施設共同臨床研究にも積極的に参加しています。

5)骨髄異形成症候群

骨髄異形成症候群は御高齢の方に多く、造血不全により高度の血球減少をきたします。
 御高齢の方は外来で定期的に輸血療法を行っています。2011年より骨髄異形成症候群の新規治療薬であるアザシチジンが使用可能となり、症例に応じてアザシチジンによる治療を導入しています。御高齢の方は定期的な輸血療法を行っています。

6)再生不良性貧血

シクロスポリンなどの免疫抑制療法や蛋白同化ホルモンによる治療を行います。重症例ではATG(サイモグロブリン)による治療や、若年者の場合は造血幹細胞移植を行います。御高齢の方は定期的な輸血療法を行っています。

7)特発性血小板減少性紫斑病

ピロリ菌陽性である場合、ピロリ菌の除菌療法をまず行います。一方、除菌療法の効果のない患者さんやピロリ菌陰性の患者さんでは、第一に副腎皮質ステロイドが使われ、血小板数や症状をみながら徐々に減量していくのが一般的です。副腎皮質ステロイドが無効な場合や、副作用のために治療の継続が困難な時には、手術で脾臓を摘出することもあります。2011年よりITPに対して新たな治療薬として経口薬であるエルトロンボパグと皮下注製剤であるロミプロスチムの2種類が発売となり、ITPに対して優れた効果が示されています。

8)造血幹細胞移植

当科では2004年から自家末梢血幹細胞移植を開始し、2011年12月までに計62例施行しています。また2005年から血縁者間同種移植を開始、2009年1月には日本骨髄バンク認定施設および臍帯血バンク認定施設となり非血縁者間骨髄移植、臍帯血移植も開始しております。2014年12月までに同種移植62例、自家末梢血幹細胞移植84例施行しています。あらゆる移植医療が可能であり、診断から移植まで一貫して治療を行えることが最大のメリットです。


診療実績

主な疾患の新規患者数

  2010 2011 2012
急性骨髄性白血病 14例 20例 17例
急性リンパ性白血病 5例 1例 2例
慢性骨髄性白血病 2例 3例 7例
悪性リンパ腫 82例 70例 61例
多発性骨髄腫 18例 20例 16例
骨髄異形成症候群 35例 27例 27例
骨髄増殖性腫瘍 17例 27例 22例
特発性血小板減少性紫斑病 10例 17例 12例
再生不良性貧血 1例 5例 2例
造血幹細胞移植実績

当科の造血幹細胞移植実績は以下の通りです。

   2004 2005 2006 2007 20082009201020112012 2013 2014
自家末梢血幹細胞移植 多発性骨髄腫

9

5 4 6 4 2 2 4 6 3 8 53
悪性リンパ腫 0 1 1 5 5 7 4 0 0 3 3 29
急性白血病 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 2
9 6 5 12 9 9 6 5 6 6 11 84
同種血縁 骨髄移植 0 0 2 5 0 3 4 5 0 0 0 19
末梢血幹細胞移植 0 2 0 0 5 0 0 1 0 0 1 9
0 2 2 5 5 3 4 6 0 0 1 28
同種非血縁 骨髄移植 0 0 0 0 0 1 1 3 3 3 3 14
臍帯血移植 0 0 0 0 0 4 3 2 4 5 2 20
0 0 0 0 0 5 4 5 7 8 5 34
骨髄採取 血縁 0 0 2 5 0 3 4 5 0 0 0 19
非血縁 0 0 0 0 0 3 3 4 3 3 4 20
0 0 2 5 0 6 7 9 3 3 4 39
現在参加中の治験
  1. ① 日本人再発・難治性末梢性T細胞リンパ腫患者を対象としたPDXの第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験
現在参加中の臨床試験
  1. ① 未治療移植非適応の多発性骨髄腫患者に対するVES-13を用いたPersonalized sVCD-sVTD療法の臨床第Ⅱ相試験
  2. ② 再発・難治性多発性骨髄腫患者に対するクラリスロマイシン、レナリドミド、デキサメタゾン併用療法の有効性、安全性及び感染症予防効果を検討する臨床第Ⅱ相試験
  3. ③ 移植非適応の未治療多発性骨髄腫に対するMPB療法の臨床第Ⅱ相試験
  4. ④ 移植適応未治療多発性骨髄腫患者に対するVCD療法の臨床第Ⅱ相試験
  5. ⑤ 多発性骨髄腫に対する同種造血幹細胞移植後のレナリドミドを用いた維持療法の安全性の前方視的研究 多施設共同臨床試験
  6. ⑥ 未治療CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するDose-adjusted EPOCH-R/HD-MTX療法の第II相試験
  7. ⑦ 悪性リンパ腫患者におけるサルコペニアの前向き観察研究
  8. ⑧ 造血器疾患における酸化ストレスマーカーの解析
  9. ⑨ 造血幹細胞移植における酸化ストレス動態の解析
  10. ⑩ 初発慢性期慢性骨髄性白血病に対するダサチニブの分子遺伝学的完全寛解導入および根治を目指した投薬中止試験
  11. ⑪ 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫に対するステロイド維持療法の有効性の検討
  12. ⑫ JALSG参加施設に新たに発生する全AML、全MDS、全CMML症例を対象とした5年生存率に関する観察研究(前向き臨床観察研究)JALSG CS11
  13. ⑬ 骨髄不全症候群および発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)疑い症例におけるGPIアンカー膜蛋白欠損血球の保有率とその意義を明らかにするための観察研究
  14. ⑭ 多発性骨髄腫患者におけるサイトメガロウイルス再活性化の後方視的解析
学術活動実績

当院は市中病院ですが、大学病院に負けないよう学術活動も積極的に行っております(当科の学術活動実績に関しては下記を参照)。日本血液学会での発表だけでなく、論文発表も積極的に行っております。英語論文も多数発表しており、後期研修医にもスタッフの指導のもとで英語論文を発表して頂いております。またアメリカ血液学会(ASH)でも当院における研究成果を発表しています。
当科の学術活動実績に関してはこちらをご覧下さい。

後期臨床研修を希望される先生方へ
当科は日本血液学会研修施設に指定されています。スタッフは日本血液学会専門医であるため移植医療のみならずあらゆる血液疾患に精通しており、また大学病院において基礎研究も経験しておりますので、後期研修医の方は幅広く高度な知識や技術を習得することができると思います。将来的には血液専門医の取得も可能です。さらに院内での診療のみならず、学会発表・論文発表を筆頭者として積極的に行って頂きます。これは血液専門医への近道にもなります。また、血液内科医としてステップアップをするために将来進むべき道を共に考え、血液内科医としての自らの将来像をみつけられるよう最大限協力致します。後期臨床研修を御希望される先生は、診療科長の仲里までお気軽に御相談下さい。また
後期研修プログラムに関してはこちらをご覧下さい。

医師紹介

担当医師一覧
外来担当医師一覧はこちら
仲里 朝周(ナカザト トモノリ) 部長
卒業年:
平成7年
専門:
血液内科
取得資格:
日本内科学会認定医、臨床腫瘍学会暫定指導医、日本輸血細胞治療学会認定医、日本血液学会専門医・指導医、日本抗加齢医学会専門医
相佐 好伸(アイサ ヨシノブ) 部長
卒業年:
平成9年
専門:
血液内科
取得資格:
日本内科学会認定医、日本血液学会専門医・指導医、日本臨床腫瘍学会暫定指導医、日本癌治療学会暫定指導医
伊藤 知紗子(イトウ チサコ) 副医長
卒業年:
平成18年
専門:
血液内科
取得資格:
日本内科学会認定医、日本内科学会総合内科専門医
新垣 秀樹(アラカキ ヒデキ) 臨床研究医
卒業年:
平成25年
専門:
血液内科
長田 有生(オサダ ユウキ) 臨床研究医
卒業年:
平成26年
専門:
血液内科