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骨髄異形成症候群とは

骨髄異形成症候群(MDS)とは、血液の工場である骨髄にある造血幹細胞(血液の種)に異常がおこり、血液の不良品を産生してしまう造血器腫瘍です。造血不全(血球減少)と急性白血病の予備軍という2つの特徴があります。MDSの原因は不明ですが、過去に抗がん剤や放射線の治療歴がある場合は二次性MDSと呼ばれます。MDSにも血球減少が主体の低リスクMDSから、急性白血病へ移行しやすい高リスクMDSまで種々のタイプがあります。

症状

MDSは白血球減少に伴い易感染状態となるため発熱や肺炎などの感染症を併発します。また息切れ、動悸などの貧血症状、血小板減少に伴う全身の紫斑や歯肉出血などの出血症状が出現します。

診断

確定診断には骨髄穿刺が必要となります。また、MDSの予後を規定する重要な因子として染色体異常があり、骨髄染色体検査が予後予測に必要となります。骨髄中の芽球の%、染色体異常の有無、血球減少の程度により低リスクMDSであるか高リスクMDSであるかを鑑別します。

治療法

MDSの治療は病型によりそれぞれ異なります。急性白血病に移行しにくい低リスクMDSでは無治療経過観察、血球減少が進行した場合は免疫抑制剤による治療や輸血による保存的治療が中心となります。一方、予後不良の高リスクMDSの場合は、抗がん剤ビダーザによる化学療法を行い急性白血病への移行を防ぎます。高リスクMDSの場合は急性白血病と同じく予後不良のため、若年者であれば同種造血幹細胞移植も治療選択肢となります。

解説

血液内科 科長 仲里 朝周

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