悪性リンパ腫とは、リンパ球の塊であるリンパ節が無秩序に増殖して大きくなる造血器腫瘍です。悪性リンパ腫には細かく分けると80種類ものタイプがあり、それぞれ治療法が異なります。大きく分けると非ホジキンリンパ腫とホジキンリンパ腫の2つのタイプがあり、日本人の場合、95%が非ホジキンリンパ腫です。進行度別にみると年単位でゆっくり進行する低悪性度リンパ腫、月単位で進行する中悪性度リンパ腫、週単位で急激に進行する高悪性度リンパ腫に分けられます。
首、脇の下、足の付け根などのリンパ節が腫れてきます。通常、痛みを伴わない場合が多いです。また、リンパ節以外の臓器にも腫瘤を形成することがあり、体のあらゆる部位に出来うる病気です。3大症状として発熱、体重減少、寝汗があり、これを悪性リンパ腫のB症状と呼びます。
確定診断には、リンパ節生検が必要となります。生検で採取した検体を顕微鏡で詳しく診てどのタイプの悪性リンパ腫かを病理診断します。また、骨髄浸潤の有無を調べるために骨髄穿刺・生検を施行します。さらに、病気の広がりを調べるために全身CTやPET-CTなどの画像検査を行い病期(ステージ)を決定します。
治療法は悪性リンパ腫のタイプによってそれぞれ異なりますが、基本的には抗がん剤による化学療法が中心となります。病変が限局していれば放射線治療も選択肢となります。現在は悪性リンパ腫に対する種々の分子標的薬が使用可能であり、治療成績が着実に改善しています。再発した場合、あるいは治療抵抗性の場合は、若年の方であれば大量化学療法併用自家末梢血幹細胞移植も治療の選択肢となります。高齢の方の場合、一人一人のご年齢や体力、合併症などを考慮して適切に減量した化学療法を施行します。
解説
血液内科 科長 仲里 朝周
休診日
土曜、
日曜、国民の祝日、
年末年始(12月29日〜
1月3日)
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