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神奈川県横浜市神奈川区三ツ沢西町1-1

「病院薬剤師ならでは」の価値を発揮できる環境づくりを

山本 郁生 (薬剤部長)

市民病院で活躍するさまざまな職種のスタッフにフォーカスし、その人柄や医療にかける思いに迫る本企画。今回登場するのは、薬剤部長の山本郁生さんです。

「病院薬剤師の時代が来る」の言葉を信じて

横浜の自宅から富士スバルラインを上り、途中岩場は担いで登り、剣ヶ峰まで完全往復。
今は自転車入山禁止なのでもうできないですね。

幼少期の私は喘息持ちで、神奈川県立こども医療センターなどにもお世話になっていました。明確に意識していたわけではありませんが、その頃からなんとなく医療の素晴らしさ、頼もしさみたいなものがすり込まれていたのかもしれません。

当時は、大いに遊びや運動をしたくても、喘息発作がそれを許さないということが多かったです。その反動か、中学・高校時代にはサイクリングにハマり、四国を一周したり、自転車を担いで富士山山頂まで登ったりとずいぶん無茶をしましたね。

薬科大学では「新しい坐剤製剤の開発」を研究テーマとし、卒業後はそのまま大学院へ進学しました。ただ、最初からそのルートに決めていたわけではなく、身の振り方をどうするかは悩みました。当時は今のように調剤薬局やドラッグストアが多くなかったですし、製薬会社が向いているとも思えませんでした。


そうした折に、天の配剤と言うのか、私の指導教官が病院薬剤師の経験者で、「これから病院薬剤師の時代がやって来るから、大学院で学んで備えておいた方がいい」とアドバイスしてくださいました。実際、今はその通りの時代になっていると思います。


大学院を修了して病院薬剤師になりましたが、当時の病院薬剤師は調剤室にこもって薬の調製などを行う「対物業務」にかかりきり。院内での調剤が100%、薬袋はすべて手書きという時代でした。患者さんと関わる「対人業務」も大事だよと言われ始めたのは、入職から5年くらいたった頃だったと記憶しています。それから約30年、病院薬剤師の在り方が大きく移り変わる激動の時代を過ごしてきたと思っています。

幼少期の私は喘息持ちで、神奈川県立こども医療センターなどにもお世話になっていました。明確に意識していたわけではありませんが、その頃からなんとなく医療の素晴らしさ、頼もしさみたいなものがすり込まれていたのかもしれません。

当時は、大いに遊びや運動をしたくても、喘息発作がそれを許さないということが多かったです。その反動か、中学・高校時代にはサイクリングにハマり、四国を一周したり、自転車を担いで富士山山頂まで登ったりとずいぶん無茶をしましたね。

横浜の自宅から富士スバルラインを上り、途中岩場は担いで登り、剣ヶ峰まで完全往復。
今は自転車入山禁止なのでもうできないですね。

薬科大学では「新しい坐剤製剤の開発」を研究テーマとし、卒業後はそのまま大学院へ進学しました。ただ、最初からそのルートに決めていたわけではなく、身の振り方をどうするかは悩みました。当時は今のように調剤薬局やドラッグストアが多くなかったですし、製薬会社が向いているとも思えませんでした。

そうした折に、天の配剤と言うのか、私の指導教官が病院薬剤師の経験者で、「これから病院薬剤師の時代がやって来るから、大学院で学んで備えておいた方がいい」とアドバイスしてくださいました。実際、今はその通りの時代になっていると思います。

大学院を修了して病院薬剤師になりましたが、当時の病院薬剤師は調剤室にこもって薬の調製などを行う「対物業務」にかかりきり。院内での調剤が100%、薬袋はすべて手書きという時代でした。患者さんと関わる「対人業務」も大事だよと言われ始めたのは、入職から5年くらいたった頃だったと記憶しています。それから約30年、病院薬剤師の在り方が大きく移り変わる激動の時代を過ごしてきたと思っています。

職員の幸福、心理的安全性を追求する

その間、大学病院を経て横浜市立病院へ誘われて入職し、はじめに市民病院、その後脳卒中・神経脊椎センターで勤務した後、再び市民病院へ戻って来ました。別の医療機関の空気を吸った上で、市民病院の移転による環境変化も経験した身から言うと、今の市民病院のハード・ソフト面の充実ぶりは非常に誇れるものだと思っています。特にスタッフたちの熱心さや温かさは特筆すべきものがあります。

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今の私は薬剤部長として、50人以上の薬剤師を束ねる立場にあります。常に考えているのは、「職員の幸福度が高い、心理的安全性の高い組織を目指す」ことです。心理的安全性とは、組織内で自分の意見や感情を安心して表現できる状態を指します。つまり、スタッフ同士が自由闊達に意見を交わしながら、自分らしく仕事ができる職場環境をよりブラッシュアップしていきたいのです。単に「仲良しグループ」をつくりたいということではありません。

心理的安全性が確保された職場は、対人関係上のリスクを恐れずに発言や行動ができる環境であり、チームのパフォーマンス向上やイノベーション創出につながります。このことは「医療安全」「良質な医療の提供」「チーム医療の推進」といった大きな目標を追求するためのベースとなるし、大切なスタッフに働き続けてもらうための環境整備という側面もあります。

また、令和7年度の薬剤部の目標として、「患者さんのもとに足を運び、その話に耳を傾け、何に関心を持っているかに関心を持つ」ことを掲げています。これを実現するための具体的な行動目標として、「病棟や外来で1日10人の患者さんと会話する」よう薬剤師たちにお願いしています。

病気や薬のことだけに限らず、何気ない世間話でもいいと思うんです。ふとしたところから患者さんが本当に抱えているニーズに気付き、薬の調整などにつながることもあります。患者さんにも薬剤師を身近な存在としてとらえ、不安なことでも何でも話してほしいと思っています。安心して来院いただければ幸いです。

当院の薬剤師たちは、もはや「メインの職場は病棟や外来」というくらいの心構えでいると思います。病院薬剤師が調剤室にこもりきりだった時代のことを考えると、隔世の感がありますね。

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さらに、次世代の育成も考えなければならない大きなテーマです。そのため、管理職に対しては私の部長としての考え方や仕事のやり方をすべてオープンにして見せるようにしています。また、特に若手のスタッフに対しては、やりたいことをやれるような職場環境を用意してあげたいと思っています。どこどこの病棟を担当したいという希望があれば、できるだけかなえてあげるというのも一つ。モチベーションをより高め、成長につなげていってほしいです。

おかげさまで、今や市民病院の職員採用には多くの応募をいただけるようになりました。一昔前には考えられなかったことです。私自身も広告塔となって、薬学生の皆さんなどに当院の素晴らしさをアピールしているので、ぜひ興味を持っていただけたら幸いです。


(2026年2月掲載 ※掲載記事の内容および肩書きは、掲載時点の情報に基づいています。

プロフィール

山本 郁生(やまもと・いくお)薬剤部長

横浜市出身。1993年に薬科大学大学院修了後、大学病院勤務を経て、2017年に横浜市立市民病院へ入職。2019年に横浜市立脳卒中・神経脊椎センターへ移り、2024年から再度現病院へ戻る。趣味はバラ栽培で、自宅だけでなく病院のバラも手入れしている。

旧病院からボランティアで手入れをされていた患者さん・ご家族から引き継ぐ形ではじめました。四季咲き品種ですがゴールデンウイーク前後が一年で一番きれいに咲きます。

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