糖尿病は、すい臓から分泌(ぶんぴつ)されるインスリンという、血糖を下げる作用を持つホルモンの働きが十分でない(出が悪くなる、効きが悪くなる)ことから慢性的に血糖値が上がってしまう病気で、高血糖が持続することで様々な合併症が引き起こされます。発症には遺伝的要因と環境要因(生活習慣など)が複合して関与すると言われています。日本においても、世界においても糖尿病患者数は増加しています。大まかには1型、2型、その他の型、に分けられます。
少々血糖値が上がってきていても自覚症状に乏しいことが多く、検査を受けない限り糖尿病であることに気付かないことがしばしばあります。健康診断などで血糖値が高め、あるいは尿糖が陽性と言われたことがある方は一度詳しく検査を受けていただくことをお勧めします。ただし、血糖値がかなり上がってきてしまっている状況では、口渇・多尿・体重減少や、こむら返りといった症状を自覚するようになったり、免疫力の低下(感染症が重症化しやすいなど)を認める場合があります。また、糖尿病の罹病(りびょう)期間が長くなってくると、慢性合併症に伴う症状(足先のしびれ・違和感、目の見えにくさ、足のむくみなど)が出てくることもあります。
上述のように症状だけでは糖尿病であるか判定できませんので、血液検査で診断を行います。血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエイワンシー:過去1~2ヶ月の平均血糖値を表す指標)という検査値が、一定の基準を超えている場合や、75gブドウ糖負荷試験を行い、ブドウ糖を飲んだ後の血糖値の上昇の程度によって、糖尿病と診断されます。
糖尿病の型によって多少治療方針は異なりますが、日本人の9割以上を占めるとされる2型糖尿病においては、まずは食事療法や運動療法による生活習慣の見直しを行ってもらいつつ、血糖コントロール状況により、薬物療法を追加していくことが基本となります。診断早期からしっかりとしたコントロールを行うことが、その後の合併症発症率・死亡率の低下につながることが証明されています。
解説
糖尿病リウマチ内科 担当部長 今井 孝俊
休診日
土曜、
日曜、国民の祝日、
年末年始(12月29日〜
1月3日)
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