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大腸腺腫とは

大腸腺腫とは大腸にできるポリープの一種です。良性の腫瘍ですが、ある程度の大きさになると、数年かけてがんが発生する可能性があります。大腸がんは腺腫から発生する場合が多いとされており、腺腫を切除することで、大腸がんになる可能性と大腸がんで死亡する可能性が低下することが報告されています。また、内視鏡の見た目が腺腫であっても切除して詳しく検査する(切除した病変を顕微鏡でみる)とすでに早期の大腸がんが存在することもあり、一定の大きさを超えている場合は積極的に内視鏡で切除しています。

※わかりやすいように簡略化した図です

症状

無症状であることがほとんどです。健康診断の便潜血検査が陽性になった人が、大腸カメラを受けることで、見つかる場合が多いです。また、血のつながったご家族に、大腸がんや大腸腺腫をもたれている方がいる場合はリスクがあります。

診断

大腸の内視鏡検査を受けることで初めて診断されることが多いです。大腸内視鏡検査では拡大観察・特殊光観察することでポリープの種類を同定して治療が必要か判断しています。最終的な診断は、治療で切除した病変を顕微鏡で観察することで診断されます。

治療

ある程度の大きさまでのものであれば、大腸腺腫は内視鏡的粘膜切除術(EMR: endoscopic mucosal resection)で外来処置あるいは1泊程度の入院処置で切除可能です。
また、ポリープの首(茎)が長い場合など腸穿孔のリスクの低いものはポリペクトミー(EMRの粘膜下への薬液注入を行わないもの)での切除をすることがあります。
大きい物・悪性が疑われ上記の切除の仕方では残存の可能性があるものは内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD: endoscopic submucosal dissection)が選択されます。

当院では大腸腺腫・早期大腸がんの治療を積極的に行っております。ここ数年の治療件数としては、EMRを年間500件強、ESDを年間50件前後行っています。診療実績は当科ホームページを参照ください。

解説

消化器内科 医長 角田 裕也

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