憩室とは、消化管の壁の一部が袋状に外側に突出した状態です。大腸憩室は複数個できている場合が多く、大腸の壁の強さと腸管の圧のバランスが崩れ、圧に耐えられなくなった腸管壁の一部が外側に膨らむことで起きると考えられています。憩室出血とは、憩室内部を走行している血管が破綻することで大腸内に出血を起こす病気です。
図1:大腸憩室出血の解剖学的な特徴
日本腹部救急医学会雑誌 38(5):807~812 2018 より引用
腹痛や下痢などを伴わず血便がでます。
腹部・骨盤部のCT検査や大腸カメラで診断をします。
大腸カメラは出血源診断だけではなく、出血源を止血することができる利点があります。CT検査だけでは大腸癌など他の血便を起こす病気がないと言い切れないため、初回の診断法としては大腸カメラが推奨されています。
CT検査は腸管洗浄などの前処置なしで実施可能であり、緊急検査として大腸カメラに比べて行いやすいです。特に出血が著しい場合、造影剤を用いることで出血部位を特定することができる場合もあります。
多くの場合、禁食による腸管安静で自然に止血されます。大量出血した場合や、出血が止まらない場合、一旦止血されても再出血を繰り返す場合などは大腸カメラによる止血を行います。それでも止血が得られない場合は、ごくまれに血管造影検査や手術を必要とすることもあります。
解説
消化器内科 副医長 福田 知広
休診日
土曜、
日曜、国民の祝日、
年末年始(12月29日〜
1月3日)
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