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帯状疱疹とは

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが引き起こす皮膚の病気です。水痘(いわゆる「水ぼうそう」)にかかった後、水痘・帯状疱疹ウイルスが私たちの脊髄や脳神経(三叉神経)などの神経に潜んでじっとしています。そして、体の免疫力(抵抗力)が低下したとき、神経に潜んでいたウイルスが暴れだします(これを「再活性化」といいます)。
再活性化したウイルスは、脊髄や脳神経から左右いずれか一方の痛みなど感覚を伝える知覚神経に沿って進展します。このとき、皮膚や末梢神経が障害されるため、体の片側に帯状に小さな水疱(「水ぶくれ」)などの皮膚症状や神経痛が生じます。

症状

顔面、体幹、四肢など体の左右いずれかの片側に帯状に小さな水疱などの皮膚症状が生じます。このとき、皮膚症状のある部位に痛みを伴うことが多いです。皮膚症状と痛みが同時に出現すれば帯状疱疹と気づくことができますが、中には皮膚の症状が全くなく痛みだけが先行することがあります。
皮膚症状のほかに発熱(ひどいときは39度以上出ることもあります)、肝臓・腎臓など臓器障害、頭痛・神経痛など様々な全身症状がみられます。これらの全身症状のうち、神経痛を生じる頻度が高く、皮膚症状が治った後でも長期間痛みが続くことがあり注意が必要です。
帯状疱疹に伴う疼痛は、これまで、皮膚症状が生じる前にみられる前駆痛、帯状疱疹が発症してから発症1か月後くらいまでみられる急性帯状疱疹痛、帯状疱疹発症3か月を経過しても改善しない帯状疱疹後神経痛に分けられていました。
しかし、実際にはこれら3つの痛みをはっきりと分けることができないことから、最近ではこれら帯状疱疹に伴う疼痛全てを合わせて帯状疱疹関連痛としています。

診断

小さな水疱が帯状に分布している皮膚症状がみられれば帯状疱疹と診断されます。しかし、皮膚症状だけで診断が困難な場合、水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した表皮角化細胞の有無を調べるツァンク試験や水痘・帯状疱疹ウイルス抗原検査薬を用いた検査が行われます。

治療法

バラシクロビル、ファムシクロビル、アメナビルなど抗ウイルス薬の内服や重症で入院が必要な場合、アシクロビル、ビダラビンなどの抗ウイルス薬の点滴による治療が行われます。
帯状疱疹関連痛は、侵害受容性疼痛、神経因性疼痛、心因性疼痛の3つの疼痛が様々な割合で合わさったものと考えられています。侵害受容性疼痛は、ウイルスが神経を進展していく過程で炎症により神経が障害されて生じる痛みであり、急性期に生じる痛みに占める割合が高いと考えられています。この侵害受容性疼痛に対する治療では、非ステロイド性抗炎症薬の内服が有効です。
但し、この非ステロイド性抗炎症薬は連用により腎臓の機能を悪化させる心配があるため、腎臓の機能低下が心配される場合には腎臓への負担が少ないアセトアミノフェンの内服を選択することが勧められています
神経因性疼痛は、急性期を過ぎても残る痛みに占める割合が高いと考えられています。これまで、帯状疱疹後神経痛といわれていた痛みの多くが神経因性疼痛と考えられます。この痛みには、侵害受容性疼痛で有効であった非ステロイド性抗炎症薬やアセトアミノフェンは、ほとんど効果がなく、プレガバリン、ミロガバリンの内服やトラマドール塩酸塩アセトアミノフェン配合剤の内服が有効なことが多いです。このほか、帯状疱疹に伴う痛みとして、心因性疼痛があります。痛みが強いと周りの人と会話をする気持ちがなくなったり、外に出るもの嫌になったりして、自宅にこもって1日中痛みと向き合って過ごしてしまうことがあるかもしれません。このような状況では、同じ痛みであっても心理的に痛みを強く感じてしまう可能性があります。このようなときこそ、周りの人とよく会話をする、積極的に外出するなどして気分を紛らわせて楽しい気分になるようにするとよいでしょう。また、患部を温めて血行を良くすることも有効とされますので、温泉に行って体を温め気分をリラックスさせることも良いかもしれません。

解説

皮膚科 科長 蒲原 毅

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