横浜市立市民病院

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病院のご紹介

肺がん治療センター

肺がん治療センター

肺がん治療センター
肺がん治療

肺がん治療をより高度に、より優しく

 肺がん治療は日進月歩の目覚ましい進歩が見られており、診療科の枠を超えた包括的な治療が重要となっています。当院では、肺がん治療の機能強化を図るために、院内に「肺がん治療センター」を設置し、肺がんを扱うすべての診療科、薬剤部、看護部、緩和ケアチームなどが有機的に連携し、それぞれの専門領域の知識を更に集約しています。
 最適な肺がん治療を提供するため、内科的治療(化学療法)、外科的治療、放射線治療など多くの選択肢がある中で、患者さんの状態に応じて、根拠に基づいた治療を実施しています。なお、当院は平成18年8月に「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けています。

  • 肺がんの診断においては新しい技術である超音波内視鏡や気管支ナビゲーションシステムを取り入れ診断率の向上に取り組んでいます。
  • 治療に関しては、エビデンスに基づいた治療のみならず、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)などの臨床研究グループに所属し様々な臨床試験や新規薬剤の治験にも携わっています。
  • 医師・看護師のみならず、薬剤師・臨床工学技士・リハビリに関する療法士・ソーシャルワーカーなど幅広い職種がチーム医療として横断的に患者さんを支える体制で対応し、対話に基づいた安全で安心できる治療を提供できるようこころがけています。
肺がん治療センター

毎週火曜日に臨床各科が集まり、症例検討会を行っています。
このカンファレンスで治療方針が決定されます。

内科的治療(化学療法)【呼吸器内科】

先進的な内科的治療を患者さんの状態に合わせて行っています。

 患者さんの状態に合わせ、放射線、手術などの治療を組み合わせて行っています。また、疼痛そのほかの苦痛にも、薬、放射線治療などにより早期から平行して対応しています。抗がん剤には様々な副作用のあるものもあり、それらに対処できる経験豊富なスタッフのもと治療を行っています。
 また、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)、胸部腫瘍研究グループ(TORG)等の複数の研究グループに所属し、新しい内科的治療(抗がん剤や放射線)の開発や承認前の新規薬剤の治験に積極的に携わっています。
 当院が作成した全国規模の臨床試験が2本進行中であり、いずれも当科医師が研究代表者と事務局(プロトコル作成者)を務めています。一つは、高齢者小細胞癌の比較試験で公的研究費(AMED)を獲得し、JCOGとTORGの共同試験として実施中であり、全国71施設が参加しています(研究代表者:岡本浩明、事務局(プロトコル作成者):下川恒生、三角祐生)。もう一つは、再発非小細胞肺癌に対する免疫療法を用いたTORGの臨床試験です(研究代表者 千葉大学:滝口裕一教授、岡本浩明(共同代表)、事務局(プロトコル作成者):下川恒生、中村有希子)。これは厚生労働省先進医療審査部会の厳しい審査を経て先日承認された先進医療の臨床試験であり、29年11月より開始します。
 がんセンターや大学病院以外の地方自治体病院でこのような全国レベルの大規模臨床試験を複数立案・統率できる施設は当科以外には見当たらず、私達は先進的な内科的治療のノウハウとリサーチマインドを身に着けていると自負しています。

肺がん治療センター
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外科的治療【呼吸器外科】

根治性とともに体にやさしい手術を行っています。
肺がん治療センター

(肺がん手術の様子)
当院では体にやさしい手技を目指して
胸腔鏡下手術に取り組んでいます。

 当院は県内有数の肺悪性腫瘍手術例数があり、肺悪性腫瘍(原発性肺癌・転移性肺腫瘍)に対して、根治性とともに体にやさしい手術を目指しています。内視鏡手術(胸腔鏡手術)にも積極的に取り組んでおり、ほぼ全ての手術で行っております。また、総合病院である特性を活かし、さまざまな併存疾患の患者さんに対しても対応しております。複雑な手術については心臓血管外科・消化器外科と連携して行っており、各専門医と十分な準備の上で手術を施行しております(例:2010-17年透析導入中肺癌手術12例全例合併症なし)。
 入院中や退院後、夜間・休日等に体調に変化があった場合でも救命救急センターとして、各科当直体制も充実しておりますので、迅速かつ適切な対応が可能です。なお、当院は呼吸器外科学会専門医合同委員会から認定修練施設の基幹病院に認定されており、全員が呼吸器外科専門医資格を有しておりますので、安心して治療をお受けいただけます。

主な肺がん手術実績(件数)
  原発性肺癌 転移性肺腫瘍 縦隔腫瘍
平成24年 97 18 22
平成25年 100 24 15
平成26年 75 32 17
平成27年 108 26 11
平成28年 92 14 27

放射線治療【放射線治療科】

平成25年より、定位放射線照射(SRT)を実施しています。

 放射線治療は、完治を目指した治療から、疼痛などの苦痛を和らげる治療まで、肺がんのあらゆる場面で行われます。
 ステージⅠの非小細胞肺がんで、主として合併症や高齢を理由に手術ができない場合、放射線治療が選択されます。その際、可能であれば定位放射線照射(Stereotactic radiotherapy : SRT)を用いることが勧められています。SRTは、一般に「ピンポイント照射」として知られており、放射線を多方向から3次元的に一点に集中して治療します。一点に集中するため、従来よりもはるかに多い線量を少ない回数で照射します。そのため、通常照射よりも高く、手術とも遜色ない治療効果を発揮します。
 ステージⅡ、Ⅲで手術ができない症例に、完治を目指した放射線治療が行われます。内科的治療(化学療法)と組み合わせることにより、効果が高まることが知られていますので、可能であれば併用します。
 ステージⅣでは、局所治療である放射線治療で完治を目指すことはできませんが、骨転移による疼痛、脳転移による神経症状、気道狭窄による呼吸困難など、がんが原因で苦痛を感じている場合に放射線治療を行うことで、症状をある程度緩和することができます。

肺がんに対する定位放射線照射の線量分布

肺がん治療センター
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がん(白い塊)は赤色の線(100%照射領域)のほぼ内側に存在し、きちんと照射されており、かつ周囲の正常臓器にはほとんど放射線が当たっていないことがわかります。

肺がん放射線治療実績(延べ人数)
平成24年度 62(うちSRT 0)
平成25年度 90(うちSRT 6)
平成26年度 117(うちSRT 7)
平成27年度 127(うちSRT 11)
平成28年度 137(うちSRT 7)

緩和医療【緩和ケア内科】

より専門的な苦痛緩和が必要な時には緩和ケアチームで対応します。

 「緩和ケア」とは病気に伴う心と体の痛みを和らげることです。肺がん患者さんにおいても、病気を治したり、小さくする治療と、緩和ケアを診断時から一緒に行うことが重要です。適切な痛み止めを使用するといった基本的な緩和ケアは、当院では全ての医療者が行える体制を作っており、そのための研修も行っています。
 より専門的な苦痛緩和が必要な時には、緩和ケアチーム(医師の他に看護師、薬剤師なども一緒にチームを作っています)が診療に参加します。緩和ケアチームによる病棟回診を毎週行い、必要な時は患者さんから同意を得て、原則毎日チームメンバーが診療に伺っています。

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緩和ケアチーム回診

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緩和ケア病棟(個室)

地域の先生方へ

まず、市民病院肺がん治療センター(呼吸器内科・外科)へご紹介ください。

 地域のかかりつけの医療機関から紹介を受けて受診された患者さんにつきましては、呼吸器内科・外科で診察させていただきます。
 当院の治療後、病状のコントロールがつき次第、かかりつけの先生へ逆紹介させていただいております。高度・急性期病院としての性格上、当院外来における長期フォローアップは難しく、地域の先生との密な連携により、継続的な経過観察を行っていくこととなります。

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勉強会「木曜に肺がんを読む会」について

 8月と12月を除く毎月第二木曜日午後7時から、当院がん検診センター4階講堂にて「木曜に肺がんを読む会」を開催しています。
 胸部レントゲンの読影や呼吸器疾患に関する講演を開催し、地域の先生方との連携に努めておりますので、是非、ご参加ください。

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