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研修医日記

RESIDENT DIARY

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はじめまして

はじめまして

 みなさんはじめまして。研修医2年目のMと申します。申しますもなにも、イニシャルだけでは自己紹介になっていませんがそこはご容赦ください。

この文章を読んでくださる方がどんな方なのかわかりませんが、きっとこの病院の研修を考えてくれている医学生の方が多いのではないかと思います。自分自身も見学前にこの研修医日誌を斜め読みして「ふーん、こんな感じなのか」と思ってから見学に向かった記憶があります。みなさんも同じように「ふーん、こんなもんか」と読み捨ててください。忙しい実習と勉強の気分転換に少しでもなれば幸いです。

ほかには、もしかしたら同期や後輩の研修医も読んでいるかもしれませんね。僕自身この日誌を執筆するにあたって他の研修医が書いた日誌を読んでみました。みんなの趣味や学会活動、地域実習の話など意外と知らない一面を知るとともに、キラキラと眩しい日々に目がつぶれてしまいそうになりました。素敵な同期に囲まれて僕は幸せ者です。みなさんもぜひ市民病院で魅力的な日々を過ごしてください。

同期の研修日誌を読めばそれぞれの研修科での日々についてはわかると思うので、僕は市民病院のそのほかの魅力についてお話しようかと思います。

市民病院は坂の上に建っており、また周りに高い建物もないため眺めがとても良いです。医学生の方が見学に来てくれると7階の富士見ラウンジまで案内して景色を楽しんでもらうのがお決まりのコースになっていたりもします。僕が今この文章を書いているレジ室からも、西の方角には丹沢から箱根にかけての山並みが見え、大山に少し隠れるようにして富士山を望むことができます。

僕は初期臨床研修でこの病院が気に入ってしまい来年以降も居着いてしまう人間なのですが、残ることを決めた理由の一つにこの眺望の良さは含まれているような気がします。

仕事を終えて病院から医局棟に向かう際には、つい向かって右側を眺めてしまいます。時期にもよりますが夕日に照らされる富士山を眺めることができるからです。特に秋ごろですと、日没後の茜色が滲む空に富士山のシルエットが浮かび上がり、1日の仕事の疲れも吹き飛んでしまいそうになります。ま、しまいそうになるだけで実際に吹き飛ぶなんてことあるわけもないのですが。ただ、一瞬忘れさせてくれるくらいには美しい光景です。

食堂から眺める景色も好きです。窓際に並んだカウンター席の方が眺めが良いので、ついお昼の混雑時をさけてしまうくらいには好きです。食堂からは病院の隣にある三ツ沢公園を見下ろす形になり、犬を散歩させている人やランニングをしている人、かけっこをしている子供たちを眺めながらお昼をいただくことができます。春には満開の桜がきれいですし、秋には紅葉を楽しむことができます。12月にもなると銀杏も散って寂しい景色にはなりますが、そのぶん空が広く感じられます。

空のことでいうと、三ツ沢では夜空もきれいです。もうこの時期になると仕事が終わるころには外は真っ暗で夕焼けを眺めることはできません。ですがそのぶん冬の星座が楽しめます。オリオン座、おおいぬ座、こいぬ座を見つけて、どれがシリウスでベテルギウスでプロキオンだっけと悩んだりすることだってできます。この研修医日誌を書くために調べてみたのですが、冬の大三角の近くにはふたご座のカストル、ポルックスやおうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラなどいくつも一等星があるのですね。もちろん天気が良い日にはすべて観察できますし、なんだったら二等星である北極星ですら見つけることができます。

 ちなみにみなさん北極星の見つけ方をご存じですか?北斗七星を手掛かりにするとわかりやすいですよ。北斗七星自体は二等星から四等星の比較的明るい星で構成されているので見つけやすいかと思います。おおぐま座のちょうどしっぽにあたる部分ですね。北斗七星自体は柄杓の形にたとえられますが、柄杓の先端部分を構成する2つの星の間隔を5倍するとちょうど北極星に到達します。そのほかにはカシオペア座を使っても同じように北極星を見つけることができますが、長くなってしまうのでまたの機会にしようと思います。

 現在の北極星はこぐま座α星でその名をポラリスといいます。星座でいえばちょうどこぐまのしっぽの先にあたる星で、二等星ではありますがこぐま座の中で一番明るい星です。実は北極星は極めて長い年月をかけて交代することが知られています。これは地球の自転軸が円を描くように振れること(歳差運動といいます)で天の北極が変動し、その都度天の北極に最も近く、視認しやすい星が北極星と認識されるためです。今から約8000年後には白鳥座のデネブが、約12000年後にはこと座のベガが北極星となり、24000年後に再びポラリスが北極星となります。

 なぜこうして長い文章をかけて星座の話をしているのか、しかも研修医日誌の場を借りて星座の話をしているのか、察しの良い皆さんならお気づきでしょう。それはもちろん、みなさんがこれから歩みだす研修生活がたとえ三ツ沢の星空のように茫漠であったとしても、それぞれの北極星を見つけ出し、ともに進んでいきましょうということが言いたいからではありません。ましてや、日々の何気ない風景の中にすら知らないことはたくさん潜んでいるという話がしたいわけでもなく、北極星でさえ移ろうのだから医学の常識に絶対などないという講話じみたことが言いたいわけでもありません。

 ただ単に、北極星が長い年月をかけて交代していくことを今回初めて知ったのでみなさんに共有したかったからです。ここ最近で一番印象に残った知識だったので。すみません。

 なんだ、ここまで読んで時間の無駄だったな、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。その通りで大変恐縮です。ただ、ここまで読んでくださった方に一つ役立つとすれば、今年は12月22日の夜から23日の未明にかけてこぐま座流星群をみることができます。主要な流星群の中では一年で最後に見られるもので、今年はちょうど新月に重なるので観測もしやすいでしょう。こぐま座が夜空のどのあたりにあるかは、ここまで読んだ方ならきっとお分かりだと思います。

 当直が入らなければ僕もせっかくなので見てみようと思います。皆さんが住んでいるところからもきれいに見えるといいですね。

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