医師臨床研修センターは、初期臨床研修および専門研修に関わる事業の一体的な運営を行うことを目的として設立されていますが、年間を通して多数の医学生の実習を受け入れている実績もあることから、卒後のみならず卒前教育からのシームレスな医師養成体制の確立を目指しています。

初期臨床研修医のみなさんには積極的に診療に関わっていただいておりますが、多数の教育熱心な指導医や上級医が傍で見守りながらきめ細かく指導していますので、安心して経験を積むことができます。具体的な希望に対しては基本的に受け入れてくれる環境にありますので、自分の目標に向かってしっかりと経験を積み重ねながら着実に成長することができます。このように一人ひとりの研修に対する考えや自主性を尊重し、経験しようと思えばいくらでも経験することができるすばらしい研修環境が構築されています。また、コメディカルスタッフも非常に協力的で、大変学びやすい環境にあります。大きな課題に直面したときには一緒に考えてくれる指導医やスタッフ、そして多くの同僚がいますので、安心して研修に専念することができます。また、新病院になってからはシミュレーションセンターの整備にも力をいれておりますので、設備の側面からも格段に研修環境が整ってきたと考えております。

2018年から開始された新専門医制度においては、それぞれの専門領域における適切な教育を受けて、十分な知識・経験を持ち、標準的な医療を提供できるとともに先端的な医療を理解して情報を提供できる医師になることが求められています。当院には豊富で多様な未診断症例があり、そしてその症例を深く掘り下げる教育体制が備わっているため、より高度で専門的な診療能力の研鑽を積むことにでき、専門医としての実践力が身につきます。

このように当院においては研修を支える環境が整っており、一般的な診療において頻繁に関わるcommon diseaseに適切に対応できるためのプライマリ・ケアの基本的な診療能力から専門領域までもしっかりと経験を積むことができます。医師を取り巻く制度や環境が大きく変化していく中で、医師臨床研修センターが持つ役割の重要性がますます高まると考えられますので、今後も初期および専門研修を全力でサポートしてまいります。

医師臨床研修センター長
小松 弘一