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研修医日記

RESIDENT DIARY

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東京国際フォーラムで初期研修医3名が学会発表をしました!

臨床研修委員長
仲里朝周

2019年10月11日から13日まで東京国際フォーラムで第81回日本血液学会総会が開催されました。日本血液学会総会は毎年7000名が参加する大規模な学会です。今回、なんと当院の初期研修医3名が当院の臨床研究に関するポスター発表をしました。初期研修医2年目の小峰佑奈先生、濱田江里奈先生、内村綾那先生の3名です。小峰先生は「80歳以上の超高齢者びまん性大細胞型B細胞リンパ腫におけるModified Barthel Index (MBI)の臨床的意義」、濱田先生は「80歳以上の超高齢者びまん性大細胞型B細胞リンパ腫におけるPrognostic Nutritional Index(PNI)の臨床的意義」、内村先生は「Azacitidine治療におけるPrognostic Nutritional Index(PNI)の臨床的意義」というタイトルの演題を発表して頂きました。いずれも高齢者機能評価に関する後方視的解析です。MBIは簡易的なADL評価法で治療前のMBIが超高齢悪性リンパ腫の治療成績や予後に関連することを明らかにしました。PNIは血清アルブミン値と総リンパ球から算出する簡易的栄養評価法で、治療前のPNIが超高齢者悪性リンパ腫や骨髄異形成症候群の治療成績や予後に関連することを明らかにしました。今後来るべき超高齢者社会にむけてこのような高齢者機能評価は極めて重要であり、治療前に適切な高齢者機能評価を行い、個々の脆弱性(Frailty)に応じて適切な治療を選択する個別化医療がますます必要となってきます。当院は人口370万の横浜市の市民病院ですので必然的に高齢の患者さんが多く受診されます。患者さん一人一人の年齢、ADL、身体機能、認知機能、栄養状態、精神状態、介護度などを治療前に総合的に評価した上で個別化治療を行うことが理想的であり、当院でも高齢者機能評価に積極的に取り組んでいます。
初期研修医3名の皆さんには高齢悪性リンパ腫症例、骨髄異形成症候群症例のデータベース作成から関わって頂き、MBIあるいはPNIのスコアリング、MBI、PNIと治療成績、予後との関連について統計ソフトEZRを用いて自ら統計解析をして頂き、我々指導医とディスカッションを積み重ねた上でポスター作成に至りました。日常臨床の忙しい中、試行錯誤をしながら慣れない統計解析に一生懸命取り組み、見事立派なポスターとなりました。3人の努力には本当に頭が下がります。また、3人の統計解析を熱心に指導して頂いた血液内科の小倉慎司先生にはこの場を借りて深謝申し上げます。

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Fig 1. 小峰佑奈先生

Fig 2. 濱田江里奈先生

今回は台風19号と時期が重なってしまい、学会自体も大変な影響を受け3日間のうち1日は中止となってしまいました。ただし3人のポスター発表は台風上陸の前日だったため無事開催されました。非常に残念なことに、内村先生はちょうど沖縄の離島で地域医療研修中であり、当初は沖縄から飛行機で駆けつける予定でしたが台風で危険なため参加ができなくなってしまいました。内村先生は気合十分で自ら希望し沖縄からくる予定でしたが希望が叶えられず非常に残念でした。でも内村先生からは来年は必ずリベンジします、と力強いコメントを頂きました。今回は内科地方会とは違い大規模な学会での発表であり、さすがに緊張するのではと内心心配でしたが、小峰先生も濱田先生も非常に落ち着いていて質問にも的確に答えることができ取り越し苦労でした。普段病院では見ることができない真剣な姿(もちろん病院でも真剣ですが)を見ると、当院の研修医は本当に優秀だなあ、と感心してしまいます。

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Fig. 3 台風で来場できなかった内村綾那先生のポスターです。

濱田先生のポスターはなんと”Best poster awards”に選ばれました!数多くの超優秀な専門医の皆さんを差し置いて初期研修医がこの賞を受賞するなんてとんでもない快挙なんです。私もこれまで何度もポスター発表をしていますが箸にも棒にもひっかかったことはございません。正直なところ嫉妬の念を隠さずにはいられません。そのぐらいすごいことで羨ましい限りです。詳しくは後日濱田先生本人が研修医日記に書いてくれると思います。

当院では、初期研修医の先生でもやる気と情熱があれば学会発表や論文発表、臨床研究など大学病院でもあまり経験できないようなことにも積極的に取り組んで頂いています。これからも大学病院に負けないよう研修医の皆さんとともに切磋琢磨していきたいと思います。

臨床研修委員長
仲里朝周

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