研修医日記
RESIDENT DIARY
臨床研修委員長
仲里朝周
皆さん、Pubmedって知ってますでしょうか。おそらく99.99%の方はご存知かと思いますが、Pubmedとは世界の主要な医学関連雑誌に掲載された学術論文情報を無料で検索できるデータベースです。医師になるとPubmedに自分の論文が掲載されることが一種のステイタスとなり、また自分の立派な業績にもなります。この度、昨年度の初期研修医2年目であったMasuda K先生が初期研修医時代に書いた英語論文がなんとInternal Medicine Journalという海外医学英文誌に見事アクセプトされ念願のPubmedに”Masuda K”の名前が刻まれました。
Masuda KなんてドクターKみたいで恰好いいですね。因みにドクターKは医学生の皆さんは若くて知らないと思いますが、昔大リーグで活躍した野茂英雄投手のニックネームです。三振=Kの山を築くことから生まれた名前です。もう一つ因みにスーパードクターKは皆さんご存知でしょうか。野獣の肉体に天才の頭脳、そして神技のメスを持つ男、その名はK。ハードボイルド医学伝説のキャッチフレーズで一世を風靡した医学漫画です。国試の勉強に疲れてしまった、将来のモチベーションを見失ってしまった、そんな方にはオススメです。いや、やはり漫画を読む時間があるくらいなら勉強に充てた方がKしこい(賢い)と思います。おひまな時に怖いもの見たさに一度チラ見して下さい。
KつながりでMasuda Kからだいぶ話がそれてしまいました。申し訳ございません。Masuda Kはマッチョな男ではなく可憐な女性です。でも初期研修医時代の仕事ぶりはまさにスーパー研修医(あら、また研修医のKですね)の称号にふさわしいものでした。Masuda Kは仕事がテキパキと速く、当直中も複数の診察ブースに出現することから「Masuda Kは実は3人いるんじゃないか」という都市伝説が生まれた程です。今年度からは大学病院の内科専門研修プログラムを選択して内科専攻医としてバリバリ頑張っています。新天地でも「Masuda K実は3人説」が引き継がれていることと思います。
話がまたそれてしまいましたが、肝心の論文の内容は急性リンパ性白血病の中枢神経再発に対して分子標的薬ponatinibが著効した症例報告です。Ponatinibが難治性中枢神経病変に奏効した世界初の報告例なんです。Masuda Kはアカデミックな情熱も高く、自ら志願して忙しいなか英語論文を書いてくれました。でも3人いるのでMasuda K1の当直中にMasuda K3が書いてくれたのかもしれません。現在も忙しい中2本目の英語論文を作成中でその情熱には頭が下がる思いです。将来が本当に楽しみです。
当院では、初期研修医の先生でもやる気と情熱があれば学会発表のみならず日本語論文、英語論文執筆、臨床研究など大学病院でもあまり経験できないようなことにも積極的に取り組んで頂いています。もちろん医師としての基本的技能を習得することも重要ですが、このようなアカデミックな事にも若いうちから触れておくと将来必ず役に立ちます。医学は劇的に進歩しており、患者さんのために診療の質を向上するには医師は新しい治療に関する知識を常にupdateする必要があります。大学病院の医師だけが研究者なのではなく、市中病院にいても、クリニックにいても、離島診療所にいても、どこにいても医師は生涯研究者なのだと思います。
最後にMasuda K先生、もしこの記事を読んでいたならごめんなさい。いろいろと勝手なことを書いてしまいました。是非、今度はスーパードクターMasuda Kから医学生のみなさんへ熱いメッセージを頂けると幸いです。なお執筆はMasuda K2さんでお願いします。
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