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研修医日記

RESIDENT DIARY

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パプキンについて

皆さんこんにちは。臨床研修委員長の仲里朝周です。初期研修医のみんながお忙しそうなので今回は僭越ながら私めが指導医日記を書かせて頂きます。
突然ですが皆さん「パプキン」って知っていますか?「パプキン」とは「パプアキンイロクワガタ」の事です。昆虫マニアの間では通称「パプキン」と呼ばれています。私は昆虫マニアではありませんが、小学生の息子が昆虫が大好きで将来は昆虫博士になる!と豪語しているため、必然的にカブトムシやクワガタを買わざるを得ない状況となりました。将来の夢が昆虫博士ではなく医学博士だったら良かったのですが・・・でも昆虫博士になる方がよっぽど大変だと思います。息子は昆虫博士になる!とのたまっているのですが、ほぼ99%執事の私めが昆虫の世話をしております。現在我が家では16匹のカブトムシ・クワガタの成虫と16匹の幼虫を育てています。しかもインドネシア産のコーカサスオオカブトやスマトラオオヒラタクワガタといったマニアなら垂涎ものの昆虫がいるんです。夜遅く帰ってからエサや土の交換をコツコツとしています。お亡くなりになられた方がいれば、夜遅くに近くの公園に行って埋葬、お見送りをしています。夜遅くに怪しいおっさんがスコップを持って土を掘っている姿は傍からみれば完全に不審者だと思います。しかしこのような苦行の中でも感動することが多々あります。実は「パプキン」のペアリングに成功して、卵から幼虫、蛹となりつい先日8匹も羽化して見事きれいな成虫になったんです。パプキンはサイズは小さいのですが、とてもとても美しい色をしています。キンイロクワガタという名前のごとくキラキラと輝いています。しかも1匹ごとに色が違うのです。青く輝いているものから、朱色、緑色、銀色など多彩な光を放っています。芋虫のような幼虫がきれいな輝きを放つ美しい成虫に姿を変えるなんて生命の尊さと神秘を感じざるを得ません。昆虫を育てることは生命の力強さや尊さ、儚さを子供に伝えるには最適かもしれません。
「パプキン」なんて臨床研修と全く関係ないじゃん、と思っている方が100人ぐらいいるのではと推測します。また私は虫が大嫌いなのよ!とお怒りの方も300人ぐらいいるのではと危惧しております。今回、「パプキン」を紹介したのは次の一枚の写真をお見せしたかったからです。

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なんとこの二人は親子なんです。右はお父さんで左は羽化したばかりの娘です。残念ながらお母さんはすでに他界されましたが、お父さんは奇跡的に長寿で娘の晴れ姿を見ることができました。どうして緑色に輝いている親からこのような美しいマリンブルーの娘が生まれるのか不思議でなりません。この娘以外にも朱色の娘が三人、緑色の息子が三人、銀色の娘が一人と多彩な色を持った子供達がこのお父さんから生まれています。残念ながらこの写真を撮った翌日にお父さんは安らかに息を引き取りました。美しい娘に会えてお父さんも本望だったと思います。完全に虫に感情移入をしてしまっている自分にふと気付きました。もしかすると私も昆虫オタクになっている確率が85%ぐらいありそうです。
この親子の写真をみてふと思ったのは、研修医の皆さんや医学生の皆さんもまだ自分の色に染まっていない無色の状態から医師としてスタートを切るのだと思います。初期研修の2年間を通じて自分の色がどのように変わっていくのか、パプキンのような鮮やかで輝かしい色になるのか、それともどんよりした暗い灰色になるのかはすべて自分次第です。そして研修医の皆さん一人一人が自分に最もふさわしい鮮やかな色で光り輝けるよう正しい道へと導いていくのが我々指導医の重大な責務なんだと思います。
だらだらと蘊蓄を垂れてしまいましたが、結局はこの写真を皆さんに見せたかっただけなんですけどね。あしからず。

臨床研修委員長
仲里朝周

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