研修医日記
RESIDENT DIARY
皆さん、臨床研修修了おめでとうございます。僭越ではございますが御祝のご挨拶をさせて頂きます。
皆さん、2年間本当にお疲れ様でした。また横浜市立市民病院のために一生懸命頑張って下さり本当にありがとうございました。さて、皆さんは4月から別々の人生、別々の新たな道を歩むことになります。期待に胸躍らせている方もいれば、自分の選んだ道が本当に正しかったのか正直不安に思っている方もいるのではと思います。そんな新たな一歩を踏み出す皆さんに、私からイギリスの詩人であるウィリアム・アーネスト・ヘンリーの名言を贈りたいと思います。
“I am the master of my fate.”
「私は我が運命の支配者である。」
という言葉です。
この「I am the master of my fate」という言葉は「不安や恐怖に決して屈しない強い意志」を表現しています。皆さん、ネルソンマンデラ大統領をご存じでしょうか。南アフリカ共和国のアパルトヘイト廃止に身を捧げた偉大な人物ですが、マンデラ大統領は27年間もの間、たった二畳しかない独房に投獄されていました。そんな絶望的な状況において心の支えとなったのがこの”I am the mater of my fate. I am the captain of my soul”という言葉だったそうです。
皆さん、これからの医師人生で大きな壁にぶつかったり、不安で押しつぶされそうになったり、重大な決断をしなければならない時が必ずやってきます。そんな時にこの言葉”I am the master of my fate”を思い出して下さい。自分の決断に自信を持ち、自分を信じて信念を持って前に進んで下さい。この名言は、ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの「Invictus」という詩の最後の2行に書かれています。「Invictus」とはラテン語で「負けざる者、屈しない者」という意味です。機会があれば是非一度読んで下さい。
ところで、私の口からイギリス詩人の話が突然出てくること自体に違和感を感じている方が300人ぐらいいらっしゃるのではとお察しします。私はどちらかというと〇術〇戦とかハ〇ターハ〇ターといった文献の方が専門でして、イギリスの詩なんて本当は全然読んだことがございません。誠に申し訳ございません。
実は私の愚息の中学の冬休みの宿題で「アパルトヘイト」についてのレポートが出たのですが、いつもの如く宿題が間に合わず私がレポートを手伝う羽目になり、急遽アパルトヘイトについて愚息と一緒に調べました。まずは愚息と共にネルソンマンデラの半生を描いたInvictusという映画を観たのですが、ちょうどこの中に”I am the master of my fate”の下りがでてきたんです。偉そうなことを言いましたが、実はこの映画の一場面からパクっただけなんです。大変申し訳ございません。でもこれは医師として非常に大切なスキルでもあります。10分前に初めて得た知識をさも前から知っていた自分の知識のように話せることも医師の高等スキルの一つです。この高等スキルは医学的には「パクリたきせる」とも呼ばれています。本日お話ししたイギリス詩人、ネルソンマンデラ、I am the master of my fateの下りは皆さんが将来指導医や管理職になった際に粋な一言として使えるかもしれませんので心にとどめておいて下さい。
それでは皆さん、2年間本当にお疲れ様でした。また、横浜市立大学および慶應義塾大学からたすきがけで1年間当院で頑張って下さった皆さん、1年間本当にお疲れ様でした。そして、本当にありがとうございました。
皆さんの光輝く未来を心からお祈り申し上げます。
(2025年3月末に開催された臨床研修修了式において、卒業される研修医の先生方に向けた私からのはなむけの言葉を僭越ながら掲載致しました)
臨床研修委員長
仲里朝周
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