研修医日記
RESIDENT DIARY
泌尿器科では、腎・尿路~生殖器に関わる幅広い疾患に対応し、手術から内科的治療まで幅広いスキルが求められます。また、泌尿器科は他の臓器や疾患と密接に関連しており、消化器外科や婦人科などと合同手術を行うこともしばしばあります。
さらに、泌尿器科では先進的な技術や治療法が取り入れられており、臨床において多くの刺激があります。
初期研修医の先生方は以下に紹介するような先進的な治療に触れ、また尿管ステントや腎瘻増設、回腸導管などの尿路変更等の処置や手術に参加し、尿路管理のスペシャリストとしての経験をぜひ積んでほしいと思います。そしてその経験は将来どの科に進んでも役に立つことと思います。
【当科において特に力を入れいている治療】
<ダヴィンチを用いたロボット支援手術>
今やダヴィンチ等を使用して行うロボット支援手術は、泌尿器科においてはほぼ標準的治療となっています。当院でもロボット支援前立腺全摘除術は年間50~70件、早期腎臓がんに対して行うロボット支援腎部分切除術も年間20例程度行っています。また当院の特色として膀胱がん症例が多いため、ロボット支援膀胱全摘除術は年間20例以上行っています。これは神奈川県内で大学病院やがんセンターを含めて最も症例数の多い施設の一つとなっています。膀胱全摘時に行う尿路変向(回腸導管)はそのままダヴィンチを用いて糞路再建、尿管導管吻合をおこなう体腔内吻合:ICUDをおこなっておりこちらの施行件数も県内有数です。当院はダヴィンチを操作するコンソールが2台あるため、手術の様子をリアルタイム3D画像で見学することも可能で、また希望すればダヴィンチのシミュレーターを経験することも可能です。
<経尿道的膀胱腫瘍一塊切除術:TURBO 光力学診断(PDD)>
膀胱がんに対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)は通常腫瘍をバラバラに分割して切除しますが、当科では分割せずに一塊切除(TURBO)を積極的に行っており、施行実績は500例を超え国内で最も症例数の多い施設となっています。腫瘍の完全切除や正確な診断に有用です。科長の太田はこの術式について手術書の執筆を行ったり、泌尿器内視鏡学会e-learningサイトの作成に携わっております。
また肉眼的には見落としやすい膀胱がんを、手術前に5-アミノレブリン酸を内服し、青色光を放つ蛍光内視鏡でがんを光らせる光力学診断(PDD)システムを導入し、PDD併用のTURBT、TURBOを現在まで100例以上行いました。
他院ではあまり行われていない術式のため、ぜひ手術に参加して体験してください。
<前立腺肥大症に対する低侵襲手術>
・前立腺吊り上げ術(ウロリフト)
前立腺部尿道にインプラントを埋め込み、尿道を広げて排尿を改善します。
短時間で手術を終えることができる、泌尿器科において最も新しい術式の一つです。
・ツリウムレーザーを用いた前立腺蒸散術(ThuVAP)
レーザー光により肥大した前立腺を蒸散し、前立腺部尿道を開大させます。大きな前立腺肥大、中葉肥大なども安全に治療が可能です。
<人工尿道括約筋植え込み術>
前立腺全摘後の尿漏れ(尿失禁)に対して、AMS800®人工尿道括約筋の植込み手術を行っております。県内では対応できる施設が限られております。
そのほか尿路結石や、良性疾患などの治療も多数行っております。
現在泌尿器科スタッフ7名で、若い医師も多く研修医の先生方のよき相談相手になってくれると思います。先生方と一緒に仕事できる日を楽しみにしております。泌尿器科でお待ちしてます!
泌尿器科長 太田純一
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バス停「市民病院」下車 ※令和2年5月2日に新設
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