当院では、2023年3月よりハイブリッド手術室の稼働を開始しました。ハイブリッド手術室とは、手術室に懸垂型の血管造影装置（3D-CT撮影も可能）を統合させたもので、高画質な透視・3D撮影を行うことができます。カテーテル治療と外科手術を同時に、もしくは併用して行うことが可能です。既存の手術の時間短縮や精度の向上、さらには高度で最新の医療技術による低侵襲な治療が行うことができるようになります。さらに2023年度からは、経カテーテル的大動脈弁置換術（TAVI）を開始する予定です。従来の開胸人工心肺使用心停止下で行う大動脈弁置換術に対して、TAVIは人工心肺を使用せず、経カテーテル的に大動脈弁を置換することができます。従来の人工心肺下での開心術がハイリスクであった方や高齢の方に対して、非常にメリットのある治療です。

　ハイブリッド手術室では、心臓血管外科医、循環器内科医、麻酔科医、放射線科医、診療放射線技師、臨床工学技士、手術室看護師などの多職種が連携した「ハートチーム」で治療を行います。当院のストロングポイントである「総合力」を活かし、一人一人の患者さんにとって最良の医療を提供していきます。

臨床研修委員長
仲里　朝周