こんにちは！研修医2年目のHです。

　今回は地域医療研修についてお話ししたいと思います。

　私は秋田県の仙北市立田沢湖病院で計4週間の地域研修を行なっています。ちょうど2週間が経ったところです。JR田沢湖駅は秋田新幹線も通っており、東京から3時間程度で行くことができます。田沢湖は駅から車で約15分のところにあり、水深は423.4mと日本一深く、日本百景にも選ばれた景勝地として知られます。近くには乳頭温泉や玉川温泉、角館など多くの観光地があり、秋田県内でも有数の観光地です。

　市立田沢湖病院は田沢湖駅から徒歩3分の場所に位置し、病床数60床、常勤医師5名体制で診療しています。また多数の非常勤医師が内科外科以外の専門外来を担当されています。私は基本的には常勤医師とともに外来診療を行いましたが、訪問診療や医療Maas車両にも同行させていただきました。中には新幹線で受診される患者さんもいらっしゃるとのことで、限られた時間の中で病気の予防、早期発見・早期治療や重大な病気を見逃さないことの重要性を学びました。

　また、同じ仙北市内にある西明寺診療所に医療Maas車両の見学にも行きました。医療Maas車両というのは、車内に電子カルテやオンライン診療システム、エコーや心電図などの医療機器を搭載しており、高齢者の自宅等に看護師が赴き、診療所にいる医師が車両とオンラインで結び、遠隔診療を行うというものです。無医地区や雪道など通院困難な患者さんにとっては、これが唯一の診療の場になることも多く、とても頼りにされている様子でした。見学後は所長の先生が、医療Maas車両のメリットや運用における問題点を説明してくださいました。横浜市でも高齢化は進んでおり、また坂が多い場所で通院が困難な患者さんも多いと思います。今後横浜でもこういったシステムが導入されれば患者さんのQOLも向上するのではないかと思いました。

　さて、週末はレンタカーを借り、秋田を満喫しました！

　まずは日本百景にも選出された田沢湖周辺を観光しました。田沢湖観光では外せないたつこ像や御座石神社、秋田犬見学所、思い出の潟分校に行ってきました。その他、車で30分くらいのところにある「抱返り渓谷」のエメラルドグリーンの川や滝を見に行きました。もし行かれる方は、熊が出没しにくい真昼間に行くことをおすすめします(笑)。

　また田沢湖駅から車で約30分くらいのところにある、「乳頭温泉郷」を堪能しました。実はここ、横浜市民病院の某先生にオススメされた温泉なのです。七湯ある乳頭温泉郷の中でも「鶴の湯温泉」は江戸時代から続いている秘湯とのことですが、白く濁った温泉はちょうどいい温度で体の奥底から力がみなぎってくるようでした。鶴の湯温泉では昼食もいただきましたが、特に「山の芋鍋」が本当に絶品だったので、ぜひ訪問される方は召し上がっていただきたいです。

　東北の夏といったら祭り！ということで、秋田市まで出かけて「秋田竿燈祭り」を見に行きました。これは厄除け、五穀豊穣などを願う行事として約270年もの歴史を持つ国の重要無形民俗文化財です。長い竹竿にたくさんの提灯をつけた「竿燈」を「差し手」と言われる男性が、額や腰などに載せて絶妙なバランスで操っている様には本当に感動しました。何よりみんなが情熱的にお祭りを盛り上げている様子に元気や勇気をもらいました。

　他にもここには書ききれないほどたくさんの感動や人との繋がりがありました。一生忘れることのない貴重な経験をしていると思っています。当院の初期研修は特に地域研修先が充実していると思っています。あまり地域研修を就活で考えることはないと思いますが、これを読んでぜひマッチングの候補として当院を入れてくださると幸いです。

　就活や国家試験対策など忙しく大変なことも多いと思いますが、これを読んでモチベーションにしていただければと思います！

追記

今週末は男鹿半島に行こうかなあ…。