横浜市立市民病院

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診療科・部門

形成外科

診療科紹介

佐久間 恒 佐久間 恒 医師

【特徴・特色】
形成外科の治療においては、“傷”や“形”や“機能”をどこまで改善していくかが重要であり目標となります。すなわち、限りなく目立たなくし、形態を限界まで整え、機能を極力回復させることが形成外科の使命と考えます。当科は形成外科全般を扱っていますが、特に“機能の再建”にこだわり,四肢リンパ管機能の再建,顔面神経・表情筋機能の再建,腹壁機能の再建などに力を入れて診療を行っております。
【四肢リンパ浮腫:手足のリンパ管機能の障害】
当院では、乳がんや子宮がん術後に生じた四肢のリンパ浮腫に対して四肢末梢のリンパ管を近傍の細静脈にバイパスする顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術を行っております。手術後もストッキングなどによる圧迫療法が必要となる場合が多いですが、リンパ管機能が良好な症例では圧迫の軽減や離脱が可能となります。手術は局所または全身麻酔下で行い、入院期間は上肢で3~5日間、下肢で7~9日間です(詳しくはリンパ浮腫のページをご参照ください)。
【陳旧性顔面神経麻痺(兎眼・眉毛下垂・顔面非対称):表情筋機能の障害】
Bell麻痺、Hunt症候群、聴神経腫瘍・耳下腺腫瘍術後などによる陳旧性顔面神経麻痺に対して、閉瞼(まぶたを閉じる)機能の再建、眉毛吊り上げ術、マイクロサージャリーによる神経移行術、遊離筋肉移植(“笑い”の表情の再建)などを行っています。病的共同運動、顔面拘縮、顔面痙攣などの後遺症に対しては、リハビリテーション、ボトックス治療、外科的治療を行っています(詳しくは顔面神経麻痺のページをご参照ください)。
【腹壁瘢痕ヘルニア:腹壁機能の障害】
外科開腹手術の術後に生じた腹壁瘢痕ヘルニア(脱腸)に対して、メッシュ(人工物)を用いた方法や自家組織によるメッシュを用いない方法(components separation法)による再建を行っています(詳しくは腹壁瘢痕ヘルニアのページをご参照ください。)

外来のご案内

当科は専門医1名を含む形成外科医3名が診療にあたっています。
外来について
外来は初診・再診ともに完全予約制ですが、診療時間内の急患にも随時対応いたします。

一般外来(初診・再診)
月・木曜日 午後
火曜日 午前
処置外来(再診)
金曜日 午前
専門外来
第1・2・3・4週火曜日 午前 リンパ浮腫外来(初診・再診)
第1・3・4週火曜日 午後 リンパ浮腫検査外来(再診)
第2火曜日 午後 顔面神経麻痺外来(初診・再診)
※手術日は月・木曜日午前、金曜日午後、水曜日午前・午後です。

実績

  • 形成外科年間手術件数 451件(2016年1月1日~12月31日)
       入院手術 181件
       外来手術 270件
  • 主な手術実績
       顔面・四肢外傷 93件
       先天異常 7件
       皮膚良性腫瘍 良性 136件
              悪性 22件
  • 皮膚難治性潰瘍 11件
  • 四肢リンパ浮腫 77件
       上肢 続発性 21件
          原発性 0件
       下肢 続発性 46件
          原発性 10件
  • 顔面神経麻痺再建 12件
  • 腹壁瘢痕ヘルニア 11件

最近のトピックス

リンパ浮腫外来
平成25年1月よりリンパ浮腫外来を新設いたしました。詳細についてはリンパ浮腫のページをご参照ください。
顔面神経麻痺外来
平成24年4月より顔面神経麻痺専門外来を新設し、リハビリテーション科医師とともに月1回の診療を行っています。顔面神経麻痺の回復過程でおこる病的共同運動(口を動かす時に同時に瞼が閉じる)や顔面拘縮(顔のひきつれ、こわばり)などに対して、ボトックス(ボツリヌス毒素)の注射を併用したミラーバイオフィードバック法によるリハビリを行い良好な結果が得られています。
前立腺全摘除術後の腹圧性尿失禁に対する新治療(臨床研究)
~陰部神経縫合付加薄筋移植による尿道括約筋再建術~
排尿は膀胱の排尿筋の収縮と骨盤底にある(外)尿道括約筋の弛緩の共同作業により起こります。貯尿時には、尿道括約筋が常に収縮することで尿漏れを防いでいます。尿の排出を意識すると大脳から指令を受けた排尿の命令刺激が脊髄排尿中枢に伝わり、末梢神経を介して膀胱の収縮と尿道括約筋の弛緩を起こして尿が排出されます。尿道括約筋は骨格筋の1種でありながら、排尿に必要な特異な2つの機能(持続的に収縮し疲れにくい、排尿時の随意的な弛緩)を有しています。これらの機能を決定しているのが、尿道括約筋を支配する陰部神経です。
前立腺全摘除術後腹圧性尿失禁は、骨盤底筋の一つである尿道括約筋の一部が手術によって損傷された結果、尿道を締める力が弱くなり、咳など腹圧が高くなる時に反射的に尿が漏れてしまう状態をいいます。骨盤底筋体操では肛門括約筋を締める運動を繰り返すことで、尿道括約筋の強化をもたらし、失禁防止に役立つといわれています。尿道括約筋と肛門括約筋はともに共通の陰部神経によって支配されていることから、本術式では、肛門括約筋を支配している陰部神経に薄筋の運動神経をつなぎかえることで、尿道括約筋に近い特性を獲得した新しい尿道括約筋を再建する(動的再建)ことが可能となります。加えて、尿道スリングのように尿道を吊り上げる効果も期待できます(静的再建)。 本臨床研究は慶応義塾大学形成外科およびその関連施設(国立成育医療センター形成外科、立川病院形成外科、平塚市民病院形成外科、横浜市立市民病院形成外科)、横浜市立市民病院泌尿器科からなる研究チームにより行われます。本研究は今まで報告例がなく、トライアルな側面をもつ治療法ですが、ヒト屍体による模擬手術により実現可能となり、平成24年7月、当院倫理委員会にて承認されました。

(参考)≪現在の腹圧性尿失禁に対する標準的治療≫
前立腺癌に対する前立腺全摘除術後患者の8~20%が、術後1年以上たっても尿失禁の問題を抱えており、外科的な治療を必要とする尿失禁患者は、全摘除術患者の1~2%といわれています。現在、尿失禁に対する外科的治療として主に尿道スリング手術(メッシュのテープで尿道を吊り上げる)や人工括約筋法が行われています。前者は、軽度から中等度の尿失禁が適応となりますが、本邦では保険が適用されていません。後者は中等度から高度尿失禁患者に対して適用され、平成24年4月より保険が適用されるようになりました。人工尿道括約筋手術の術後の失禁改善率は90%(完治率は50%)で、患者満足度も高い半面、排尿の調節を器械が行っているため、非生理的であることに加えて、人工物がゆえに故障や感染などのトラブルが少なくないのが現状です。合併症としては、リザーバーバルーン・カフの水漏れ、コントロールポンプの作動不良などの機械トラブル(5%)、長期使用による尿道萎縮(5%)、感染(10%以下)、カフによる不適切な尿道圧迫による尿道潰瘍などがあり、5年で約20%のデバイスの摘出や更新が必要になるとの報告があります。

医師紹介

担当医師一覧
外来担当医師一覧はこちら
佐久間 恒(サクマ ヒサシ) 形成外科部長 常勤
卒業年:
平成9年 
専門:
マイクロサージャリー、リンパ浮腫、小児形成、顔面神経麻痺
取得資格:
日本形成外科学会専門医
松澤 宗範(マツザワ ムネノリ) 臨床研究医
卒業年:
平成26年 
専門:
形成一般
魚谷 雄一朗(ウオヤ ユウイチロウ) 臨床研究医
卒業年:
平成27年 
専門:
形成一般
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