横浜市立市民病院

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診療科・部門

形成外科

診療科紹介

佐久間 恒 佐久間 恒 医師

【特徴・特色】
形成外科の治療においては、“傷”や“形”や“機能”をどこまで改善していくかが重要であり目標となります。すなわち、限りなく目立たなくし、形態を限界まで整え、機能を極力回復させることが形成外科の使命と考えます。形成外科全般を扱っていますが、以下の疾患には特に力を入れており、専門外来で診療を行っています。
【リンパ浮腫】
リンパ浮腫外来…毎週火曜日
当院では、乳がん、子宮がん、前立腺がん等の術後に生じた上下肢のリンパ浮腫(病的なむくみ)に対してリンパ管を近傍の静脈にバイパスする顕微鏡下リンパ管静脈吻合術を積極的に行っております。機能の残存したリンパ管が多いほど良好な結果が得られるため、発症して間もない早期例では手術の良い適応です。
【陳旧性顔面神経麻痺(兎眼・眉毛下垂・顔面非対称)】
顔面神経麻痺外来…第2火曜日
Bell麻痺、Hunt症候群、聴神経腫瘍・耳下腺腫瘍術後などによる顔面神経麻痺に対して、閉瞼(まぶたを閉じる)機能の再建、眉毛吊り上げ術、マイクロサージャリーによる神経移行術、遊離筋肉移植(“笑い”の表情の再建)などを行っています。特に遊離筋肉移植については慶応義塾大学顔面神経麻痺再建チームで手術を行います。また、慢性期においては、リハビリ科と連携して予後評価、リハビリ指導を行うとともに共同運動、顔面拘縮、顔面痙攣などの後遺症に対するボトックス治療、外科的治療を行っています。

外来のご案内

電話(045-331-1961:内線5132)または直接形成外科外来窓口にてご予約の上、お越しください。
(完全予約制)
月・木曜日 13:00~16:00
火曜日 9:00~12:00
・顔面神経麻痺外来は、第2火曜日の午後のみ(14:00~16:00)
・リンパ浮腫外来は、火曜日(9:00~11:00)
・リンパ浮腫検査外来は、第1・3・4火曜日の午後のみ(14:00~16:00)

実績

平成27年度の主な手術実績は以下のとおりです。
  • 四肢リンパ浮腫 67件
       続発性(二次性)リンパ浮腫 上肢22件/下肢41件
       原発性(一次性)リンパ浮腫 上肢0件/下肢3件
  • 眼瞼下垂症 22件
  • 顔面神経麻痺(動的/静的再建) 16件
  • 腹壁瘢痕ヘルニア 14件

最近のトピックス

リンパ浮腫外来
平成25年1月よりリンパ浮腫外来を新設いたしました。詳細についてはリンパ浮腫のページをご参照ください。
顔面神経麻痺外来
平成24年4月より顔面神経麻痺専門外来を新設し、リハビリテーション科医師とともに月1回の診療を行っています。顔面神経麻痺の回復過程でおこる病的共同運動(口を動かす時に同時に瞼が閉じる)や顔面拘縮(顔のひきつれ、こわばり)などに対して、ボトックス(ボツリヌス毒素)の注射を併用したミラーバイオフィードバック法によるリハビリを行い良好な結果が得られています。
前立腺全摘除術後の腹圧性尿失禁に対する新治療(臨床研究)
~陰部神経縫合付加薄筋移植による尿道括約筋再建術~
排尿は膀胱の排尿筋の収縮と骨盤底にある(外)尿道括約筋の弛緩の共同作業により起こります。貯尿時には、尿道括約筋が常に収縮することで尿漏れを防いでいます。尿の排出を意識すると大脳から指令を受けた排尿の命令刺激が脊髄排尿中枢に伝わり、末梢神経を介して膀胱の収縮と尿道括約筋の弛緩を起こして尿が排出されます。尿道括約筋は骨格筋の1種でありながら、排尿に必要な特異な2つの機能(持続的に収縮し疲れにくい、排尿時の随意的な弛緩)を有しています。これらの機能を決定しているのが、尿道括約筋を支配する陰部神経です。
前立腺全摘除術後腹圧性尿失禁は、骨盤底筋の一つである尿道括約筋の一部が手術によって損傷された結果、尿道を締める力が弱くなり、咳など腹圧が高くなる時に反射的に尿が漏れてしまう状態をいいます。骨盤底筋体操では肛門括約筋を締める運動を繰り返すことで、尿道括約筋の強化をもたらし、失禁防止に役立つといわれています。尿道括約筋と肛門括約筋はともに共通の陰部神経によって支配されていることから、本術式では、肛門括約筋を支配している陰部神経に薄筋の運動神経をつなぎかえることで、尿道括約筋に近い特性を獲得した新しい尿道括約筋を再建する(動的再建)ことが可能となります。加えて、尿道スリングのように尿道を吊り上げる効果も期待できます(静的再建)。 本臨床研究は慶応義塾大学形成外科およびその関連施設(国立成育医療センター形成外科、立川病院形成外科、平塚市民病院形成外科、横浜市立市民病院形成外科)、横浜市立市民病院泌尿器科からなる研究チームにより行われます。本研究は今まで報告例がなく、トライアルな側面をもつ治療法ですが、ヒト屍体による模擬手術により実現可能となり、平成24年7月、当院倫理委員会にて承認されました。

(参考)≪現在の腹圧性尿失禁に対する標準的治療≫
前立腺癌に対する前立腺全摘除術後患者の8~20%が、術後1年以上たっても尿失禁の問題を抱えており、外科的な治療を必要とする尿失禁患者は、全摘除術患者の1~2%といわれています。現在、尿失禁に対する外科的治療として主に尿道スリング手術(メッシュのテープで尿道を吊り上げる)や人工括約筋法が行われています。前者は、軽度から中等度の尿失禁が適応となりますが、本邦では保険が適用されていません。後者は中等度から高度尿失禁患者に対して適用され、平成24年4月より保険が適用されるようになりました。人工尿道括約筋手術の術後の失禁改善率は90%(完治率は50%)で、患者満足度も高い半面、排尿の調節を器械が行っているため、非生理的であることに加えて、人工物がゆえに故障や感染などのトラブルが少なくないのが現状です。合併症としては、リザーバーバルーン・カフの水漏れ、コントロールポンプの作動不良などの機械トラブル(5%)、長期使用による尿道萎縮(5%)、感染(10%以下)、カフによる不適切な尿道圧迫による尿道潰瘍などがあり、5年で約20%のデバイスの摘出や更新が必要になるとの報告があります。

医師紹介

担当医師一覧
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佐久間 恒(サクマ ヒサシ) 形成外科部長 常勤
卒業年:
平成9年 
専門:
マイクロサージャリー、リンパ浮腫、小児形成、顔面神経麻痺
取得資格:
日本形成外科学会専門医
松澤 宗範(マツザワ ムネノリ) 臨床研究医
柚崎 一輝(ユザキ イッキ) 臨床研究医
当院では、医療の質の向上に寄与することを目的とする「外科系の専門医制度と連携したデータベース事業」(一般社団法人National Clinical Databaseが運営)に参加しています。個人情報を保護しながら手術や検査などに関する情報を登録しています。詳しくは下記をご覧ください。 上記のデータベース事業について