横浜市立市民病院

戻る
HOME

病院のご紹介

臨床指標(クリニカルインディケーター)

 臨床指標(クリニカルインディケーター)とは、医療の質を定量的に評価する指標のことで、医療の過程や結果から課題や改善点を見つけ出し、医療の質の向上を目的とするものです。
 当院では、臨床指標の策定にあたって、病院基本情報や医療を支える領域、当院の入院患者属性を明示したうえで、指標の客観性を担保する項目として、厚生労働省の「平成22年度医療の質に関する評価・公表等推進事業」に参加した日本病院会の指標を取り入れています。
 今後は、自院の指標の経年変化を分析することによって、必要により改善等を行い、医療の質の向上に努めます。


※平成27年度追加指標

日本病院会指標 25年度 26年度 27年度
  患者満足度(外来・入院)
  入院患者の転倒・転落発生率
  入院患者の転倒・転落による損傷発生率 レベル2以上
レベル4以上
  褥瘡発生率
  特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  特定術式における術後24時間(心臓手術は48時間)以内の予防的抗菌薬投与停止率
特定術式における適切な予防的抗菌薬選択率    
  死亡退院患者率
  退院後6週間以内の救急医療入院率
  糖尿病患者の血糖コントロール
  急性心筋梗塞患者における退院時投与割合 アスピリン
βブロッカー
スタチン
ACE阻害剤orARB
  急性心筋梗塞患者における入院後早期アスピリン投与割合
  急性心筋梗塞患者におけるACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤投与割合
急性心筋梗塞患者の病院到着後90分以内のPCI実施割合    
  脳卒中患者のうち入院から2日目までに抗血栓治療を受けた患者の割合
  脳卒中患者の退院時、抗血小板薬の処方割合
  心房細動を診断された脳卒中患者への退院時の抗凝固薬の処方割合
脳梗塞患者の退院時スタチン処方割合    
  脳梗塞における入院後早期リハビリ実施症例の割合
  喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合
  入院中にステロイドの経口・静注処方された小児喘息患者の割合
  紹介率・逆紹介率
  救急車・ホットラインの応需率
  尿道留置カテーテル使用率
症候性尿路感染症発生率    
統合指標【手術】    
統合指標【虚血性心疾患】    
統合指標【脳卒中】    

市民病院独自指標 25年度 26年度 27年度
  職員インフルエンザワクチン接種率
  入院患者MRSA感染率
  中心静脈カテ-テル関連血流感染(BSI)発生率
  手術部位感染(SSI)発生率  
  初期臨床研修医1人あたりの臨床研修指導医数

PDCAサイクルの概念図

PDCAに基づく平成27年度業務改善活動事例

1.病院概要・患者属性

病院基本データ ※診療実績の詳細はこちらかながわ医療情報検索サービス・当院情報

診療科数(平成28年8月31日現在)

33
許可病床数(床) (平成28年8月31日現在) 650
許可病床数に含まれる主な機能 (病床数)
救命救急センター 救命救急集中治療室(ICU) 4
高度治療室/ハイケアユニット(HCU) 20
集中治療室(ICU) 6
冠疾患集中治療室(CCU) 4
新生児集中治療室(NICU) 6
新生児治療回復室(GCU) 6
無菌室1・2 16
緩和ケア病棟 20
感染症病床 26
専門・認定看護師数(人)(平成28年8月31日現在) 28
内訳 (人)
オンコロジー専門看護師 * 1
リエゾン精神看護専門看護師 1
家族支援専門看護師 1
皮膚・排泄ケア認定看護師 2
がん性疼痛看護認定看護師 2
がん化学療法看護認定看護師 2
集中ケア認定看護師 5
救急看護認定看護師 2
新生児集中ケア認定看護師 2
緩和ケア認定看護師 1
感染管理認定看護師 1
小児救急看護認定看護師 1
摂食・嚥下障害看護認定看護師 2
糖尿病看護認定看護師 2
手術看護認定看護師 1
認知症看護認定看護師 1
慢性心不全認定看護師 1

*オンコロジー=腫瘍学(がんなどの腫瘍の原因・治療などついて研究する学問分野)

平成27年度
1日平均入院患者数(人) 553
平均在院日数(日) 11.7
一般病床利用率(感染症病床を除く)(%) 88.6
1日平均外来患者数(人) 1,356
1日平均救急患者数(人) 52
手術件数(件) *1 5,905
ボランティア登録人数(人) 69
クリニカルパス使用患者数(人) 5,117
院内がん登録件数(件) *2 1,889
外来化学療法件数(件) 4,514
敷地内禁煙実施
インターネット接続環境 なし

*1 手術室で行った件数
*2 対象期間は平成27年1月1日~12月31日

地域連携・医療相談 ※地域連携の詳細はこちら

  平成27年度
登録医数(人)

413

医療・福祉相談件数(件)

5,178

がん相談件数(件)

1,243

セカンドオピニオン件数(件)

38

チーム医療(平成28年8月31日現在)

活動中のチーム
感染対策チーム(ICT Infection Control Team)
栄養サポートチーム(NST Nutrition Support Team)
緩和ケアチーム(PCT Palliative Care Team)
褥瘡ケアチーム
呼吸療法サポートチーム(RST Respiratory Support Team)
摂食・嚥下チーム
精神科リエゾンチーム
認知症サポートチーム(DST Dementia Support Team)

2.医療の質に関する指標

日本病院会QI推進事業として調査している臨床項目を、平成27年度の評価基準に当てはめて計算したデータです。

※指標閲覧上の注意点
・平成27年度に追加された指標については、計測データが単年度分のみしかないものがあります。
・表記単位は、日本病院会の指標に準拠しています。

患者満足度(外来・入院)
customer-satisfaction
計算方法
分子 患者満足度調査において、「全体としてこの病院に満足している」という設問に対し、5段階評価中上位2つの評価に該当する回答をした外来患者数、入院患者数
分母 患者満足度調査に回答した外来(入院)患者数
除外 未記入患者

指標の説明

  • 指標は、平成27年12月に当院で実施した患者満足度調査において、「全体としてこの病院に満足している」という設問に対し、5段階評価(満足、やや満足、どちらでもない、やや不満、不満)の「満足」「やや満足」と回答した人の割合です。
  • 当院が提供する患者サービスの質を測る指標として、患者さんからのアンケートによる患者満足度を注視しています。寄せられたご意見は、質の高い安全・安心な医療サービスの提供のために活用しています。

結果・考察

  • 外来患者満足度については、会計待ち時間が長くなったことなどにより、前年度と比べ2.9ポイントの低下となりました。
  • 入院患者満足度については、医師、看護師の説明に対する評価が上昇したことなどにより、前年度と比べ1.2ポイントの上昇となりました。
  • 患者さんから頂いたご意見を全職員で共有すると共に、接遇力向上や環境整備など持続的な改善に取り組み、今後ともより良い病院づくりを進めます。

PDCA活動事例

医療の質に関する指標TOPへ
入院患者の転倒・転落発生率
入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル2以上・レベル4以上)
tentou
計算方法
分子
  • 転倒・転落発生率
  • 医療安全管理室へインシデントレポートが提出された転倒・転落件数
  • 転倒・転落による損傷発生率
  • 医療安全管理室へインシデントレポートが提出された転倒・転落件数のうち 損傷レベル2以上または4以上の転倒・転落件数
分母 入院延べ患者数

指標の説明

  • 入院中は、入院生活という生活環境の変化によるものや、病気そのもの、治療・手術・薬剤などの影響により、自宅にいる時以上に転倒・転落のリスクが高くなります。
  • 転倒・転落は骨折などの損傷に結びつく危険性が高く、病状の回復の遅れや日常生活の動作に支障が出るなど、患者さんの生活の質に大きな影響を及ぼします。転倒・転落を100%防止することは難しい現状ですが、発生件数や事例を追跡し分析を行うことで、転倒・転落による損傷の低減に役立てています。
  • 転倒・転落の損傷レベルについてはThe Joint Commissionの定義を使用しています。平成25年度から、計測対象にレベル2を追加しました。
The Joint Commissionによる損傷レベル
1 なし 患者に損傷はなかった
2 軽度 包帯、氷、創傷洗浄、四肢の挙上、局所薬が必要となった、あざ・擦り傷を招いた
3 中軽度 縫合、ステリー・皮膚接着剤、副子が必要となった、または筋肉・関節の挫傷を招いた
4 重度 手術、ギプス、牽引、骨折を招いた・必要となった、または神経損傷・身体内部の損傷の
診察が必要となった
5 死亡 転倒による損傷の結果、患者が死亡した
6 UTD 記録からは判定不可能

結果・考察

当院では毎年400件台の転倒・転落の報告がされています。患者さんの年齢や身体状況、疾患・治療内容が関連していると考えられます。
近年の医療を取り巻く環境として、高齢者数や認知症患者さんが増加しており、転倒・転落発生が予測される患者数も増加しています。

<当院の取組状況>
平成27年度のThe Joint Commissionによる損傷レベル3・4レベルだった事例を振り返って確認しましたが、転倒・転落の要因などに共通した点がなく、十人十色でした。
この結果も踏まえ、個々の患者さんに対して次のように取り組んでいます。

  • 入院時の状態把握により、個々の患者さんに合った療養環境を整え、転倒・転落の予防に努めています。
  • 服薬と転倒・転落の発生に関連があると指摘されている、睡眠導入剤の服用ルールを定め、適正使用に努めています。
  • 日中・夜間を通して常時、転倒・転落カンファレンスを行い、患者さんごとに適切な対応策を検討し実施しています。
  • 今後も転倒・転落のリスクアセスメントや転倒・転落防止対策を患者さんとご家族のご協力のもとに行い、重篤な損傷につながらないよう取り組みます。

PDCA活動事例

医療の質に関する指標TOPへ
褥瘡発生率
jokusou
計算方法
分子 調査期間における分母対象患者のうち、d2以上の褥瘡の院内新規発生患者数
分母 入院延べ患者数(同日入退院患者除く)
除外
  • 日帰り入院患者の入院日数(同日入退院患者も含む)
  • 入院時すでに褥瘡保有が記録(d1,d2,D3,D4,D5)されていた患者の入院日数
  • 調査期間より前に褥瘡の院内発生(d1,d2,D3,D4,D5)が確認され、継続して入院している患者の入院日数

指標の説明

  • 褥瘡とは、長期間寝ていたり車椅子を利用している場合に、同じ部位に体圧が長時間加わることにより、その部位の血行が悪くなり、皮膚・皮下組織が傷害されることで、その発生率は患者看護の質を測る重要な評価指標の1つです。
  • 痛みなどの知覚が低下した場合に発生しやすくなりますが、それに加えて、栄養状態、関節の変形、運動能力の低下といった様々な要因が絡みあって悪化するため、褥瘡ケアに関して専門的な知識を持ったスタッフによる看護体制をとることが重要になってきます。
  • この指標では、褥瘡発生の判断基準として、日本褥瘡学会のDESIGN-R(2008年改訂版褥瘡経過評価用)を用いています。DESIGN-Rの評価項目のうち、深さがd2以上に至ったものを褥瘡発生と捉えています。
DESIGN-R(2008年改訂版褥瘡経過評価用)による褥瘡の深さ基準
d0 皮膚損傷・発赤なし
d1 持続する発赤
d2 真皮までの損傷
D3 皮下組織までの損傷
D4 皮下組織を越える損傷
D5 関節腔、体腔に至る損傷
DU 深さ判定が不能の場合

結果・考察

  • 平成27年度から各病棟に褥瘡専任看護師を配置し褥瘡対策の質の向上を図りました。また、平成27年11月から褥瘡管理システムを導入し、褥瘡リスクアセスメントや診療計画書の作成を徹底させることなどにより、褥瘡発生率を低く推移させることができたものと思われます。

<当院の取組状況>

  • 皮膚・排泄ケア認定看護師を中心に、平成18年から褥瘡予防に関する研修会を開催しています。平成19年度からの累計で、延べ547名の看護師が院内から参加しています。今年度はより一層、褥瘡予防ケアの質を向上させていくために、看護師を対象に演習を中心とした褥瘡予防の研修会を開催するなど新たな取組を始めています。
  • 平成24年度から、医師、皮膚・排泄ケア認定看護師、栄養士、薬剤師で構成する褥瘡ケアチームによる回診の対象者を、褥瘡保有者だけではなく、褥瘡発生リスクの高い患者さんに拡大しました。
  • 設備面では、平成21年度から褥瘡予防に重要な体圧分散寝具などを導入し、必要時に適切な使用ができるようになりました。
  • 今後もこれらの取組を継続的に実施し、褥瘡発生の未然防止と褥瘡ケアの充実に努めていきます。

PDCA活動事例

医療の質に関する指標TOPへ
特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
特定術式における術後24時間(心臓手術は48時間)以内の予防的抗菌薬投与停止率
koukinyaku
計算方法
分子
  • 手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数
  • 術後24時間以内に予防的抗菌薬投与が停止された手術件数
    (冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合48時間以内)
分母

下記の特定術式の手術件数(入院時年齢18歳以上、在院日数120日未満の患者)

  • 冠動脈バイパス手術
  • そのほかの心臓手術
  • 股関節人工骨頭置換術
  • 膝関節置換術
  • 血管手術
  • 大腸手術
  • 子宮全摘除術
除外 <共通項目>
  • 帝王切開手術施行患者
  • 臨床試験・治験を実施している患者
  • 術前に感染が明記されている患者
  • 全身/脊椎/硬膜外麻酔で行われた手術・手技が、主たる術式の前後3日(主たる術式が冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合は4日)に行われたもの(日数計算は麻酔開始日/麻酔終了日を基点とする)
<予防的抗菌薬投与率>
  • 手術開始日時の24時間前に抗菌薬を投与されている患者
    (大腸手術でフラジールおよびカナマイシンを投与されている場合は除外の必要なし)
  • 外来手術施行患者
<予防的抗菌薬投与停止率>
  • 術後の抗菌薬長期投与の理由が記載されている
  • 手術室内または回復室内での死亡患者

指標の説明

  • 滅菌法や消毒などの医療技術が進歩した現代においても、手術中は細菌との接触リスクが高くなることから、感染を防止することは困難な課題です。
  • 感染により治癒が遅くなることで、患者さんのご負担が増えないよう、当院ではあらゆる手段を講じて感染防止に努めています。
  • その一つとして、手術開始から終了後2~3時間までの間、適切な抗菌薬(病気の原因となる細菌に対抗する薬)を静脈注射することで、血中および組織中の抗菌薬濃度を適切に保つ方法があります。
  • 手術中は、人体にもともと備わった免疫力だけでは十分に機能しないことから、感染防止には欠かせない処置です。
  • 一方では、抗菌薬の不適切で無計画な投与は副作用の危険性、耐性菌の出現、医療費を増大させるため、術後漫然と予防投与を継続しないこととされています。

結果・考察

  • 平成27年度の対象手術件数は増加していますが、開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与は高い水準で推移できており、手術部位感染(SSI)発生予防対策の1つとして効果が得られています。患者さんの状態変化により、臨機応変に対応できるよう取り組んでいきます。
  • 抗菌薬停止率は、各診療科ごとの計画投与が推進され改善されています。
医療の質に関する指標TOPへ
特定術式における適切な予防的抗菌薬選択率※
koukinyaku2
計算方法
分子
  • 特定術式ごとに適切な予防的抗菌薬が選択された手術件数
分母

下記の特定術式の手術件数(入院時年齢18歳以上、在院日数120日未満の患者)

  • 冠動脈バイパス手術
  • そのほかの心臓手術
  • 股関節人工骨頭置換術
  • 膝関節置換術
  • 血管手術
  • 大腸手術
  • 子宮全摘除術
除外
  • 帝王切開手術施行患者
  • 臨床試験・治験を実施している患者
  • 術前に感染が明記されている患者
  • 全身/脊椎/硬膜外麻酔で行われた手術・手技が、主たる術式の前後3日(主たる術式が冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合は4日)に行われたもの(日数計算は麻酔開始日/麻酔終了日を基点とする)
  • 手術室内または回復室内での死亡患者

指標の説明

  • 滅菌法や消毒などの医療技術が進歩した現代においても、手術中は細菌との接触リスクが高くなることから、感染を防止することは困難な課題です。
  • 感染により治癒が遅くなることで、入院日数と医療コストの面から患者さんの負担が増えないよう、当院ではあらゆる手段を講じて感染防止に努めています。
  • その一つとして、手術開始から終了後2~3時間までの間、適切な抗菌薬(病気の原因となる細菌に対抗する薬)を静脈注射することで、血中および組織中の抗菌薬濃度を適切に保つ方法があります。
  • 手術中は、人体にもともと備わった免疫力だけでは十分に機能しないことから、感染防止には欠かせない処置です。
  • 一方では、抗菌薬の不適切で無計画な投与は副作用の危険性、耐性菌の出現、医療費を増大させるため、術後漫然と予防投与を継続しないこととされています。

結果・考察

※平成27年度から追加された指標です。

  • アレルギー等からガイドライン推奨の抗菌薬が使用できない症例を除外すると、ガイドラインに沿った抗菌薬が使用されています。
医療の質に関する指標TOPへ
死亡退院患者率
death-ratio
計算方法
分子 死亡退院患者数
分母 退院患者数
除外
  • 緩和ケア等(診療報酬の算定を認可された病棟のみではなく、同様の病棟を設置している場合も含む)退院患者
  • DPCで様式1に含まれる「救急患者として受け入れた患者が、処置室、手術室等において死亡した場合で、当該保険医療機関が救急医療を担う施設として確保することとされている専用病床に入院したものとみなされるもの(死亡時の1日分の入院料等を算定するもの)。」

指標の説明

  • 死亡退院患者率は、医療施設の特性(医療圏で担う機能、地域性、病床数、入院患者さんの年齢や疾患の種類と重症度など)が異なるため、単純に医療の質の良し悪しを比較できるものではありません。
  • 死亡退院患者率の推移を追っていくことで、医療の質が変化していないかを知るのに役立ちます。

結果・考察

  • 平成27年度の対象患者数は増加していますが、死亡退院患者率は前年度からほぼ横ばいとなっています。
医療の質に関する指標TOPへ
退院後6週間以内の救急医療入院率
6week
計算方法
分子 分母のうち、様式1の「予定・救急医療入院区分」が「救急医療入院以外の予定外入院」または「救急医療入院」に該当し、かつ入院日の42日前以降に様式1の「前回退院年月日」が該当する症例
分母 DPC様式調査・様式1の退院患者数

指標の説明

  • 入院される患者さんにとっては、入院生活は通常と異なる不便さがあったり、仕事を長期間離れなくてはならないなど、日常生活に及ぼす影響は少なくありません。このような観点からは、入院期間はできるだけ短いことが望ましいこととなります。
  • 一方で、経過観察等の予定されたものではない予定外の再入院をすることになっては、一旦退院できたとしてもかえって入院期間が長引いたり、治療費の負担が増えてしまいます。
  • このようなことから退院後の一定期間後に再入院がどの程度あったのかを把握することは、在院日数の短縮とあいまって、医療の質を表す基本的な指標であるといえます。
    ※「救急医療入院」とは、次に掲げる状態にある患者さんに対して、医師が診察等の結果、緊急に入院が必要であると認めたものを指します。
     ・吐血、喀血又は重篤な脱水で全身状態不良の状態
     ・意識障害又は昏睡
     ・呼吸不全又は心不全で重篤な状態
     ・急性薬物中毒
     ・ショック
     ・重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)
     ・広範囲熱傷
     ・外傷、破傷風等で重篤な状態
     ・緊急手術を必要とする状態
     ・その他上記の要件に準ずるような重篤な状態

結果・考察

  • 年々、対象患者数は増加していますが、指標値は5.6%と日本病院会の平均的な指標値を推移しています。
  • 今後も、地域の病院との連携を深め、診療プロセスの見直しを進めることで、6週間以内の救急医療入院率と平均在院日数の改善を図っていきます。
  • なお、平成27年度の退院後6週間以内の救急医療入院率が高い疾患は、新生物系、呼吸器系、消化器系、循環器系となっており、年代別では60歳代以上の年代で全体の約64%を占める高い比率となっています。いずれも当院の患者構成において多数を占めています。
医療の質に関する指標TOPへ
糖尿病患者の血糖コントロール

ketou

計算方法
分子

HbA1c(NGSP)の最終値が7.0%未満の外来患者数

分母 糖尿病の薬物治療を施行されている外来患者数
(過去1年間に糖尿病治療薬が外来で合計90日以上処方されている患者)
除外 運動療法または食事療法のみの患者

指標の説明

  • HbA1c (ヘモグロビンA1c)とは、糖尿病の診断にも用いられている検査で過去1~2か月間の血糖値のコントロール状態がわかります(正常値は6.2%未満)。糖尿病による合併症頻度はHbA1c の改善度に比例しており、合併症を予防するために、HbA1c(NGSP)を7.0%未満に維持することが推奨されています。
  • したがって、HbA1c(NGSP)が7.0%未満にコントロールされている患者さんの割合を調べることは、糖尿病診療の質を判断するにふさわしい指標であると考えられます。勿論、妊娠中の患者さん、低血糖を感知できない糖尿病自律神経症を合併している患者さん、認知症があるため血糖は高めにコントロールしたほうが安全である患者さんなど、すべての患者さんがこの指標の数値を達成するべきものではありません。

結果・考察

  • 平成27年度の糖尿病の薬物治療を施行している患者数は1,231人で、前年度からやや増加して、HbA1c(NGSP)が7.0%未満にコントロールされている比率は改善しました。
    なお、平成24年度から用いられているHbA1c(NGSP)の詳細は、日本糖尿病学会HPをご覧ください。
  • 今後も継続して、血糖コントロールが不良などの患者さんに対し、外来診療や教育入院などを通じて血糖コントロールの改善を図り、「かかりつけ医」と連携しながら診療を行っていきます。
医療の質に関する指標TOPへ
急性心筋梗塞患者における退院時投与割合
(アスピリン・βブロッカー・スタチン・ACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤)
急性心筋梗塞患者における退院時投与割合 
計算方法
分子 分母のうち、退院時にアスピリン(またはβブロッカー、スタチン、ACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤のいずれか)が投与された症例数
分母 急性心筋梗塞で入院した症例数
除外 死亡退院症例

指標の説明

  • 急性心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養分や酸素を供給する「冠動脈」に血栓が生じることで、心臓の筋肉細胞が壊死してしまう病気です。
  • 病状が安定し退院した後に、病気が再発することを予防するために、『心筋梗塞二次予防に関するガイドライン』では、アスピリン、βブロッカー、スタチン、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤・アンギオテンシンⅡ受容体阻害剤(ARB)等のうち、必要なものを投与することが推奨されています。
  • そこで本指標では、急性心筋梗塞の診断があった退院患者さんに対して、これらの薬剤の退院時処方率を算出しています。
急性心筋梗塞に対する退院時処方薬の比較
効能/効果 禁忌
アスピリン ・血小板凝集を阻害することにより、血栓・塞栓が形成されることを抑制する。
・特に、冠動脈バイパス術あるいは経皮経管冠動脈形成術施行後での投与は重要である。
・出血傾向のある患者
・消化性潰瘍のある患者
・出産予定日12週以内の妊婦
・非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作が誘発される恐れのある患者
βブロッカー ・心拍数・心筋収縮力の抑制作用により、心筋酸素消費を軽減させて狭心症を抑制する。
・心房細動の抑制に効果がある。
・ペースメーカの入っていない高度徐脈やⅡ~Ⅲ度房室ブロック
・重度の末梢循環不全での使用
・冠攣縮性狭心症での単独使用
・気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患
スタチン 脂質代謝異常を改善し、冠動脈狭窄の要因となっているプラーク(血管内にできる脂肪分のコブ)を退縮させる。 ・重篤な肝機能障害のある患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦
アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤 ・腎臓での血流の調節機構を構成するACEを阻害することにより、末梢血管を拡張し血圧を下げる。
・腎臓の輸出細動脈を拡張し、アンギオテンシン受容体阻害剤とともに糸球体内圧を下げることにより、腎臓を保護する。
・血管浮腫の既往歴のある患者
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
・アリスキレンを投与中の糖尿病患者
アンギオテンシンⅡ受容体阻害剤(ARB) 腎臓での血流の調節機構を構成するアンギオテンシンⅡが、受容体と結合することを阻害することにより、末梢血管を拡張し血圧を下げる。 ・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
・アリスキレンを投与中の糖尿病患者

結果・考察

  • 平成27年度に急性心筋梗塞で入院した全症例について、『心筋梗塞二次予防に関するガイドライン』で示された、アスピリン、βブロッカー、スタチン、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤・アンギオテンシンⅡ受容体阻害剤(ARB)のいずれかが適切に処方・管理されていました。
  • 対象薬剤の処方率が変動していますが、これは心機能が正常な症例では予後の改善効果が見込まれず、内服が必須ではないことが最近の研究結果で判明したことから、処方適応症例の増減によって変動したことによるものです。
  • 紹介元から、アスピリン、βブロッカー、スタチン、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤・アンギオテンシンⅡ受容体阻害剤(ARB)をあらかじめ処方されている症例については、退院時処方としては含まれておりませんが、適切な持参薬管理を行っています。
医療の質に関する指標TOPへ
急性心筋梗塞患者における入院後早期アスピリン投与割合
急性心筋梗塞患者におけるACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤投与割合
kyuseishinkin  
計算方法
分子 ①分母のうち入院後2日以内にアスピリンが投与された症例数
②分母のうち、ACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤が投与された症例数
分母 急性心筋梗塞で入院した症例数

指標の説明

  • 急性心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養分や酸素を供給する「冠動脈」に血栓が生じることで、心臓の筋肉細胞が壊死してしまう病気です。
  • 血管カテーテルによる治療などによって、一旦は重篤な状態から安定した状態に移行したとしても、再び心筋梗塞を起こさないように二次予防を積極的に行わなければなりません。『循環器病の診断と治療に関するガイドライン』では、二次予防のために早期に投与すべき薬剤が示されています。
  • アスピリンは、臨床研究から早期に投与するほど死亡率が低下することが示されており、アスピリンアレルギーのある患者さんを除き、急性心筋梗塞が疑われる全症例で発症直後から投与することが推奨されています。本指標では、入院後2日以内にアスピリンが投与された割合を計測しています。
  • アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤については、心臓から全身に血液を送り出す機能が低下している患者さん、心不全を有するリスクの高い急性心筋梗塞患者さんに対して、発症24時間以内に投与することが推奨されています。
  • アンギオテンシンⅡ受容体阻害剤については、ACE阻害剤が不適応である急性心筋梗塞患者さんに対して投与することが推奨されています。

結果・考察

  • 入院時早期にアスピリン投与を行い、前年度と同様に適切な治療を行っています。
  • アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤・アンギオテンシンⅡ受容体阻害剤(ARB)投与についても、適応患者さんに対して、前年度と同様に適切な治療を行っています。
  • これらはいずれも、循環器病の診断と治療に関するガイドラインに沿った診療が行われています。
医療の質に関する指標TOPへ
急性心筋梗塞患者の病院到着後90分以内のPCI実施割合※
kyuseishinkin3  
計算方法
分子 分母のうち、来院後90分以内に手技を受けた症例数
分母 18歳以上の急性心筋梗塞でPCIを受けた症例数

指標の説明

  • 急性心筋梗塞(ST上昇型心筋梗塞:STEMI)の治療には、発症後可能な限り早期に再灌流療法(閉塞した冠動脈の血流を再開させる治療)を行うことが重要になります。再灌流療法には主にバルーンやステントを使用したPCIが行われます。
  • 病院到着(Door)からPCI(Balloon)までの時間を「door-to-balloon time」と言い、90分以内であることが推奨されています。本指標では、急性心筋梗塞患者さんの病院到着後90分以内にPCIを実施した割合を算出しています。

※PCIとは冠動脈インターベンション(経皮的冠動脈形成術)で、狭心症や心筋梗塞など狭くなった冠動脈を血管の内側から拡げるために行う低侵襲的な治療法です。

結果・考察

※平成27年度から追加された指標です。

  • 当院では、循環器系、心臓血管系の疾患を抱える重篤患者さんを対象とした治療室(CCU)の当直制を引いて緊急時の対応に備えています。また、door-to-balloon timeの短縮のために、救急総合診療科外来と循環器内科外来に「心筋梗塞(AMI)セット(治療に必要な薬剤など)」を設置しています。
  • 今後も継続して、発症後可能な限り早期に治療を行っていきます。
医療の質に関する指標TOPへ
脳卒中患者のうち入院から2日目までに抗血栓治療を受けた患者の割合
nousottyuu  
計算方法
分子 分母のうち、入院から2日目までに抗血栓療法を施行された患者数
分母 脳梗塞か一過性脳虚血発作(TIA)と診断された18歳以上の入院患者数
除外 t-PA 治療を受けた症例

指標の説明

  • 「脳卒中」は、大きくは脳の血管が詰まる「脳梗塞(脳血栓症・脳塞栓症・一過性脳虚血発作)」と、脳の血管が破れて出血する「脳出血」や「くも膜下出血」に分けられます。
  • 「脳梗塞」とは、脳の血管が細くなったり、血管に血栓(血のかたまり)が詰まったりして、脳に酸素や栄養が送られなくなるために、脳の細胞が障害を受ける病気で、一過性脳虚血発作(TIA)とは、一時的に脳の血流が悪くなることにより、運動麻痺、感覚障害などの症状が現れるが24時間以内に回復するもので、脳梗塞の前兆といわれています。
  • 今回の指標では、脳卒中のうち「脳梗塞」で入院から2日目までに抗血栓療法を施行された割合をみてみました。
  • 脳血管がつまって脳梗塞が再発することを防止するために、『脳卒中治療ガイドライン2015』では、48時間以内に1日あたりアスピリン160~300mgの経口投与が強く推奨されています。
  • ただし、脳血管に生じた血栓を溶解するt-PA治療を受けた場合は、24時間以内の血小板薬の投与は頭蓋内出血を増やす危険性があるため、『rt -PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針第二版』において禁忌とされており、本指標においても該当症例は除外しました。

結果・考察

  • 平成27年度の指標値は83.6%となっており、前年度と比較して3.7ポイント上昇しました。
  • 適応とならなかった症例には、他科入院による入院途中の脳梗塞発症などにより入院2日目までに該当しない場合や、出血等により治療ができない場合がありました。
  • 今後も継続して、患者さんの症状に応じて適切な処方・持参薬管理を行っていきます。
医療の質に関する指標TOPへ
脳卒中患者の退院時、抗血小板薬の処方割合
kyuseishinkin  
計算方法
分子 分母のうち、退院時に抗血小板薬を処方された患者数
分母 脳梗塞か一過性脳虚血発作(TIA)と診断された18歳以上の入院患者数
除外 退院時に抗凝固薬を投与している症例、死亡退院もしくは他院へ転院した症例

指標の説明

  • 脳梗塞は、詰まる血管の太さやその詰まり方によって3つのタイプに分けられます。
    1. 比較的太い動脈に付着したコレステロールの固まりに血栓ができる「アテローム血栓性梗塞」
    2. 脳の細い血管での動脈硬化によって起こる「ラクナ梗塞」
    3. 心臓にできた血栓が流れてきて血管をふさぐ「心原性脳塞栓症」などがあります。
  • このうち、心原性脳塞栓症以外の再発予防には、抗血小板薬の投与が推奨されています。
  • 十分な血圧コントロールのもとでの、ラクナ梗塞の再発予防にも抗血小板薬の使用が奨められています。
  • 今回の指標では、脳梗塞患者さんの退院時に抗血小板薬を処方した割合をみてみました。
  • 心原性脳塞栓症の再発予防には、通常抗血小板薬ではなく抗凝固薬が使われるため、本指標では抗凝固薬を投与した症例は除外しました。

結果・考察

  • 前年度と比較して2.7ポイント低下しましたが、適応とならなかった症例には、持参薬管理している場合、他施設で処方している場合、出血等により投与ができない場合がありました。
  • 地域連携の推進によって、高齢者の方や他施設からの入院が増加してきています。様々な症状や他施設での治療方針に応じて退院時の適切な処方・持参薬管理を行っていきます。
医療の質に関する指標TOPへ
心房細動を診断された脳卒中患者への退院時の抗凝固薬の処方割合
kyuseishinkin  
計算方法
分子 分母のうち、退院時に抗凝固薬を処方された患者数
分母 在院日数が120日以内で、脳梗塞か一過性脳虚血発作(TIA)と診断され、
かつ心房細動と診断された18歳以上の入院患者数
除外 死亡退院もしくは他院へ転院した症例

指標の説明

  • 心房細動は、心臓の拍動が乱れ、血液が心臓内に停滞する状態のことです。心房細動は高齢者に多く見られ、心房細動がある人は、ない人に比べて脳梗塞を発症しやすくなります。
  • また、心房細動が原因で心臓にできる血栓は比較的大きく、それが脳にとぶと、脳の太い血管をふさぎ、脳梗塞(心原性脳塞栓症)が起こり、脳が受けるダメージの範囲は広く、死亡率や寝たきりなどの介護が必要な重度の後遺症が残る可能性が高くなります。
  • 原因となる血栓ができないように、『脳卒中治療ガイドライン2015』では、弁膜症を伴わない心房細動のある脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)患者の再発予防に、血液凝固因子に作用して血栓を防ぐワーファリン等の抗凝固薬を処方することを推奨しています。

結果・考察

  • 平成27年度の指標値は100%となっています。
  • 地域連携の推進によって、高齢者の方や他施設からの入院が増加してきています。様々な症状や他施設での治療方針に応じて退院時の適切な処方・持参薬管理を行っていきます。
医療の質に関する指標TOPへ
脳梗塞患者の退院時スタチン処方割合※
脳梗塞患者の退院時スタチン処方割合  
計算方法
分子 分母のうち、退院時にスタチンが投与された症例数
分母 脳梗塞で入院した症例数
除外 死亡退院症例

指標の説明

  • 『脳卒中治療ガイドライン2015』では、脳梗塞の再発予防に脂質異常症のコントロールが推奨されています。また、高用量のスタチン系薬剤は脳梗塞の再発予防に有効であるとされています。
  • 本指標では、脳梗塞の診断があった退院患者さんに対して、スタチンが退院時に処方された割合を算出しています。
  • ※スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)とは、コレステロールの合成速度を制御する薬剤のことで、スタチン系薬剤は脂質異常症の治療薬として世界中で広く使用されています。

結果・考察

※平成27年度から追加された指標です。

  • 退院時のスタチン投与割合は41.5%でした。
  • 地域連携の推進によって、高齢者の方や他施設からの入院が増加してきています。様々な症状や他施設での治療方針に応じて退院時の適切な処方・持参薬管理を行っていきます。
医療の質に関する指標TOPへ
脳梗塞における入院後早期リハビリ実施症例の割合
脳梗塞における入院後早期リハビリ実施症例の割合  
計算方法
分子 分母のうち、入院後3日以内に脳血管リハビリテーションが行われた症例数
分母 脳梗塞の診断された18歳以上の入院患者数
除外 死亡退院症例

指標の説明

  • 脳梗塞により生じた運動・感覚障害等による安静臥床が長期化すると、筋萎縮・筋力低下、関節拘縮(関節を動かさないために、次第に関節の動く範囲が狭くなった状態のこと)等の症状があらわれる廃用症候群が起こります。
  • 廃用症候群を予防し、早期に日常生活を行えるようになって社会復帰が図れるようにするために、『脳卒中治療ガイドライン2015』では、十分なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーションを行うことを強く勧めています。しかしながら、離床でのリハビリテーションの開始の時期については現在研究が行われているところです。
  • 『脳卒中治療ガイドライン2015』に示されたエビデンスでは、入院後3日以内にリハビリテーションを開始した群は3日以上たってリハビリテーションを開始した群に比べ、入院期間が短く、退院時の歩行状態が良かったとされていることから、本指標では入院後3日以内に脳血管リハビリテーションが行われた症例数を計測しています。

結果・考察

  • 脳血管リハビリテーションを実施した患者数は105人、入院後3日以内に実施した患者数は75人となっており、全体からの割合は64.1%と前年度より21.5ポイントと大幅に上昇しました。
  • 院内のリハビリテーション科への併診、連携強化など、病院全体として早期リハビリテーションの推進を行ったため、指標値の上昇に繋がったと考えられます。今後も継続して、患者さんの症状に応じて、早期にリハビリテーションが始められるよう努めていきます。
医療の質に関する指標TOPへ
喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合
喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合
計算方法
分子 分母のうち、入院中に吸入抗炎症剤の処方を受けた患者数
分母 5歳以上の喘息患者のうち、喘息に関連した原因で入院した患者数

指標の説明

  • 気管支喘息は、気管支に炎症が続き、さまざまな刺激に敏感になり、空気の通り道が狭くなる病気です。喘息の炎症の多くはダニやハウスダスト、花粉、ペットのフケなど、日常生活のありふれた物質に対するアレルギーが関わっています。
  • 『喘息予防・管理ガイドライン2015』によると、喘息の治療薬は、喘息症状を軽減・消失させ肺機能を正常化し、その状態を維持させる長期管理薬(コントロラー)と、発作時に短期間使用する発作治療薬(レリーバー)に大きく2種類に分けられます。(詳しくは、リウマチ・アレルギー情報センターHPをご覧ください)。
    • 長期管理薬(コントロラー):吸入ステロイド薬、長期作用型の気管支拡張薬、抗アレルギー薬
    • 発作治療薬(レリーバー):経口ステロイド薬、短時間作用する気管支拡張薬
  • 吸入ステロイド薬は長期管理薬のひとつで、アレルギー性炎症に対する最も強い薬剤です。経口薬よりも全身への副作用が少ないため、吸入薬が用いられます。喘息の状態を軽症から重症までの4ステップに分類し、それぞれの段階に応じて低用量から高用量で投薬すべきとされています。
  • 小児気管支喘息においては、成人気管支喘息とは異なる推奨薬剤が示されており、必ずしも吸入ステロイド薬を優先的に用いることとはされていません。(詳しくは、リウマチ・アレルギー情報センターHPをご覧ください)。
  • 吸入ステロイド薬を長期に高用量使用した場合の全身への影響は、副腎皮質の抑制や骨代謝の抑制の報告があります。経口薬より副作用は少ないとしても長期の影響について注意深く検討する必要があります。

結果・考察

  • 当院における吸入ステロイド処方率は49.0%ですが、成人に限ると約80%です。入院中に処方されなかった成人の患者さんは、自宅に薬がある場合や、患者さんの希望により吸入ステロイド薬と同様の効果がある薬剤で適切な治療を行っています。また、患者さんに対する吸入指導は入院中に全例行っています。したがって、入院を要するほどの成人喘息患者さんに対するステロイド吸入普及率は100%となっております。
  • また、吸入ステロイドを入院中に処方していない小児患者さんは、主にβ2受容体刺激薬であるホクナリンテープや抗アレルギー薬であるロイコトリエン受容体拮抗薬などの処方を行うとともに、継続して、地域のかかりつけ医との長期的な連携を図っています。
医療の質に関する指標TOPへ
入院中にステロイドの経口・静注処方された小児喘息患者の割合
喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合
計算方法
分子 分母のうち、入院中にステロイド経口・静注処方された症例数
分母 2歳~15歳の喘息患者のうち、喘息に関連した原因で入院した症例数
除外 在院日数が121日以上の症例・疑い病名の症例

指標の説明

  • 小児気管支喘息については、成人気管支喘息とは異なる特性があることから、日本小児アレルギー学会において『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012』を策定しています。
  • その中で、急性発作時の医療機関での対応について、家庭での対処状況を把握した上で発作強度を評価し、中発作は外来治療、大発作と呼吸不全は入院治療で対応することとされています。
  • 中発作ではβ2刺激薬等気管支拡張作用を持つ薬剤では対応できない場合、大発作と呼吸不全では初期段階から、経口・静注ステロイドの投与が標準的治療として示されています。ステロイドの全身投与は、呼吸困難が改善したら中止し、できる限り短期の使用にとどめることとされています。

結果・考察

  • 当院の小児喘息患者数は、前年度に比較して増加していますが、指標値は前年度と変わらず96.6%となっています。
  • 指標に該当しない症例を検証したところ、入院中にステロイドの経口投与・静脈投与を行わなかった症例では、β2刺激薬等気管支拡張作用を持つ薬剤の投与を行い、併発する肺炎の治療や基礎疾患の管理などを重点的に行っています。
医療の質に関する指標TOPへ
紹介率・逆紹介率

紹介率・逆紹介率

計算方法
  旧方式 新方式
分子 紹介率:紹介初診患者数+(初診緊急入院患者数-初診緊急入院患者のうち紹介初診患者数)
逆紹介率:逆紹介患者数
紹介率:紹介初診患者数-(紹介初診平日救急搬送患者数+紹介初診休日・夜間救急患者数)
逆紹介率:逆紹介患者数
分母 初診患者数-(休日・夜間の初診救急患者数-休日・夜間の初診救急入院患者数) 初診患者数-(初診で平日救急搬送患者数+休日・夜間の初診救急患者数)
除外 休日・夜間の初診救急患者数-休日・夜間の初診救急入院患者数 初診の平日救急搬送患者数及び休日・夜間の初診救急患者数

指標の説明

  • 市民病院は、平成18年9月に「地域医療支援病院」として承認され、病院・診療所等地域医療機関との連携を進めており、初診については地域医療機関からの紹介制を推進しています。
  • 逆紹介とは、当院での診療により、安定した病状となった患者さん等を療養型病院や地域のかかりつけ医での治療への移行等のために、他の医療機関へ紹介することです。
  • 本指標は、「地域医療支援病院」にかかる基準の算定方式により、初診患者数に占める紹介患者数(紹介率)及び、逆紹介患者数(逆紹介率)の割合であり、地域医療機関との連携がどの程度図られているかを示すものです。なお、平成26年度から算定方式が変更となっており、新基準及び旧様式で各々グラフにしています(平成27年度の旧方式は未算定)。※日本病院会QI推進事業平均値は旧方式によるものです。

結果・考察

  • 平成27年度の紹介率は前年度と比較して2.4ポイント(71.3%←68.9%)の増となり、逆紹介率は、初診患者数の増加に対して逆紹介患者数が大幅に増加したため、8.9ポイント(79.6%←70.7%)の増加となりました。
  • 当院が目指す高度急性期医療病院としての役割を十分に果たすために、引き続き地域医療連携を推進していく必要があります。そのために、地域の医療機関との密な情報交換や顔の見える関係の構築、患者さんへのかかりつけ医の役割についての広報活動、また、大きな処置や検査を要さない再診患者さんを積極的に地域に逆紹介するなど、患者さんの症状に応じた医療を地域で提供するための取組を行っていきます。

PDCA活動事例

医療の質に関する指標TOPへ
救急車・ホットラインの応需率
救急車・ホットラインの応需率
計算方法
分子 救急車で来院した患者数
分母 救急車受け入れ要請件数
除外 他院からの搬送(転送)件数

指標の説明

  • 当院の救命救急センターは、高度な三次救急医療に特化するのではなく、従来の救急センター(ER)と同様に、初期から三次までの救急症例を全て対象とし救急医療に取り組む「ER型救命救急センター」を目指しております。
  • とりわけ、救急搬送については、横浜市の救急医療の中核を担う病院として、救急搬送の受け入れに努めています。救急車応需率は、救急医療機関の受入能力を示す基本的な指標であり、平成27年度は応需率93.5%を目標としました。

結果・考察

  • 応需率を高めるための取組として、
    1. 日中から夜間に切り替わるまでの間に、救急患者さんの受入れに使用している救急病床を確保するよう、一般の病床への転棟を含めて調整を行いました。
    2. 月に1回開催される「救命救急センター運営委員会」において、課題の抽出、課題解決に向けた話し合い等を行いました。
  • PFM推進プロジェクトベッドコントロール部会において、救命救急センター運用マニュアルや病床運用基準における入室基準の再確認、周知を行うとともに、効率的な病床運用について議論を行いました。
  • これらの取組の結果として、平成27年度の応需率は93.7%となり、目標を達成しました。

PDCA活動事例

医療の質に関する指標TOPへ
尿道留置カテーテル使用率
尿道留置カテーテル使用率  
計算方法
分子 尿道留置カテーテルが挿入されている入院延べ患者数
分母 入院延べ患者数

指標の説明

  • 尿道カテーテルは、自身で排尿が困難な患者さんの尿道に設置するカテーテルですが、長期間留置されていると細菌感染のリスクが高まることから、適切な適応のある患者さんに限定して使用すべきものです。
  • 米国疾病管理予防センター(CDC)が2009年に発表した『カテーテル関連尿路感染予防のためのガイドライン』では、『急性尿閉、膀胱出口部閉塞』、『重篤な患者に対する正確な尿量測定』、『外科手技のための周術期使用』、『尿失禁患者における仙骨部褥瘡に対する使用』、『終末期ケアの快適さの改善』等の限定的な目的にのみ、尿道カテーテルを使用するべきとされています。

結果・考察

  • 尿道留置カテーテルの使用率は前年度と比較してほぼ横ばいとなっています。
  • 尿道留置カテーテルの使用目的は、ガイドラインで示された範囲内でした。
医療の質に関する指標TOPへ
症候性尿路感染症発生率※
症候性尿路感染症発生率  
計算方法
分子 分母のうちカテーテル関連症候性尿路感染症の定義に合致した延べ回数
分母 入院患者における尿道留置カテーテル挿入延べ日数

指標の説明

  • 尿路感染症は医療関連感染の中でも最も多く、約40%を占めます。そのうち80%が尿道カテーテルの留置によって発生するとされています。
  • 尿道カテーテルは、自身で排尿が困難な患者さんの尿道に設置するカテーテルですが、長期間留置されていると細菌感染のリスクが高まることから、適切な適応のある患者さんに限定して使用すべきものです。
  • 米国疾病管理予防センター(CDC)が2009年に発表した『カテーテル関連尿路感染予防のためのガイドライン』では、『急性尿閉、膀胱出口部閉塞』、『重篤な患者に対する正確な尿量測定』、『外科手技のための周術期使用』、『尿失禁患者における仙骨部褥瘡に対する使用』、『終末期ケアの快適さの改善』等の限定的な目的にのみ、尿道カテーテルを使用するべきとされています。

結果・考察

※平成27年度から追加された指標です。

  • カテーテル挿入の適応を理学的情報をもとに判断し、慎重に選択した患者さんのみに使用を限定し、適応外となったら直ちにカテーテルを抜去することを遵守しています。
  • 挿入中に尿路感染が疑われた場合は、速やかに尿の細菌検査を実施し、適切な治療につなげています。
医療の質に関する指標TOPへ
統合指標【手術】※
統合指標【手術】  
計算方法
分子 下記の合計
  • 手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数
  • 術後24時間以内に予防的抗菌薬投与が停止された手術件数
    (冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合48時間以内)
  • 術式ごとに適切な予防的抗菌薬が選択された手術件数
分母 各分子に対する、下記の特定術式の手術件数(入院時年齢18歳以上、在院日数120日未満の患者)の合計
 ・冠動脈バイパス手術
 ・そのほかの心臓手術
 ・股関節人工骨頭置換術
 ・膝関節置換術
 ・血管手術
 ・大腸手術
 ・子宮全摘除術
除外 <共通項目>
  • 帝王切開手術施行患者
  • 臨床試験・治験を実施している患者
  • 術前に感染が明記されている患者
  • 全身/脊椎/硬膜外麻酔で行われた手術・手技が、主たる術式の前後3日(主たる術式が冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合は4日)に行われたもの(日数計算は麻酔開始日/麻酔終了日を基点とする)
<予防的抗菌薬投与率>
  • 手術開始日時の24時間前に抗菌薬を投与されている患者
    (大腸手術でフラジールおよびカナマイシンを投与されている場合は除外の必要なし)
  • 外来手術施行患者
<予防的抗菌薬投与停止率>
  • 術後の抗菌薬長期投与の理由が記載されている
  • 手術室内または回復室内での死亡患者
<予防的抗菌薬選択>
  • 手術室内または回復室内での死亡患者

指標の説明

※平成27年度から追加された指標です。

  • 統合指標【手術】とは、
     ・「特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率」
     ・「特定術式における術後24時間(心臓手術は48時間)以内の予防的抗菌薬投与停止率」
     ・「特定術式における適切な予防的抗菌薬選択率」
    以上の指標値を合算して、手術における予防的抗菌への取組について総合的に評価する指標です。
医療の質に関する指標TOPへ
統合指標【虚血性心疾患】※
 
統合指標【虚血性心疾患】計算方法
分子 下記の合計
  • 分母のうち、入院後2日以内にアスピリンが投与された症例数
  • 分母のうち、退院時にアスピリン(またはβブロッカー、スタチン、ACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤のいずれか)が投与された症例数
  • 分母のうち、来院後90分以内に手技を受けた件数
分母 下記の合計
<アスピリン、βブロッカー、スタチン、ACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤>
急性心筋梗塞で入院した症例数
<90分以内に手技>
18歳以上の急性心筋梗塞でPCIを受けた症例数
除外 <退院時(アスピリン、βブロッカー、スタチン、ACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤)>
死亡退院症例

指標の説明

※平成27年度から追加された指標です。

  • 統合指標【虚血性心疾患】とは、
     ・「急性心筋梗塞患者における入院後早期アスピリン投与割合」
     ・「急性心筋梗塞患者における退院時アスピリン投与割合」
     ・「急性心筋梗塞患者における退院時βブロッカー投与割合」
     ・「急性心筋梗塞患者における退院時スタチン投与割合」
     ・「急性心筋梗塞患者における退院時のACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤の投与割合」
     ・「急性心筋梗塞患者の病院到着後90分以内の初回PCI実施割合」
    以上の指標値を合算して、心筋梗塞の患者さんに対しての取組について総合的に評価する指標です。
医療の質に関する指標TOPへ
統合指標【脳卒中】※
統合指標【脳卒中】  
計算方法
分子 下記の合計
  • 分母のうち、入院から2日目までに抗血栓療法を施行された患者数
  • 分母のうち、退院時に抗血小板薬を処方された患者数
  • 分母のうち、退院時にスタチンが投与された症例数
  • 分母のうち、退院時に抗凝固薬を処方された患者数
  • 分母のうち、入院後早期(3日以内)に脳血管リハビリテーションが行われた患者数
分母 下記の合計
<抗血栓療法、抗血小板薬>
  • 脳梗塞かTIAと診断された18歳以上の入院患者数
<抗凝固薬>
  • 脳梗塞かTIAと診断され、かつ心房細動と診断された18歳以上の入院患者数
<スタチン、早期リハビリ>
  • 脳梗塞で入院した患者数
除外
  • t-PA治療を受けた症例
  • 退院時に抗凝固薬を投与している症例
  • 死亡退院症例もしくは他院へ転院した症例
  • 死亡退院症例

指標の説明

※平成27年度から追加された指標です。

  • 統合指標【脳卒中】とは、
     ・「脳卒中患者のうち入院から2日目までに抗血栓治療を受けた患者の割合」
     ・「脳卒中患者の退院時、抗血小板薬の処方割合」
     ・「脳梗塞患者の退院時スタチン処方割合」
     ・「心房細動を診断された脳卒中患者への退院時の抗凝固薬の処方割合」
     ・「脳梗塞における入院後早期リハビリ実施症例の割合」
    以上の指標値を合算して、脳卒中の患者さんに対しての取組について総合的に評価する指標です。
医療の質に関する指標TOPへ

3.医療安全

平成27年度 医療安全管理の取組について

医療局病院経営本部記者発表資料のページをご覧ください。

4.感染管理

職員インフルエンザワクチン接種率
職員インフルエンザワクチン接種率
計算方法
分子 職員(嘱託・アルバイトを含む)インフルエンザワクチン接種人数
分母 職員数(嘱託・アルバイトを含む)

指標の説明

  • 特に入院中の患者さんは易感染状態であることが多いため、職員がインフルエンザを病院内に持ち込んで感染を広げることがないようワクチンを接種しておくことが必要です。

結果・考察

  • 毎年90%前後の職員がワクチンを接種しており、院内でのインフルエンザ流行は発生していない状況です。
  • アレルギー等でワクチンを接種できない職員もいるため、併せてマスク着用や石けん手洗い・手指消毒の励行をしています。
  • インフルエンザ流行期にはインフルエンザ対策をターゲットとした院内ラウンドを行い、感染拡大予防に努めています。
入院患者MRSA感染率
入院患者MRSA感染率
計算方法
分子 MRSA感染症患者数
分母 総入院患者数

指標の説明

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、病院内で感染拡大しやすい薬剤耐性菌の代表的なものです。病院での感染対策が徹底されると、この数字が低下していくと考えられます。

結果・考察

  • 対象患者数が微増傾向ですが、MRSA感染率は1‰台と低率で、感染対策が徹底して行われているといえます。
  • 入院時からMRSAが検出される、いわゆる持ち込み例が増加しているためゼロにはできませんが、今後も感染対策を継続して低い水準を維持していきます。
中心静脈カテ-テル関連血流感染(BSI)発生率
中心静脈カテ-テル関連血流感染(BSI)発生率
計算方法
分子 中心静脈カテ-テル関連血流感染(BSI)発生数
分母 中心静脈カテ-テル使用日数累計

指標の説明

  • 中心静脈とは心臓に最も近く、直接心臓へ流入する大きな静脈(上大静脈・下大静脈)で、内径が太く血流も豊富なため、高濃度の輸液・特殊な薬剤の投与を行った場合にも血管炎が起きにくいとされています。
  • 中心静脈カテーテルは、中心静脈に留置される血管内カテーテルで、上記の様な特殊な輸液や薬剤投与を安定して行えます。
  • 中心静脈カテ-テル関連血流感染(BSI)は、中心静脈カテーテルを留置中の患者(抜去後48 時間以内含む)を対象とした血液培養によって確定された血流感染症(菌血症)です。
  • カテーテルは身体にとって異物であり、使用すること自体に感染リスクがありますが、カテーテル挿入時の皮膚消毒などの感染対策が不十分な場合等に多発する恐れがあります。

結果・考察

  • BSIの発生により、患者さんへの身体的な負担、入院期間の延長や医療コストの上昇を招くため、米国疾病管理予防センター(CDC)ガイドラインに準拠した院内マニュアルを策定し、感染防止対策をとっていますが、BSI発生率は1‰前後で推移しており、感染対策が一定の効果を示しているものと考えられます。
  • 今後も感染対策を継続して低い水準を維持していきます。

※参考:CDCの全米院内感染サーベイランス(NHSN)
急性期病院(卒後臨床研修教育病院)の平均値  平成25年 1.1~1.2‰

手術部位感染(SSI)発生率
手術部位感染(SSI)発生率
計算方法
分子 手術部位感染(SSI)発生数
分母 手術件数(JANIS対象術式)

指標の説明

  • 手術部位感染(SSI)とは、手術に伴い術中、術後の部位に起こる感染症を指し、外科患者さんの医療関連感染では多くの割合を占めています。
  • 指標の抽出では、術式を院内感染対策サーベイランス(JANIS)分類に沿って分類して対象を選定して、対象術式に対し、周術期感染対策ができているのかどうかを表わしています。

結果・考察

  • SSI発生率は2.7%となっており、厚生労働省院内感染対策公開情報と比較して低い発生率となっています。
  • 術前・術中・術後管理が感染対策マニュアルに沿って行われています。
  • 今後も感染対策を継続して低い水準を維持していきます。

※参考 厚生労働省院内感染対策公開情報SSI発生率(年単位)

5.臨床研修

初期臨床研修医1人あたりの臨床研修指導医数
kensyu

*1 初期臨床研修医数には、 当院と協力病院との1年ずつのたすきがけ研修医を含む
*2 臨床研修指導医数は、厚生労働省が定めた「医師の臨床研修に係る指導医講習会」の修了者数
*3 募集定員18人に対しての希望者数

医師臨床研修制度導入の経緯

  • 従来の臨床研修制度では、出身大学やその関連病院での研修が中心で、地域医療との接点が少ないものでした。
  • 研修内容も専門の診療科に偏ったもので、幅広い診療能力が身に付けられる総合診療方式による研修が少なく、研修成果の評価も十分に行われてきませんでした。
  • これらの問題点を踏まえ、医師としての人格を涵養し、将来の専門分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療で頻繁に関わる傷病に適切に対応できる基本的な診療能力を修得できるよう、平成16年4月より法に基づく臨床研修制度が導入されました。

当院の臨床研修について

  • 初期臨床研修医1人に対して1人以上の厚生労働省指定研修を修了した臨床研修指導医が、患者数が多く研修機会が多い診療科には概ね配置されており、今後も行き届いた指導体制がとれるように指導医の増員に取り組んでいます。
  • 厚生労働省で必修とされている内科・救急・地域医療に加えて、外科・麻酔科・小児科研修も必修としており、より幅広く基本的な診療能力を修得できる体制となっています。
  • 地域がん診療連携拠点病院に指定されており、外来化学療法室やPET-CT、緩和ケア病棟、がん相談支援センターなどで、総合的ながん診療の経験を積めるように配慮しています。
  • 第一種感染症指定医療機関になっていることから、抗生剤の使い方やHIV、マラリア、デング熱などの感染症にも習熟できるようになっています。
  • 救急医療の最前線で患者対応能力を高めるとともに、様々な疾患の診療を経験するため、重症度の低い患者さんの初期対応をまず1年目の研修医が行い、その指導には2年目の研修医及び救急専門医があたるようにしています。重症度の高い急患の対応は、救急専門医とともに行います。